オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第208回 
こういう人いるよねという出会いのウラガワ(1)

◆もくじ◆

こういう人いるよねという出会いのウラガワ(1)

・最近の志麻子さん 
 岩井志麻子と行くタイツアー 参加者募集中
 5/12(日)「オメ★コボシ45」開催

 TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
 「岩井志麻子のおんな欲」連載中
 カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
 MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

・著者プロフィール

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新たな出会いの季節である春だけれど、なんでこんな奴と出会ったんだという出会いもある。
こういう人っているよね、と軽い驚きをもたらしてくれたエピソードをお届け。

ナンパしてきた男のがっつきぶりに辟易した夏美だが、千鳥先生が言うには……。
芸人まーくんが、生コマーシャルの番組で再開した女性は……。


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2014年11月~17年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2018年1月「命や生きることについて考えたウラガワ
2月「人はなかなか変わらないのウラガワ
3月「きれいに卒業できない女たちのウラガワ
4月「新たな出会いの不気味なウラガワ
5月「良い季節でも人は病むウラガワ
6月「『有名な男の女』だった二人のウラガワ
7月「怪談の季節! ゾッとする実話なウラガワ
8月「嘘と本当のあわいの怖い話のウラガワ
9月「大人になりきれない人達のウラガワ
10月「ベトナム旅行チン道中のウラガワ
11月「しみじみしんみりな出来事のウラガワ
12月「来年まで引きずりそうなアノ人のウラガワ
2019年1月「去年に縁があったあれこれのウラガワ
2月「台湾で初めて会った人たちのウラガワ
3月「胸に引っかかる人を思う春のウラガワ


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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

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 入学式も入社式も、自分自身だけじゃなく子どもですら関係なくなってしまっても、四月が来れば新たな出会いがあるかもと、期待してしまう。
 とはいえ、素敵な出会い、喜ばしい御縁ばかりではない。残念ながら、会わなきゃよかったとか、なんでこんな奴と出会ったんだとか、ある。

 そこまでいかなくても、あまりいい意味ではなく、「いろんな人がいるなぁ~」「まだまだ私の知らないジャンルの人達っているのね」とため息をついてしまうことも少なくない。ま、私だっていろんな人にそう思われてきたんだろうけど。

 そんなわけで今月は、衝撃的な出会いというより、「こんな人もいるんだ。ああ、いるよね」みたいな、桜の花びらほどではないが軽い驚きをもたらした人達を書いてみる。

 例によって全編、人や場所を特定されないよう、仮名にして変更や脚色を加えてある。

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「聞いてくださいよ~、今まで生きてきて、あんな奴に会ったの初めてっていうか、こんな目に遭ったの初めてですよっ」
 夏美は芸能人かと思われるほどの可愛らしさだが、実際は芸能事務所で事務職をしている。お嬢さんだが適当に軽いところもあり、よくナンパされ、ついていってもいる。

「書店で立ち読みしてたら、声かけられたんです。ざっくり三十代かなぁ、イケメンでもブサメンでもない、フツメン。でもスーツも靴もカバンも腕時計もそれなりの物で、ちゃんとした会社員風だったからついてったんです。
 チェーンの居酒屋でも有名高級店でもない、そこそこの店に連れて行かれて。当然のように向かい合わせじゃなく、隣り合って座ったんですね。
 そこ、半個室っていうのかな、びったりドアが閉まって密室になるんじゃなく、つい立てとカーテンで隣のテーブルと仕切られてるだけでした。
 なのにそいつ、座るなり私の体をさわりまくって、まさぐり倒してきたんです。

 ちょっ、ちょっと、まずは何か頼みましょうよ~、ってけっこうその時点で引いちゃってたんですが、メニュー取り上げて、これと、これと、って選んで。
 だけど、呼び鈴で店員さんを呼んでいるときも、店員さんが来るまでの間も、店員さんが来て注文取ってるときも、ずーっとぴったりくっついてオサワリ。それも服の上からじゃなく、もはや下着の中にまで。

 店員さんが立ち去った後、もはやその場で本番が始まりそうな勢いだったんで、さすがに苦笑いして彼を押しのけました。すごい拒絶じゃなく、やんわりと。
『あの~、先に乾杯して食べて、おしゃべりとかもしたいな』
 私、何も間違ったことや無礼な真似はしてないですよね? なのにそいつ、いきなりブチキレたんですよ~。メニューやレシートぶん投げて、
『なんだよお前は! お前が注文したんだからお前が払えよ!!』
 って、プンプン状態で出ていきました。なんなんですか、あれ。一時間も待てないなんて。一時間をご機嫌に過ごせば、私とホテルでヤレたのに。
 私、食い逃げする気なんか0でした。盛り上がればホテル、と思い描いてましたよっ」

 その場にいた私達は、なんで食事の1時間やそこらが待てないんだ~、と盛り上がったけれど。ゲイの文化人である千鳥先生が、異論を挟んだ。
「時間をかけすぎてもタイミングを逃す、ってこともあるわよ」

 以前、ベトナム珍道中編に登場した千鳥先生再び。彼はぱっと見は上品な紳士だが、その実体はバリバリのオネエだ。