小渕:中山10Rで人気馬2頭が競走除外となり、1億7384万円ほどの返還が発生したわりには、案外、払戻金が高かったですね。少波乱となったのは中山11Rのアルティマブラッドくらいで、そのレース自体、混戦なのはわかっていましたから、わりと美味しい配当だったのではないでしょうか。
秘書(や):大阪杯はキタサンブラックが着差以上に完勝だったように思いますが、小渕さんはどう見ましたか?
小渕:GⅡ時代は今季初戦の実績馬がよく崩れたレースだったため、今年からGⅠに昇格したとはいえ、休み明けの馬は過信禁物とみていたのですが、キタサンブラックは別格でしたね。終始後続の力量馬との間合いを計り、自信を持って早めに動いていった鞍上の巧みな駆け引きも見事でしたし、強い馬に成す術のないレースをされた印象です。自在に動ける器用さに長けたところがキタサンブラックの最たる長所で、駆け引き上手な鞍上とのコンビが最適でしょうし、他馬のマークを受ける立場の馬にとって一番重要な能力を持っている馬という印象を受けました。
秘書(や):今週は引き続き中山と阪神の開催で、ローカル開催は福島が開幕します。どんなところに注意が必要でしょうか?オススメの1頭なども挙げて頂けると嬉しいのですが……。
小渕:中山も阪神も先週からBコースに替わっていて、中山は完全に外差し馬場、阪神はどちらかと言えば内目が有利な傾向でしたが、雨の影響が大きいであろう今週はトラックバイアスを読み切るのは難解です。ダートはとにかく時計が速く、キックバックを受けない前の馬が止まらない馬場と言えるでしょう。福島は中間エアレーション作業をしていないとのことなので、開幕週らしいイン有利の馬場でしょうが、土曜はペースが速くて差し馬も活躍していたので注意してください。今週のメイン桜花賞はソウルスターリング1強の雰囲気ですが、他も強い馬がいるので1点勝負は危険かと。逆転の一番手はやはりアドマイヤミヤビでしょうね。
秘書(や):おっとそこまで。今週のWIN5も小渕さんの意見を参考にしたいところですね。週末のWIN5予想は『競馬道OnLine 小渕高慶の「本日の3番勝負+WIN5』で!
小渕高慶(おぶち たかよし)プロフィール
業界を牽引する専門紙・競馬ブック紙上にて年間回収率1位の座にも輝いた経験もある元トラックマン。現在もトレセンに身を置き調教師や騎手、馬主などと深い交流を持つレーシングアドバイザーとして活動。
一方でトラックバイアスや関係者の事情を考慮した独自の予想を展開する現役の予想家でもある。あわや3週連続WIN5的中(14R連続的中まで)や3連単100万オーバーなどの派手な当たりは机上の予想ではなかなか辿り着けない芸当。能力分析と現場の事情が融合した他では聞けない深みのある予想は必見である。