東ヨーロッパの社会主義時代に描かれたSF映画!
最近ではタイトルの言語部分だけがローカライズされる傾向が強いかと思いますが、昔むかしはポスターそのものが現地のアーティストやデザイナーによって、全面的に描き変えられてしまうということが、ごく当たり前に起こっていました。
今回は、日本人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、ドナウ川とクラシック音楽と、首都ブダペストとルービックキューブで有名なハンガリーで全く別物に描かれてしまった、名作SF映画のポスターをご紹介したいと思います。
ギャラリーは一番下にご用意していますので、アレコレ感心してみたり、ツッコんだりしてお楽しみください。
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これらのポスターは「io9」で特集されていたもので、主に60年代後半から、80年代後半あたりまでの約20年に渡るハンガリアン・SFアートがご覧いただけるようになっています。
中には『オーメン』や『ジョーズ』、『E.T.』に『ザ・フライ』のように、映画に忠実で「あーナルホドね」ってアートワークもあるのですが...あたかもデロリアンがドクのラジコン飛行機のように飛ぶ、イマイチ迫力に欠けた『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や、オートナインではなくリボルバーを構えた『ロボコップ』、そしてどのアートもダース・ヴェイダー卿がうろ覚えで描かれたかのような『スター・ウォーズ』なーんていう、惜しすぎてザンネンなポスターも並んでいたりします。
ですが、東欧の社会主義の空気が漂う、前衛的なポスターは今でもカッコ良く斬新なデザインがいくつも在りますね!
おそらく昔は、製版技術や使えるインクの色数、そして印刷代などの制約も多くあり、その中でアーティストが工夫して作ったようなものが一際イカしているような印象を受けます。
たとえばロシアで1962年に作られた、海底が舞台の『アンフィニアン・マン』、そして赤・橙・黄緑の差し色とコマ割りが超絶にカッコ良い『2001年宇宙の旅』、サイケデリックなテイストで描かれた『華氏451度』などなど、ずっと観ていても飽きさせません。
実はこれらの中には、今ではプレミアが付いて1枚2000ドルで販売されているような(『2001年宇宙の旅』)ポスターも存在するんです。いやぁ、東欧ポスター・アートの世界は奥深いですね。
[via Filmposter via io9]
(岡本玄介)
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