ロボット工学では、ギクシャクした動きではなく自然な動きが可能です。
テキサス州北部のダラスにあるテキサス大学では、二足歩行型ロボットを歩かせる技術を利用して、健康な人たちが歩けるのと同じ動きをする義肢を作る研究がされてきました。
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このロボット脚を装着すれば普通の歩行が出来る上に、これから動画でご紹介しますようにランニング・マシーンだって、極めてスムーズに歩けてしまうんです。
もしかするとその姿は、サイバーダイン社が造ったT-800を思い起こさせるかもしれません。
とにかくスムーズです。いわゆるロボットらしい動きではない所がポイントらしいです。
「io9」で掲載されていたこのロボ義肢...二足歩行が出来るロボットは歩くだけでなく、走ったりジャンプしたりも出来てこそのロボット技術なのですが、義足や義手の世界ではメカニカルに電気仕掛けで関節が動いたりってのは、あまり聞いたことがありませんよね。
よっぽどハイテクだったりアスリート用じゃない限りは、例えそこそこの製品でも人間の筋肉の動きに合わせて稼働しても、ぎこちない動き方をしてしまいますし、大体がダミーの手脚である場合がほとんどではないでしょうか。
そこでテキサス大学が人間の足取りを慎重に研究して、数学的にこのロボット義肢機構を造り出した、というわけなのです。
速度の変化にも自然に応えます
写真の男性は、ここで教授をされているロバート・グレッグさんです。彼はテキサス大学のサイトでのインタビューにて、「計測すれば、歩いている人の歩行周期が確実にわかり、どうすれば良いのかが正確にわかるのです。」とおっしゃいます。他にはこんなコメントも。
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私たちはロボットを操作する理論を借りて、単純にして効果的な方法で人間の歩行周期を分析する方法を生み出しました。
私たちのやり方は切断患者に対して、電力供給された義肢で現行の義肢よりもさらに安定し、自然な動きをお手伝い出来るような結果が出ています。
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このロボット義肢を動かすには、数種類のセンサーが義肢の圧力の中心地を計測し、洗練されたアルゴリズムで身長や体重、太モモの寸法の誤差などを計算します。動画でご覧になったように、実験では義肢の装着者が地面を歩行し、ランニング・マシーンで加速しながら歩きました。
この実験では、被験者が秒速1メートルで歩くことができました。健常者が歩いたら秒速1.3メートルほどの速度になるので、結果としては素晴らしいものになったとの事です。
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義肢にはランニング・マシーンで加速することはプログラミングしていませんでしたが、義肢は人間の脚が自然とその速度に合わせるのと同じように、加速に合わせて歩いていました。
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さらに良かったのは、一般的な義肢を着けて歩行するよりも格段に楽チンで、余計な体力を消耗しないで済んだことなのだそうです。詳しい実験結果はこちらのウェブサイトに掲載されています。この業界の関係者には、興味深いものかもしれません。
この技術がもっと進めば、世界中で手脚がなくて困っている人たちに、かつての生活を取り戻させてあげることが出来るようになるでしょうね。今後ますますの研究に期待したいところです。
画像と動画:UTDesign.
This Incredibly Advanced Prosthetic Is Powered By Robotics Technology[io9]
(岡本玄介)
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