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第26回 熱心な野球少年だったミッキーの、熱心な「ヤジ」考察(なぜだ!)

オレは熱心な「野球少年」だった。

昭和26年(1951年)8月生まれなので、プロ野球全盛時代。
長嶋・王・稲尾・野村・尾崎・江夏など「天才個性派選手」がワンサカといて、いまの若手有名選手(マエケン・菅野・大谷など)にはないオーラというか、怪獣ゴジラのウンコとクレオパトラの下痢便を足して、武井咲ちゃんの鼻糞を掛けるぐらいのムンムン・ムレムレの豪傑・ドアホなオーラで、球場を沸かしていた。

そんな選手に負けぬとばかり、プロ野球ファンも松岡修造の5倍も熱かった。
《※編集部注:「負けぬとばかり」というのは、ちょっとおかしい気もするが、暑いので原文ママ。》

だから、当然のごとく、球場も沸騰!
黒柳徹子のうるささが夜逃げするほどワンワン・ギャーギャー!

そんな「球場の華(はな)」が、ファンの強烈な「ヤジ」であった!

●「モナ岡〜!」「五反田〜! 9800円!」
山本モナとの不倫騒動に、巨人・二岡に対してのヤジ。この9800円は、宿泊したラブホテルが「一泊9800円」だったから。
●「お前んとこで買うた蛍光灯(または電球)が点かへんぞ〜」
大阪出身で実家が電気店だった清原に。
●「先天性ネコロビ・サイズ」「お前、南海なんかにおらんと、日ハム行け〜、選手やなくて、商品としてや〜」
日本ハムファンが腹ボテのドカベンこと、香川に。今なら「このイベリコ豚が!」「ホルモン焼きにしたるぞ!」なんてね。
●「歩く姿は、ボケの花、アホ、アホ、アホの加藤!
」 加藤英司(かとうひでじ、1969〜87。阪急→広島→近鉄→巨人→最後は、南海で2000本安打)選手の阪急時代に南海応援団が“アホの坂田”バージョンで。みんなで合唱する。
●「お前らの勝率、イチローの打率より低いぞ!」
西宮球場で、ダイエーホークスに対し、オリックスファンが叫ぶ! 今年は調子がいいが、ちょっと前のホークスとオリックスは、ホント、勝てないボロクソの球団だった。

オレも大阪球場には5〜6回行き、ナマでヤジを聞いている。 閑古鳥の鳴くスタンドでよく通る濁声のヤジ。

ええなあ! おもろかったなあ!

「オマエとこの肉、腐っとるぞ〜!」とヤジられたのは金村義明。
実家が焼き肉屋だったから。
昭和後期、長く近鉄でプレーした金村が“球場のヤジ”の思い出を語っている。

[まず関西の球場で挙げられるのはヤジですね。総じてヤジがすごかったのですが、満員の甲子園と違って、お客さんの少なかったパの3球場ではよくヤジが通っていました。特徴で分けるならば、笑いを誘うのは大阪球場、言葉が汚い「河内弁」の藤井寺球場、一番上品なのが西宮球場でした]
[大阪球場のヤジは、プレーしていてもつい笑ってしまいましたね。打席に立つ選手に「プロ野球選手がクーラーをローンで買うな」とか、「谷六(谷町六丁目)のホテル街をウロウロしとったらアカンぞ」とか。ホンマに「どこで見てんの?」というほどの、個人情報の暴露大会でした(笑い)]
[あとはヤジが合唱になる。「立てばシャクヤク、座れば牡丹、歩く姿はボケの花。アホ、アホ、アホの加藤〜」とか、皆がやりだすんで参りました(笑い)。南海ファンは、選手を尾行してヤジのネタにしてやろうという人ばかりなので、大阪球場で試合が終わると、隠れながら晩飯を食いに行ったものです。]
(『週刊ポスト』2012年9月14日号)

ヤジが多い選手は、人気選手が多い。
それも、“悪役”イメージの選手、江川はよくヤジられたものだ。

「栃木のペコちゃん!」
「不二家のブタマンッ!」
「よけるな江川! 顔面ライナーは耳で捕れ!」
「何度言ってもわからん奴やなあ。ブタの耳に念仏だ!」
「ペコちゃん、ポコちゃん、スグルちゃん、3人そろってオデブちゃん。不二家の甘ちゃんトリオやで!」
(参考文献『週刊プレイボーイ』1984.6.19 『週刊ポスト』1982.11.15)

この辺で、オレなりの「ヤジの考察」と、いきマンデラ大統領。
《※編集部注:「いきマンデラ大統領」は、こちらが思ってるより、本人は渾身のギャグと思っているフシがあるので、みんなで拍手!》

まず、「ヤジ」は「恋愛」とよく似ているという事実だ。