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しかし、作品の中には、演じる者が観客の視線に気付いたり、語りかけたりして、その第四の壁を破ることがあります。そんな珍妙な「第四の壁を破る」シーンをio9がまとめたので、皆さんにも紹介したいと思います。
■『勇者ストーカーの冒険』
『勇者ストーカー』の続編である『勇者ストーカーの冒険(原題:Deathstalker 2)』は、イントロ部分で、剣士ストーカーに宝石を盗まれたサルタナがストーカーへの復讐を部下に命じた後、カメラが観客の方に切り替わり「ストーカーも捕まえて(Deathstalker too)」と言います。
その台詞は原題の『Deathstalker 2』と発音が同じなので、直後にタイトルが出現する効果もあって、サルタナが観客に向かって映画の始まりを告げているような形になっています。
■『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』
ズート/ディンゴの2役を演じるキャロル・クリーヴランドが、観客に向かって「このシーンはカットされるべきか」と問うシーン。実際に、初めてリリースされたビデオからは24秒間に渡ってカットされました。
■『ヨーロッパ』
ラース・フォン・トリアー監督のシュールでカフカ的な『ヨーロッパ』のオープニングは、ナレーターのマックス・フォン・シドーンのカウントダウンで始まります。その声は、まるで、観客を催眠状態にして映画の世界に誘うかのようです。
■『オルランド』
ヴァージニア・ウルフの小説『オーランドー』をサリー・ポッター監督が簡略化しつつ独自の解釈も込めて美しく映像化した本作。ティルダ・スウィントンが男性、女性両方のオルランド役を完璧に演じた事で話題になりました。
ストーリーは、オルランドのナレーションと共に進みますが、それに合わせてティルダ・スウィントンが観客に向かって視線を送ります。特に、ラストの強く語りかけるような表情と視線は、見る者に強い印象を与えます。
■『デューン/砂の惑星』
人気小説をデビッド・リンチ監督が映画化した『デューン/砂の惑星』。原作の内容を出来るだけ詰め込みたかったからか、オープニングではイルーラン姫が観客に向かって押さえておいて欲しい情報を伝えます。また、1度フェードアウトしても「良い忘れた事があった」と戻って来る小技まで披露しています。
■ 『グレムリン2』
『グレムリン2』は、チャック・ジョーンズのバックス・バニーとダフィー・ダックがカメオ出演しているだけでなく、ワーナー・ブラザーズの『ルーニー・トゥーンズ』のイントロも使用されています(厳密には『ルーニー・トゥーンズ』のイントロをダッフィー・ダックが乗っ取るというコメディですが)。
またダッフィーは、エンドロールにも登場し、クレジットを見ている観客に、早く帰るように促します。
■『ファニーゲーム』
後味の悪い映画として名高い『ファニーゲーム』ですが、本作には、リモコンのボタンを押してストーリー自体を「巻き戻し」するシーンが登場します。
■『カイロの紫のバラ』
ウッディ・アレン監督の最も有名な「第四の壁を破る」映画と言えば、『アニー・ホール』です。しかし、面白くてかわいげがあるのは、映画のキャラクターが画面を飛び出したまま、(それを実際に演じた俳優が命じても)頑に元の世界に戻るのを拒否する『カイロの紫のバラ』でしょう。
■『ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲』
ジェイとサイレント・ボブの生活を元にして描かれたコミック『ブラントマン&クロニック』が映画化することを知ったボンクラコンビ。
そこで、『ブラントマン&クロニック』を描いた(1997年公開のケヴィン・スミス監督映画『チェイシング・エイミー』でベン・アフレックが演じた主人公の)漫画家ホールデン・マクニールを訪れ、ロイヤリティを得ようとします。しかし、マクニールは既に権利を売ってしまっていた上に、「ミラマックスが映画化するなら、ベン・アフレックとマット・デイモンを起用するんじゃないか」と話します。
■『スペースボール』
パイソンズやデヴィッド・リンチ同様、メル・ブルックスも第四の壁を気にしないタイプの監督です。
中でも、1974年に公開した『ブレージングサドル』は時間の壁をぶち壊す大作として有名。しかし、『スペースボール』はストーリーの中に発売前の『スペースボール』のVHSが登場し、それを再生するという高度な展開を見せてくれました。
The 10 Weirdest Movie Moments That Broke The Fourth Wall[via io9]
(中川真知子)
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