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第76回 そろそろ怖い目に遭う予感のウラガワ【1】
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第76回 そろそろ怖い目に遭う予感のウラガワ【1】

2015-08-05 21:15

    オンナのウラガワ ~名器大作戦~
    第76回 そろそろ怖い目に遭う予感のウラガワ【1】


    ◆もくじ◆

    そろそろ怖い目に遭う予感のウラガワ【1】

    ・最近の志麻子さん
     8/7(金)「怪談ウォッチ志麻さんのもんげー恐い怪談ナイト2015」開催
     8/16(日)ふかわりょうさん主催ライブイベントに出演
     8/23(日)『TV Bros.』関連イベント「フェスボルタ アジア」出演 
     カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
     MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

    ・著者プロフィール

    ===
    ホラー大賞でデビューした岩井さん。夏にはホラー関係の仕事がさらに増えるが、自分は心底怖い目には遭ったことがないという。
    しかし、そろそろ自分にも何か起こるかも、と思わされたエピソードは色々あって……。
    今月はそんな身近な(?)怖い話をお届け。

    雑誌の企画で読者の体験記を選考するため、あるホテルを訪れた岩井さん。
    ホテル一階の喫茶店で耳に入ってきた、隣の母娘の会話の内容が気になるもので……。


    バックナンバーはこちらから↓
    http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

    2014年11月「「そんなプロもありか」な人達のウラガワ
    12月「「殺人者」たちから聞いたウラガワ
    2015年1月「
    「大人の冬休みの日記」なウラガワ
    2月「「大人の冬休みの日記のつづき」なウラガワ
    3月「ベトナム愛人との旧正月のウラガワ
    4月「春の喜怒哀楽のウラガワ
    5月「韓国人夫の失踪届けを出したら……のウラガワ
    6月「ホラー作家まわりの怪異のウラガワ
    7月「異国の夏休みのウラガワ

    ※上記以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

    2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
    2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

    ====

     子どもの頃から怖いもの大好きだった私としては、ホラー関係の仕事は天職というのはおこがましいが、楽しんでお金もらっていいのかなぁと、妙な後ろめたさもある。
     仕事は苦しいもの、労働は大変なこと、そんな思い込みががあるからだろう。あと、私の場合はここまで罰当たりなあれこれをやって書いているのに、本人が心底から怖い目に遭ってない、というのもあるかもしれない。

     特に夏になるとホラー関係の仕事は増えるが、やっぱりどの仕事にもわくわくして浮き浮きして出かけてしまう。 

     そんな今月は、そろそろ怖い目に遭うかもな、という予感を得た話を書いてみたい。
     基本的にどれも実話なので、個人や関係者などを特定されないよう、すべて設定や背景を少しずつ変えてあるのをあらかじめお断りしておく。

                        ※

     その日、私は某ホテルにいた。ある月刊誌が募集した、読者の不思議体験記の選考を頼まれたのだ。そのホテルの会議室で、選考は行われることになっていた。

     ちょっと早く着いてしまったので、一階の喫茶店に入った。コーヒーを飲みながらもう一度、改めて五編ほどの手記を読み返してみようと思った。

     隣のテーブルには、二人の女性がいた。顔もよく似ているし、会話からも母と娘だとわかった。品のいい老婦人と向かい合うのは、やや太めの四十過ぎの娘だ。

    「でね、千円で髪を切ってくれるっていう理髪店から出てきたのが誰だと思う?」
     そこで老婦人はぐっと下あごを突き出し、上の歯より下の歯が前に来るような口元をして見せた。それを見て娘は眉をひそめ、×子?と女の名前を出した。

     母親は変な顔をしたまま大きくうなずき、話を続けた。実にうれしそうだった。うれしさが隠せないようだった。いや、もとより隠そうとはしていない。
    「そうよ!あの子よ。昔あんたをさんざんいじめた、あの子」
     そこで私は、原稿を読むふりだけしながら聞き耳を立てた。

     
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