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【ここで聞く話じゃないだろう!?】第2回 「へ? ち、地下アイドル!?」
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【ここで聞く話じゃないだろう!?】第2回 「へ? ち、地下アイドル!?」

2013-06-10 00:17
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    「死体の気持ちになった歌とかばっかり歌ってるんです」

    藤井 すいません! すいません! 大変、申し訳ありません! もう一人来る予定だったんですけども、ドタキャンしやがって!

    山口 ちょっとちょっと、いきなり土下座されても(笑)。まるでボクが「チェンジ!」ってごねてるみたいじゃない。

    柳沢 ぷぷぷ。

    山口 ボクは当初、地下アイドル3人との座談会というふうに聞いてたんですけど。

    藤井 すいません! 3人揃わずに、申し訳ありません! し、しかも……いま目の前にいる二人は地下アイドルではなくて……。

    山口 え? 地下アイドルでもない?

    柳沢 ぷぷぷ。

    藤井 地下アイドル系の人と、そうじゃない人と。

    山口 地下アイドルではないけど、地下アイドル系の人とそうじゃない人がいると?……ところで、藤井さんって……あなたはいったいどちら様?

    藤井 ぼ、僕は『ドルチカ』という地下アイドル系のフリーペーパーを作ってる者です。他にもいろいろイベントやったりとか……。

    山口 ふ〜ん。まぁいいや! じゃあ今日はお互い自己紹介から始めましょう。

    ボクは山口日昇といいます。むか〜しむかし、『紙のプロレス』という雑誌がありました。これはプロレスや格闘技を軸にして、世の中のあらゆる事象とアクセスしていくというスタンスと、「世の中とプロレスする雑誌」というキャッチフレーズで始めた雑誌だったんです。

    地下アイドルじゃないけど、地下でちょっとした人気もありました(笑)。藤井さんも読んでくれてたらしくて。

    藤井 もうね、もうね、うちに帰ったら本棚にズラ〜ッと並んでるから!

    山口 で、今度はプロレスや格闘技は軸にはしないんだけども、ここにいる太ったオジサンと借金をたーくさん抱えたオジサンが、いろんな問題や事象や人を立ち騒がせたり、掘り起こしたりしていく。そういう方向のWEBマガジンとしてやっていこうという。だいたいわかりました?

    結依 なんとなく。

    藤井 すごい、すごい人たちなんだから!

    山口 もういいから、そういうのは(笑)。じゃあ、順番に自己紹介を。

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    結依 振付師とかダンサーとか、あと自分も地下アイドルをちょっとやったりもしてます、榊音結依です!

    山口 振付師とかダンサー!?

    結依 はい! よろしくお願いします。イェーイ! 高まるーっ!

    山口 高まる? どういう意味?

    結依 部屋が。エヴァ最高!

    藤井 装飾にテンションが上がっているようです。

    柳沢 ぷぷぷ!

    山口 で、高まってるところ悪いけど、いくつ?

    結依 20歳!

    山口 20歳ね。

    結依 20歳にしときます。

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    山口 そちらは?

    リノ シンガー・ソングライターのリノです。

    山口 今度はシンガー・ソングライター? もうすでに頭が混乱してきた。ちなみにどんな歌を作ってるの?

    リノ あの……暗い歌を。

    柳沢 ぷぷぷ!

    リノ 暗めのちょっとロックな感じのを弾き語りで。ギター1本でやってます。

    山口 いくつ?

    リノ 21歳です。

    山口 暗い歌っていうと、俺らの世代だと山崎ハコとか中島みゆきとか、はたまた森田童子くらいしかパッと浮かんでこないけど、それともまた違う?

    リノ 中島みゆきさんぐらいかな。

    山口 ああ、「中島みゆきレベルでいっかな」みたいな。

    リノ いや、中島みゆきさん大好きですけど。あとCoccoとかそういう暗い人がすごい好きで。鬼塚ちひろとか。

    山口 あー、和田アキ子にすごいこと言ったとかいう人ね。

    リノ で、わたしすごい暗いんで、暗い曲ができたっていう。死体の歌とかばっかり歌ってるんです。

    山口 へ? し、死体?

    リノ 死体の気持ちになって書いた曲とか。

    山口 死体の気持ち……。

    柳沢 死体に気持ちがあるんだ(笑)。

    山口 その曲はホラー?

    リノ ホラーではないです。一応感動で終わるんです。

    柳沢 ぷぷぷぷ! もう太ったおじさんタップです!

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    山口 藤井さん、この二人は地下アイドルのカテゴリーには入りそうで入らないラインにいるっていうことなの?

    藤井 入りそうで入らないけど、そういうこともやってるっていう感じですね。こういう雑誌に載ったりとか、ライブ活動をやったりとか。

    だから結依さんは地下アイドル事情には詳しいですね。地下アイドルに振付をつけたりもしてるので。

    で、リノちゃんはふつうにアーティスト活動をやってるんですけど、アイドルさんが出るライブにも出たりしてるんです。

    普通のアーティストから見た地下アイドルってけっこうおかしかったりするんですよ。そういう視点から語ってもらおうかと。

    というわけで、今日はガチの地下アイドルがいないという……。

    山口 いや、ガチでもガチじゃなくてもいいんですけど、藤井さんの考える地下アイドルの定義ってなんですか?

    藤井 ライブ活動をやってるのはもちろんですけど、有名じゃダメですよね。メジャーでは地下アイドルとは呼べないと思うんで。

    AKBはもともと地下アイドルの走りでしたけど、あんなに有名になってしまったら地下アイドルではないですよね。気軽に話したりできないですからね。

    「会いに行けるアイドル」って言ってても、AKBさんはいまとなっては観るだけですからね。それぐらいになってしまったら地下アイドルとは呼べないので、会いに行けて、なおかつ話せて、有名じゃない人。

    山口 二人は地下アイドルというジャンルに対して憧れがあったの?

    結依 なんか、いつの間にかなってました、地下アイドルに。

    山口 いつの間にかなってるもんなんだ!

    結依 もともとダンサーで、でも歌も好きだったんですよ。どっか発表する場がほしいなと思ってて。

    アニメの『けいおん!』とかが流行ってた頃なんですよ。いわゆるダメ系っていわれるバンドがすごい流行ってた時期で。

    最初は私、バンドで出始めて、バンドメンバーがいろいろあってやめちゃって、一人で出られるところってどこだろうと思ったら、オケを流してやらないかって声を掛けてもらって、ライブに出たんですよ。

    それを続けてったら、いつの間にかアイドルっていう立ち位置にされてました。

    山口 …………はぁ。二人も有名になってしまったら地下アイドルではなくなるんですよね?

    藤井 なくなると思いますね。地下アイドルのファンの人がファンじゃなくなっちゃいますよね。いまのファンの人たちは離れちゃいますよね。

    山口 メジャーになったら昔からのファンは離れていく。どんなジャンルでも、よくある話だといえばよくある話だけど。

    藤井 握手とかできても、前みたいに話せないですもんね。いまはライブが終わったあと、ファンの方と女の子が長く話したりしてる光景を見るんですけど、有名になったらそれは無理ですもんね。ちょっと話すぐらいはできるかもしれないですけど。

    山口 「あれは俺たちの知ってるリノじゃない!」ってなるの?

    藤井 なると思います。「なんか違う」って。

    クリスマス、なんかプレゼントいろいろもらってたよね?

    リノ ああ、風船とか。プードルとか作ったのを、袋いっぱいに詰めてもらったり。

    藤井 みかんを大量にもらったりね。

    リノ そう、みかんを大量にいただきました(笑)。

    山口 ファンが風船のプードルを作ってくるの?

    リノ そうです。

    山口 ファンってさ、気持ち悪くない?

    リノ いやいやいやいや。

    結依 でも、行きすぎるとね。

    リノ ああ、行きすぎると……。

    山口 入り込んじゃってるファンとかいるんでしょ?

    リノ ああ……。

    結依 ポエマーとかもいますよ。

    山口 ポエマー?

    柳沢 ぷぷぷ!

    結依 ブログのコメントにポエムがくるんです。「結依さんは僕たちの歌姫だから」みたいなことをポエムにしてくれるんです。

    柳沢 ぷぷぷぷ! またまた太ったおじさんタップです!

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    山口 ……あのね、失礼な言い方になるかもしれないけど、ファンと触れ合えるとか長く話せるっていう部分だけ切り取れば、動く風俗、動くキャバクラだよね?

    藤井 まったくおっしゃる通りなんですよ。ファンの方は18歳ぐらいから40代、50代の男性が多いんですけど、いまキャバクラとか暇だって聞くじゃないですか。あんまりお客さんが入ってない。けっこうそういう人たちってアイドルのライブとか観に来てるんじゃないかなって思うんです。

    ライブハウスに観に来ればお酒も飲めるし、キャバ嬢と話すよりも長い時間女の子と話せるし、握手もできるんで触ったりもできるじゃないですか。

    キャバ嬢より触ったりできる可能性が高いと思うんですよ、場合によっては。そういう感覚でアイドルのライブを観に来てる男性は多いと思うんですよ。動く風俗ですよ、まさに。

    山口 移動遊園地ならぬ、移動キャバクラ?

    藤井 移動キャバクラみたいなもんです。

    山口 そういう見られ方に対してはどう思う? 「何言ってんのこのオッサン! 私たちはそんなつもりないわよ!」って思う? それとも、「まあ、そういうふうに思うなら思ってていいんじゃない?」って感じ?

    結依 そんなふうに考えたことがなかった。お客さんの目線が終了後にあるのかどうかってところだと思うんですよね。

    やってる本人は終了後に話すのも楽しいけど、メインはステージだと思ってるので。終わったあとにそうやって話すことが目的っていうふうに考えたことがなかった。

    普通にステージの感想とか言ってくれるし、「ここが前よりもよかったよ」とか言ってもらえると嬉しいし。だからそういうことでは風俗的なものとは考えたことがない。

    藤井 あと地下アイドルのライブっていうのは、終わったあとに交流時間、物販時間っていうのがありまして。

    そこで長い時間ファンの人と女の子が話したり、写真を一緒に撮ったり、グッズを売ったりして、それでお金にしてる女の子もいますんで。それが特徴なんですよ。

    山口 いまの女子プロレスなんかもそうみたいだもんね。

    藤井 スターダムさんとかもそうですよね。ああいう手法とまったく同じだと思います。似てるところはありますよね。

    柳沢 ちなみにファンは何人ぐらいいるものなの? だいたい来るお客さんは一緒?

    結依 そうでもないです。

    リノ うん、そうでもないかな。

    山口 でも当然、顔を覚えてるファンもいるわけでしょ? コアなファンというか。

    リノ 広島から来てくれるファンがいます。5分のステージなのに広島から電車で来てくれて。

    山口 広島から! ちなみにそれはいくつぐらいの人?

    リノ 38歳とかそれぐらいかな。でも奥さんも子供もいる人です。

    結依 こないだ愛媛から来た人もいた。

    山口 愛媛からも! その人はいくつぐらい?

    リノ 独身の方で若かったんですけど。ニコ動で動画を観て、ライブが観たいと思ったから来たって言ってました。いわゆる遠征というヤツですね。

     
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