突然ですが、昨日一日の仕事の一部を、一緒に振り返ってみませんか?

 

コミュニケーションの相手と種類

 

昨日、仕事上いったいあなたはなん人とコミュニケーションを取りましたか?

そのうちのなん人が良く知った相手で、なん人があまりやり取りすることのない相手や初めてコミュニケーションをとる相手でしたか。

 

もう少し続けてみましょう。
昨日一日、仕事に役立ちそうな新しい情報や、これまで考えていなかったり意識していなかったやり方や考えに触れる機会はありましか?

その機会は、誰からどんな風に入ってきましたか?

業務や作業の種類、立場や役割りによる違いがとても大きいのですが、一口に「コミュニケーション」と言っても仕事上のコミュニケーションはいくつかのタイプに分類できるのではないでしょうか。

 

今回は、業務内容と人のつながり、そしてコミュニケーションのタイプとツールの関係を考えてみます。

 

 

業務や作業において必要となるコミュニケーション・ツールの種類

 

まず、最近、社内ソーシャルや業務コミュニケーションについてのディスカッションで使用しているチャートを紹介します。

 

 

コミュニケーション&コラボレーション・ツールの特性と得意分野 #1

 

従来からのコミュニケーション/コラボレーションツールを、新しい業務にあてはめ
使用することも可能です。ただし、長く使うほど利便性や効率は下がっていきます。

 

 

普段からコミュニケーションやコラボレーションというテーマについて考えられている人ほど、違和感を覚えられるかもしれません。

 
しかし、ディスカッションの叩き台として捉えれば、「従来からのもの」なのか「新たなもの」なのかという軸で業務と人のつながりを簡略化して捉えていくことで、ある程度ツールの特性や向き不向きが見えてくるのはご理解いただけるのではないでしょうか。

 

続いてもう一枚普段使用しているチャートを紹介します。1枚目の背景というか、もうすこし深堀りしたものとなります。

 

 

コミュニケーション&コラボレーション・ツールの特性と得意分野 #2

 

主観性の強い比較であり、観点により○×は大きく変動します。
(比較に使用した観点:コンテクスト(経緯)保持 / 構造化 / 公開性 /
拡張・再利用性 / リアルタイム性 / 検索性)

 

両方のチャートに共通して言えることなのですが、「閉じたコミュニケーション」や「従来からの業務」という言葉、また「コンテクスト」や「構造化」という単語からイメージする業務は個人差がとても大きいです。

おそらく、私のイメージと皆さんのイメージにも、かなりのギャップが生まれていることでしょう(ああ、もっと表現力が欲しい……)。

 

簡単に、いくつかギャップの大きそうな言葉を取り上げ、私のイメージを簡単に説明しておきます。

 

  • 閉じたコミュニケーション : 新たな知識やアイデアを必要としていない状況における、決まった相手とのコミュニケーション
  • 定型フォーマット : プロセスやフローが完成しており、見直す必要性が見出されていないもの、およびそのやりとり
  • 即時的やり取り : その場ですぐに回答や意見が求められる、リアルタイムのコミュニケーションやコラボレーション
  • コンテクスト保持 : 合意形成や意思決定にに至る背景や経緯、あるいは作成物が完成するまでのプロセスの閲覧性や記録
  • 拡張・再利用性 : 別ツールや別環境・状況における活用や共有のしやすさ
  • 構造化 : 情報やコミュニケーションを、テーマや登場人物、順序などの要素から関連立てて視覚化すること

 

 

意思の伝達方法と移動方法の変化の関係

 

社内で使用されている(使用を検討されている)コミュニケーション・ツールの中で、代替の利かないものはほぼ存在しないだろうと私は思っています。

絶対に必要な最小要件である「意思を伝える」ことはどのツールを使用してもできるでしょうし、何らかの要素の欠落はカバーすることができる、と言うことです。

 

物体を移動させる道具(ツール)と絡めて捉えてみるとよいかもしれません。

 

大昔は、意思を伝えるのに、直接会って話す以外の方法はありませんでした。

その後、郵送や電話というイノベーションが起こりました。そして電子メールやケータイ、SNSというイノベーションが続いていきましたが、直接会って話すという意思伝達の重要さは今も変わりません。

 

また、高速道路や交通機関が発展し、会いに行く方法も多彩になりました。しかし飛行機があるからといって電車を使わなくなるわけでもないですし、車を持っているからといっても常に車で会いに行くわけでもありません。

 

二、三度のことであれば、持っている道具にどうにかあて嵌めてやっていっても、たいして困ることもないでしょうし、新たに準備する金銭的な負担や慣れるまでの時間を考えると、むしろそちらの方がメリットがあるでしょう。

でも、これが繰り返されるようになり、使用者も増えてくると…。金銭や時間という投資をメリットが上回るのは時間の問題となります。

 


 

社内ソーシャルに携わってきた人にとっては、今回は「何をいまさら……」という話だったかもしれません。

ただ、私の知る限り、「特性と得意分野」を目に見える形にして、自社においてはどうかといったディスカッションを行っている企業はさほど多くないようです。

 

すでに社内ソーシャルを導入している企業も、まだ検討中という企業も、ぜひこうした観点からも考えてみてください。

 

Happy Collaboration!


八木橋 Pachi 昌也

">by 八木橋 Pachi 昌也

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