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第32回ウッチープラネット   全日本選抜競輪の平原康多を見て
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第32回ウッチープラネット   全日本選抜競輪の平原康多を見て

2017-04-06 12:18

    今年最初のGI全日本選抜競輪が終わりました。

     

    あの決勝を見て皆さんはどう感じられましたか。

     
    私的にはすごくいいレースだったと思いました。優勝した平原の走りっぷりは過去の集大成とも言ってよいレース運びでした。
     
    もっとも本人にとってはただの通過点だと思います。私自身もそう感じます。
     
    しかし、現時点では間違いなく平原の最高のレースでした。
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     ここ2年ぐらいは怪我や、同地区の若手との連携で平原らしさが見られないレースもありました。
     
    現在の競輪界に自ら切り開ける選手は少なくなってきています。その流れで決勝戦にビックネームを乗せたいばかりに自力選手の番手回りの組立が増えました。しかし平原の競走スタイルから考えると返って足かせになっていた様に感じます。
     
    平原には技術があるがゆえ、出来ればラインで決めたい考えもあるでしょう。その事もあり平原が目標にした若手選手も番手捲りのみでのレースをする事が多くありません。番組が流れで番手捲りを主体に組んでいる事があります。その事は平原の考えと少し一致していないので、走りにくいレースも多くあったと思います。
     
    しかし全日本選抜では初日こそ
    吉澤の番手から深谷の捲りに合わせて出て行きましたが、深谷の勢いで仕方ないでしょう。むしろ遅めに仕掛けたにも関わらず良く合わせたと思います。そしてそれ以降のレースは展開に応じ仕掛けていました。攻め幅は自ら築き上げてきたものです。
     調子の悪い時もいつも通りレースを組み立ててきました。それが平原の武器になっています。準決勝は関東地区の若手先行選手も数名いましたが、連日の動きで平原に目標を付けませんでした。それが逆に平原の良さを引き出したと思います。中団位置が取れる感じではなく、それどころか外にも浮きそうな気配でしたが、早めに仕掛け、地元武田に交わされはしましたが流石の平原でした。


     この準決勝で一つ疑問に思った事があります。


     それはゴール前の平原の横の動き。武田に当たりに行っていました。展開や手応えから3着までになる事は分かっていたはず。しかし武田に当たりに行っています。苦しくてよれたようには見受けられませんでした。
     通常準決勝は3着まで入る組立をまず考えます。勿論、全く考えてない選手もいます。そこまでの余裕のない選手もいます。
     その中で自身を強く見せたり、決勝につながる見え方にしたいと平原は考えていたはずです。連日の動きに加え、準決勝は武田に交わされても、完全に平原がシリーズを支配した走りとなっていました。


     その中で上記の動きをどう読むかでありました。


     平原は通常のインタビューでは本音を語りません。それどころか煙に巻く感じです。あの動きをどう捉えるか。それが決勝のカギになると感じました。
     まず、当たりに行くと言う事は1着が欲しい証拠でもあります。そこからの考えたとして、最初は普段のレースでは平原に逆らう者はほぼいないので、自分の仕掛けたい理想の所から仕掛けられる様にレースを組み立ています。
     その事から、準決勝は久々に早めの仕掛けで力的な事ではなくペース的な事で苦しくて武田に当たりに行ったのかと思いました。武田に押して貰う事を考えたのかとも思いました。これは押して貰う意味ではなく、前に位置する選手は当たりに行けば後ろの選手のスピードを結果的に貰う事があると言う意味です。
     しかし武田の地元戦。準決勝。
     それらを考えると純粋に1着を取りに行っていると思いました。
     考えがレベルの低い選手によくありますが、平原クラスになるとそれが逆に恐怖に感じます。結論として、平原の頭には地元地区でのGI優勝が一番の目的と感じました。確かに武田の現状を冷静に判断すると、平原によりかかる部分は大きいです。その事もありその様に徐々に変わってきたと感じます。

     そして決勝戦。
     平原はイン粘りから新田の捲りに切り替え差し切っての優勝。
     ポイントは二つ。
     イン粘りは稲垣相手に負ける事は考えにくいので、いかに競り合いながらもスペースを作っておけるかです。
     勿論競りの時間を短くするのが一番いいですが、先行選手のペースにもよる事と、稲垣は縦脚だけはあるので、長引く事も考慮して。そしてイン粘りからの組立になるので、新田や浅井の仕掛けをのがさない事になります。このどちらも上手くいけば新田と浅井の脚質を考えると必ず交わせます。そして見事に優勝しました。
     グレード戦で久々に自ら切り開いての優勝者でありました。直前の競輪祭でもそうでしたが、失敗しつつも流れに乗れた部分がありましたが、今回は他の選手にレースをさせませんでした。王者、平原。それはこれからも続くでしょう。


     競り負けた稲垣は仕方ないと言えば仕方ないでしょう。ただ番手捲りでタイトルを獲った事を考えると、あそこは9着覚悟で競らないといけません。
     何も残らないと考える人もいますが、ここまで近畿の層を活かしてきています。これからもそれは続くでしょう。
     あれだけ簡単に競り負ければ、ある意味稲垣は保険でしかありません。叩かれて引けなければ稲垣の所で粘ればすぐに番手が手に入ると考えてきます。
     稲垣は勝負師ではないので仕方ないですが、その意味で平原と共倒れをしないといけないレースでした。その展開なら新田か浅井が優勝しているだろうけど、それはそれ。
     それが出来なければいつまでもか細いイメージの稲垣になってしまいます。選手のタイプは色々ですが、やはり競輪には勝負師のイメージがあります。その様な選手が勝つとファンに皆さんも納得出来るはず。


    その意味も加え、平原の優勝は素晴らしい勝ち方でした。


     

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