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マーク・アーウィン氏(撮影監督):
このシーンの再現は決して簡単ではありませんでした。内側から爆発させるような仕掛けを作ったとしても、爆発の瞬間に火花が出るのは避けられません。それが、たったの2、3フレームの出来事だとしても、そのような絵は見せたく無かったのです。
ゲイリー・ゼラー氏(特殊効果スーパーバイザー):
元々、あれは高度な技術のアイテムではありません。アプローチとしては、空気の作用で爆発させる方法を取ろうと考えました。しかし、風船が弾けるようで到底満足のいくものではありませんでした。
スティーヴン・デュプイス氏(特殊メイクアップ):
まず、石膏の頭部を爆発させてみましたが、当然のこと、それは石膏模型が破裂しているようにしか見えませんでした。全然ダメでしたね。
次に蝋で作った頭部を試してみました。そっちは柔軟性がありましたし、血や肉が飛び散るゴアではあったものの、やはり蝋人形が破裂しているようにしか見えませんでした。
クリス・ウェイラス氏(特殊メイクアップ):
そこで内側に石膏のようなものでサポートを施し、その周りをゼラチンの層で固めたダミーの頭部を作ったのです。内部は、ゴアを表現する為の様々なものが詰められました。ラテックスだとか蝋だとか、宙を舞う描写を再現するための細々としたものです。
スティーヴン・デュプイス氏(特殊メイクアップ):
頭部には、バーガーの残りなんかも詰めました。そしてシロップの血糊やゼラチンの破片なんかを入れ、最後に蝋で封をしたのです。
クリス・ウェイラス氏(特殊メイクアップ):
テーブルに置かれていた二本の腕の金の指輪は、直前になって蝋とタバコの内側の紙なんかを使って慌てて作ったものです。
元々、爆発シーンはセットで撮影する予定でしたが、飛び散った残骸等のことを考えて、後日、別の倉庫に背景を配置して行われる事になりました。その撮影の時には、既に私はプロダクションから離れていましたがね。
マーク・アーウィン氏(撮影監督):
撮影場所は、モントリオールにあるコンコルディア大学の講義室からほぼ屋外の凍えるように寒い倉庫に移動になりました。ダミーを撮影するためにカメラを4台設置し、私たちはトラックに乗り込み全ての窓を閉めました。
スティーヴン・デュプイス氏(特殊メイクアップ):
ゲリー(・ゼラー氏)が大きなショットガンを持って来て、ダミーの後頭部めがけて発射するように設置し、ぶっ放したんですよ。結果は映画の通り。大変満足いく物ができましたね。
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バーガーの残りを詰めてみたり、ショットガンで撃ってみたり...、本当に楽しそうですよね。きっとノリノリで撮影していたのだろうと、当時の様子を想像したら、なんだか笑顔になりました。
(中川真知子)
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