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2014年3月23日、自宅にて遺体で発見された「GWAR」のヴォーカル、オーデラス・ウランガス。
死因はヘロインのオーバードーズだったのですが、まだ享年50歳とあって、まだまだ本人も活動したかったでしょうし、ファンも彼のパフォーマンスを楽しみにしていたに違いありません。
ウランガスの中の人はデイヴ・ブロッキーさんという方なのですが、彼はゴム製のエイリアン衣装を脱いだ素顔でも、度々メディアに登場しており、本名のデイヴとしても名が通っていました。
色物バンドに見られがちな「GWAR」ですが、デイヴさんはとてもリーダーシップに優れ、情にも厚く友人やファンを大事にする人柄だったとあって、彼の葬儀にはたくさんに関係者やファンが集まりました。
そしてその式は、ヴァイキング形式(食べ放題ではなく海賊の方)で執り行われたのです。
一応これはちゃんとした葬式なのですが、ヴァージニア州リッチモンドのハダッズ・レイクで開催された「GWAR B-Q」という音楽フェスで行われたイベント内でのセレモニーでした。
亡くなったのが3月なのに、8月に葬式? と不思議に思われるかと思いますが...燃やされたのは当のご本人ではなく、オーデラス・ウランガスのコスチュームだったんですって。
そして過去4年連続で開催されてきた「GWAR」のイベントなので、5回目にメモリアル・セレモニーもやろうかとなったのでしょうね。
ちなみに生身の肉体は、家族と知人・友人たちのみでエイプリルフールに執り行ったとのこと。なので実質これがデイヴ・ブロッキーさんとウランガス合わせて2回の葬式となったのです。
葬式の冒頭では、メタル・バンド「ラム・オブ・ゴッド」のヴォーカルであるランディー・ブライズさんが、若い時からデイヴさんとどう付き合ってきたか、そして無名のバンドだった時代にツアーに連れて行ってくれて、ロック・バンドをどう運営していくのかを1から10まで教えてくれた大恩人だった想い出話を語ってくれました。
次に、オーデラス・ウランガスが主人公の空想上の友達という設定で出演されていた、コメディー・ドラマ『Holliston』の制作者アダム・グリーンさんが登壇。
デイヴさんがどれほど賢くて、常人ではあのゴム製のエイリアンが一体何を考えているのか理解の範疇を超えているという話や、さらに普段の生活に必要ないロシアの歴史を知っている話だとか、あのコスチュームがどれだけ臭くて腐ったチ○コみたいな悪臭を放つのかという話。
そして亡くなる前、留守番電話にメッセージを残してくれたのにその時返せなかったので、代わりに今想いを伝えたり...といろいろな話をしてくれました。
「GWAR」の広報を担当されているジョン・フリーマンさんも、デイヴさんが家に遊びに来た時のエピソードなどを紹介し、編集されてしまったけど「日本へのグワァーの襲来は原爆以来のものだった」などと過激な宣伝文句を考えたりしたのだそうです。
そして最後に、「GWAR」のベーシストでビーフ・ケーキとして知られるマイク・ビショップさんが、今回はヴァイキング形式の葬式で行うことを説明し、炎は同じく元メンバーのダニエル・スタンプさんが燃えるトーチを運びます。後ろを付いてくるバグパイプからは、ドヴォルザーク作曲の交響曲第9番第2楽章『遠き山に日は落ちて』が聴こえます。
時を同じくして、火の着いた矢がヴァイキング・ボートに放たれます。その様子がこちら。現地のイベントに参加していたファンによる、Instagramの投稿写真も合わせてどうぞ。
才能豊かで亡くすには非常に惜しい方が亡くなってしまいました。デイヴ・ブロッキーさん、そしてオーデラス・ウランガスのご冥福をお祈りします。
(岡本玄介)
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