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東映特撮 YouTube Officialでは、週替わりで『仮面ライダー』や『スーパー戦隊』などの特撮作品を無料配信しているよ! ということを先日の記事でお伝えしましたが、今週からついに『仮面ライダー龍騎』の配信が開始されました! これを見逃す手はない!

『仮面ライダー龍騎』は2002年に放映が開始された作品です。もう10年前なんですね...。さすがに10年前の作品だと、Kotaku Japan読者の皆さんの中にも「子供の頃に見たけどけっこう忘れちゃってるなー」という方や、あるいは「その頃はもう仮面ライダー見てなかったなあ」という方がいるかと思います。そんな方々のために、続きで本作の魅力をご紹介しましょう。
 

 
『龍騎』は、『仮面ライダークウガ』、『仮面ライダーアギト』に続く「平成仮面ライダー」の第3作目です。前作までは「伝統ある仮面ライダーを、最新の技術と現代的な語り口でシリアスに描く」という、いわば「平成ガメラ3部作」と同系統のアプローチの作品でした。さまざまな謎やドラマティックな展開がありつつも、ヒーローとしての仮面ライダーが怪人を倒すという基本路線は守られていたと言えます。

しかし『龍騎』では「VS 怪人」要素は控えめ。物語のメインとなるのは「仮面ライダー VS 仮面ライダー」なのです! 過去作でも複数の仮面ライダーが登場する作品はありましたが、本作では(劇場版、TV特番も含め)13人もの仮面ライダーが登場。しかも、ライダーたちは過去作のように共闘して悪に立ち向かうのではなく、それぞれの目的のためガチで殺し合いをするのです! まさに仮面ライダー版『バトル・ロワイヤル』という趣向ですね。

現在の平成仮面ライダーでは、複数のライダーが劇中で戦うという設定はそれほど珍しくはありませんが、それも『龍騎』があったからこそ。そして『龍騎』でのライダー同士の「殺し合い」は、近年のシリーズと比べてもかなりハードに描かれています。

『龍騎』では、仮面ライダーのデザインもそれまでのイメージを一新するものになりました。過去作のような虫系統のモチーフに縛られることなく、騎士の甲冑・鉄兜・鉄仮面をベースにバラエティ豊かな造形となっています。そしてライダーに変身するキャラクターたちもまた、みんな個性的。ライダー同士の戦いをやめさせようと奔走する主人公をはじめ、クールな王子様系イケメン美形の悪徳弁護士占い師社長(TV特番に登場。演じるのは黒田アーサーさん)、シリーズ初の女性ライダーにして結婚詐欺師(映画版に登場、加藤夏希さん)などなど。

特に「あァ...イライラするぜ...」という理由だけで次々と殺人を重ねてきた凶悪犯・浅倉のキャラクターは強烈! 「仮面ライダー王蛇」に変身する力を得ても正義に目覚めることなどなく、「殺すために殺す」理由なき暴力をふるい、卑劣な手口でライダーバトルをかき乱す様は今見ても鮮烈です。

浅倉をワイルドなセクシーさで演じきった萩野崇さん、そして変身後のスーツアクターがアクションの合間に萩野さんの立ち姿や細かな仕草などの演技を取り入れたことで、浅倉=仮面ライダー王蛇という前代未聞の「悪の魅力」に溢れた仮面ライダーが誕生しました。『龍騎』を見た後には、きっと誰しも「あァ...」と首を捻って骨を鳴らす王蛇の真似をしたくなること請け合いです。

その他にも、『クウガ』、『アギト』以上にイケメン男優が大量に投入されたことから、お子さんのみならずお母さんというかお姉様方の人気が白熱したことも印象深い作品です。

個人的な話になりますが、当時付き合っていた彼女が筆者以上にこの作品にハマり、映画版の初日舞台挨拶に強制連行されたことがありました。お子さん連れのお父さんお母さんばかりだろうと思ったら、劇場のほとんどを占めていたのは綺麗に着飾った女性でした(大げさではなく女優ばりのセクシードレスを着ていた方もちらほら)。むせ返るような香水の匂いに包まれた映画館というのは初めての経験だったので、よく覚えています。その熱気にひるみ抜け出した喫煙スペースで、たぶん筆者と同じように彼女のお伴をさせられて来たのであろう若者と(あなたもですか...)(お互い、大変ですな...)と目線で会話したのが忘れられません。

まあそれはともかく、以上のようにさまざまな意味で平成仮面ライダーシリーズの転機となったのが、この『仮面ライダー龍騎』という作品なのです。特にその物語は、後に続くライダーシリーズのみならず00年代のアニメ・ライトノベル・ゲームにも数々の影響を与えました

もちろん、そういういった事情を抜きにしてもたいへん面白く見ることができる作品であることは確かです。毎週日曜日に2話ずつ配信現在第1話・2話を配信中ですので、このチャンスをお見逃しなく!


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(マコ小林)

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