目標金額はすでにクリア。残り2ヶ月で、あとどれくらいのタニマチを得られるかが見どころです。
クラウドファンディング「CAMPFIRE」に、『バトルタンクガールズ』という戦車を擬人化したソーシャルカードゲームプロジェクトの情報が掲載されています。
『ストライクウィッチーズ』にしろ『うぽって』にしろしろ、戦闘兵器の擬人化は日本のお家芸といえますが(歴史的には80年代のMS少女が初出でしょうか?)、戦車擬人化なら島田フミカネさんの『メカ娘』だろうとかいう個人的見解はさておき、このプロジェクトから感じるゲーム開発現場事情を考察してみました。
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■開発スタッフは3人だけ。制作費は手弁当
プロジェクトページには下記のように記されています。
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題材は何でもいいから、驚くほどの少人数で一本作り上げることです。
現在、「バトルタンクガール」の制作に関わっている人数は、たったの3人です。
後にも先にも、本当にこれだけです。
大量のグラフィックも含めて、たったこれだけです。
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開発会社である株式会社ポルカドットは、若いエンジニアに実験作品を作る場を提供すべく生まれたスタジオだそうです。制作をポストプロダクションにアウトソーシングするのではなく、少人数体制の内製。できることはとことん突き詰める反面、手に負えないことには極力着手しないという意思が見えます。
「このゲームと同じもの作ってよ」という請負ではないからこそ、手の届く範囲で納得がいくゲーム開発を実践しているものと思われます。このあたり『大東京トイボックス』が触れていたテーマに近いですね。
■10万円という低い目標金額の目的
こつこつと作っているというのに、なぜ出資を募っているのか。その問いにはこう答えています。
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ゲーム本編は最小限のコストで製作します。
でもどうしてもお金かかる部分があります。
それは宣伝広報費です。
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数多のコンテンツが飛び交う現在において、創作物を広く知らしめるには宣伝活動が欠かせません。ゲーム・映画などは総制作費の半分以上が広報・宣伝活動に使われるという実態もあります。ここに数千、数億ものお金を投資することもザラです。
解説には「その掲載費の一部を、みなさんにご助力して頂きたく思います。」とありますが、数万単位の人に知ってもらうためには、当プロジェクトがゴールラインとしている10万円では遙かに足りません。たとえ一部であったとしても。
500円から出資できることも加味するに、当プロジェクトは実際の出稿費用を集めることだけではなく、以下のような口コミによる拡散も狙ったものではないでしょうか。
・クラウドファンディングで資金を調達しているという話題性
・開発費集めではない(目標達成せずとも開発は行う)という期待性
・気軽に出資できるメニューを用意している敷居の低さ
・目標金額を達成したという後追いの話題性
そもそも「○○に似ている」というポイントも良かれ悪しかれ発言しやすいものですしね。
■広報活動の一環としてのクラウドファンディング
「結果がどうであれ開発はする」というプロジェクトにおいて、不特定多数の人が目にするクラウドファンディング上に解説ページを用意できるメリットは大きそう。開発者はただ魅力あるコンテンツ制作に専念しつつ、能動的な広報活動というPRマネージメントに多くのコストを割かなくてもよくなりますし。
インディーズゲーム×クラウドファンディングだからこそ、「私が考えた遊戯を、皆に楽しんでもらいたい」が実践できるのかも。『バトルタンクガールズ』の動向には今後も目を離せません。
戦車が女の子になったソーシャルカードゲーム「バトルタンクガールズ」[CAMPFIRE]
(パパン武者)
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