オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第244回 未経験な世の中のあれこれのウラガワ(1)
◆もくじ◆
・未経験な世の中のあれこれのウラガワ(1)
・最近の志麻子さん
『凶鳴怪談』が竹書房から発売
『業苦 忌まわ昔(弐)』が角川ホラー文庫から6月に発売予定
「オメ★コボシ49」は延期になりました
TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
「岩井志麻子のおんな欲」連載中
カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中
・著者プロフィール
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すんなりいかないことがあっても、四月は始まりの季節。
未経験のことに飛び込むことも多いのでは。
岩井さんが「今もって経験していない」ことの一つがSNS。
ネット上、SNS上のトラブルの話は、自ら経験していなくても、知り合いなどから話を聞くことも。
テレビ制作会社に勤める女性は、家族ぐるみで付き合う友人が居る。
あるとき、ツイッターで絡んできた相手が、どうやらその付き合いのことを知っているようで……。
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2014年11月~18年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2019年1月「去年に縁があったあれこれのウラガワ」
2月「台湾で初めて会った人たちのウラガワ」
3月「胸に引っかかる人を思う春のウラガワ」
4月「こういう人いるよねという出会いのウラガワ」
5月「働くということについて考えたウラガワ」
6月「私なりのプロファイリングをしてみたウラガワ」
7月「芸事業界の人たちの願いごとのウラガワ」
8月「怖さひかえめな怖い話のウラガワ」
9月「まだ挽回できるかどうか気になるウラガワ」
10月「なぜか惹かれる未解決事件のウラガワ」
11月「今頃になってわかってきた出来事のウラガワ」
12月「とりあえず終えたかな、というウラガワ」
2020年1月「愛しい南国の怖い話のウラガワ」
2月「ひきつづき東南アジアの怖い話のウラガワ」
3月「どこか心残りの別れのウラガワ」
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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ/ソウルの新愛人のウラガワ/風俗嬢の順位競争のウラガワ/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ/「大人の夏休みの日記」なウラガワ/その道のプロな男たちのウラガワ
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もはや私どころか子どもも、新たな学校や会社に入ることはないようだけれど。やっぱり四月は始まりの季節と感じる。私も、今もって経験してないことはたくさんある。
月旅行だのオリンピック出場だの、とうてい無理なことじゃなく、その気になればできる、という分野で。今月はそんな、まだ経験してないあれこれがテーマだ。例によって全編に渡って個人を特定されないようすべて仮名にし、背景にも少々の脚色を加えてある。
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以前にもたびたび書いてきたが、私は今もって不特定多数の人に見られ交流できるSNSをやってない。親しい人達とのLINE、メールだけだ。
酔った勢いとか、ついカッとなってとかで、大きな失敗をやらかしそうな不安と予感がある。あと、やり始めたら寝食も仕事も忘れ、没頭してしまう恐れもある。
さて、テレビ制作会社に勤める四十路の冬子は、常に冷静で穏やかな女性だ。大手テレビ局勤務の夫がいて、子どもはいないが犬を可愛がっていて家庭も円満だった。
近所の公園や遊歩道で犬の散歩をさせているとき知り合い、親しくなった夫婦もいた。いつしか冬子の旦那さんも加わり、まさに家族ぐるみの付き合いになった。
その村山夫妻は冬子達より一回りほど年上だったが、旦那さんは出版社勤務。同じマスコミ業界なので、友人知人がつながったりもしていた。テレビ業界に憧れる可憐な女子大生のお嬢さんがいて、冬子夫婦は就職相談にも乗ってあげていた。
そんな冬子がなんとなくツイッターを始め、ほとんど私生活は出さず好きな映画やドラマ、本について語り、趣味を同じくする人達とゆるゆる交流していた。
一番好きな花の白百合をハンドルネームにし、アイコンも白百合の花にした。
もともと冬子は、そこまで強く社会的なこと、政治的なことに興味はなかったが、ある政治家の発言をめぐって思わぬ論争になってしまった。驚くほどリツイートや拡散があり、賛同、反論、単なるやじ馬、嫌がらせ、ちょっとした炎上案件と化した。
次第に収束していったものの、特にしつこいというより粘着質だったのが、アヤと名乗る女だった。もはや元の論争を離れ、いちいち揚げ足取りに来ていちゃもんをつけ、朝から晩まで絡んできた。そんなアヤと縁を切りたくて、