世界の終わり、人類の滅亡......。笑えないはずなのに、なぜか人はこの重苦しいテーマに笑いの要素を加える傾向にあるようで、これまで様々な人類滅亡コメディが製作されてきました。
そこで、今回は「史上最高の人類滅亡コメディ11選」をご紹介。ゾンビ、核爆発、アルマゲドン、氷河期の到来と、様々な滅亡がラインナップしています。
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以下より、io9がまとめたリストをご覧ください。なお、アポカリプスとポスト・アポカリプスを厳密に区別しているわけではありませんので、ご了承ください。
■『世界が終わってしまったあとの世界で』ニック・ハーカウェイ著
難易度高ですが、挑戦するに値する小説。
本書は暗く悲しい内容が根底にあるので、純粋なコメディ作とは異なるかもしれません。しかし、コメディとしても十分に楽しめます。この作品は展開が方々に飛んでしまい、読んでいるとリズムが乱されて置いてきぼりにされてしまうので、受け入れられる人とそうでない人(多分こっちの方が多い)が分かれるでしょう。
というのも、最初は「世紀末を主人公がどうにかしないと! でも死にたくないよ...」というストーリーで始まるのですが、次の章になると急に学園モノになります。章を進むごとにどんどん最初の設定から遠ざかっていくので、とても混乱するのです。しかし、章が終わるごとに頭を空っぽにして読み進めれば、徐々に繋がりが見えてきて最後には感動と笑いのクライマックスを体験できるはず。
■『少年と犬』
「こんなラストでもいいんだ...」と新しい見方ができるようになります。
ハーラン・エリスンのSF小説を元にした1975年の『少年と犬』は、核戦争で荒廃し、放射能が原因で地上にほとんど女性がいなくなったという近未来が舞台の映画。
主人公のヴィックは超能力で喋る犬と共に食料と女を探す日々。そんな中、偶然、独自の文化を築いた地下社会で生きる女性と出会い、ひょんなことからヴィックもその地下社会へ行くことに。
この地下社会というのが、喋る犬の存在よりも奇妙でシュール。ラストには予想を裏切る衝撃の展開が待っています。何が起こったのか、理解するのに時間がかかるかもしれません。
■『ナイト・オブ・ザ・コメット』
ホラーでもコメディでもない中途半端な位置付けの「人類滅亡コメディ」というジャンル
或る日突然、人が消え去りゾンビだらけになってしまったら? あなたが女性だったら、やることはひとつ。ショッピングモールに行って好き放題しましょう。
人類滅亡の危機に直面しているというのに、緊張感が全く感じられない女姉妹が80年代の音楽をバックにハイテンションに今をエンジョイ! 箸が転がっただけでも面白い年頃の女の子たちにとっては、アポカリプスでさえ娯楽のひとつになってしまうのです。
■『ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日』
こんなに素晴らしい天国の描写がこれまでにあったでしょうか...?
セス・ローゲン、ジェームズ・フランコ、その他豪華キャストたちが自分自身を演じている「ヨハネの黙示録」が到来した世界を描いたアポカリプス・コメディ。
酒と麻薬と金とノリだけで終末世界に立ち向かおうという「これぞハリウッドなアポカリプス」といった作品で、ラストは「俺たちが望むのはこんな終わりだ!」と叫びたくなるほど。これを見れば、アポカリプスの到来なんて怖くない...、いや、死ぬのすら怖く無くなるかもしれません。
■『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』
中年になってもヤンチャ
サイモン・ペグ、ニック・フロスト、そしてエドガー・ライトのコーネット・トリロジー3作目にあたる『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』は、中年になった5人の幼馴染が伝説のはしご酒を達成しようと集まるも、人類をかけた争いに巻き込まれてしまうというもの。
人類をかけた...と言いつつも、かなりコンパクトなアポカリプスでバカバカしいのですが、バカバカしく面白いです。
■『ゾンビランド』
ゾンビのルールは是非とも勉強しておきたい
正直なところ、このリストはゾンビもので埋め尽くせますが、それでは面白みがないので、ひときわ優秀なゾンビ・アポカリプスを選出。
『ゾンビランド』は、ゾンビサバイバルのルールをネタにするだけでなく、ある有名俳優をゾンビ化した本人役でカメオ出演させています。ファンにとってはご褒美的演出。面白いだけでなく、非常に贅沢な映画でもあります。
■『猫のゆりかご』カート・ヴォネガット著
アポカリプスは誰かのエゴが原因で起こるのかも
『猫のゆりかご』は、ハーカウェイの『世界が終わってしまったあとの世界で』同様、暗く悲しいストーリーをコメディでカバーしたような作品。
原子爆弾の父であるフェリックス・ハニカーについての本を書こうとしているジャーナリストが、調べを進めるうちに、ハニカーが晩年に「水を凍らせる」ことのできるアイス・ナインという、所謂「氷の種」を開発していたことを知ります。このアイス・ナインの融点は45.8度と高いため、よっぽどのことがなければ溶けることはありません。
アイス・ナインはある独裁者の尊厳死に利用されますが、アイス・ナインを使って氷になった体が事故に巻き込まれて海に落ちてしまい、たちまち海が凍り、あっという間に生態系が破壊されてしまいます。ヴォネガットの止まることを知らない不条理な展開が物語のニヒリズムを高める一方で、人々の繋がりも描いており、それが全体を面白く、また悲しく纏めています。
■『アドベンチャー・タイム』
ファンシーな世界は放射能が原因
本作はカートゥーンネットワークで放送されているアニメーション。
物語の舞台となるウー大陸は、キャンディーで加工されたような可愛さがあるにも関わらず、実は「マッシュルーム戦争」で核爆弾が爆発した後に、放射能の副作用で魔法が復活した世界という設定。
そんな世界で主人公のフィンは、体が伸縮自在で魔法を使うことができる犬のジェイクと共に、滑稽ながらもダークで予測不可能な体験をしていくのです。
■『グッド・オーメンズ』ニール・ゲイマン/テリー・プラチェット著
天使も悪魔もちょっとくらいドジな方が良い
近い将来に起こるとされるアルマゲドンにて、悪魔軍を連れて神に刃向かう運命を持つ「反キリスト」の赤ちゃんが、天使と悪魔の仲良しコンビに託されます。
彼らはこの赤ちゃんを見守ることにしましたが、「反キリスト」だと言われていたはずの子供は実は無害で、本物の反キリストは病院で取り違えられており、秘められた自分の本当の力に気付かずに平凡に暮らしていました。しかし、アルマゲドンの日が迫るにつれ、反キリストの少年は徐々に力に目覚めていき――。
アポカリプスを舞台にした天使と悪魔のドタバタコメディ。本書は2003年のBBCの「The Big Read」にも選ばれています。
■『銀河ヒッチハイク・ガイド』
地球破壊を目の前にしてパニックになるなって方が無理でしょう。
ダグラス・アダムのSF小説を元にした『銀河ヒッチハイク・ガイド』は、銀河ハイウェイの建設予定地にあたるという理由で、しょっぱなから地球が破壊されてしまいます。それはもう、アポカリプス云々といっている暇もない無慈悲な展開です。
地球人よりもイルカが賢いとされていたり、親友が実は異星人だったり、その友人が銀河で生き残るためのガイドブックを作っていたり...。地球人が随分とコケにされますが、それがとても心地よく感じられ、十分に笑わせてもらえるはずです。
■『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』
「総統!私は歩けます!」
スタンリー・キューブリック監督の最後の白黒映画。核戦争で人類が滅亡するというのを風刺した作品で、最高にダークで辛辣、そして爆笑とは違う、噛みしめる面白さがあります。
スリム・ピケンズ演じるコング少佐が爆弾にまたがって落ちていく様子は、忘れたくても忘れられない強烈さ。キューブリック監督の傑作のひとつと言われているだけのことはあります。
■おまけ:その他候補作品
『The Bed Sitting Room』、『大惨事世界大戦』、『エンド・オブ・ザ・ワールド』、『ラジオ・アクティヴ・ドリーム』、『ウォーム・ボディーズ』 、『Hell Comes to Frogtown』、『ゴーストバスターズ』、『Sexmission』、『ドグマ』、『キャビン』。
(c) Focus Features
A Boy And His Dog (1975) trailer[Youtube]
Night of the Comet 1984 - Movie Trailer[Youtube]
This is The End Trailer 2013 Movie - Official [HD][Youtube]
『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』予告編 [Youtube]
Zombieland Trailer #1[Youtube]
【ショートムービー】アドベンチャー・タイム ダイジェスト[Youtube]
銀河ヒッチハイク・ガイド (吹き替え) - 予告編[Youtube]
Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb - Original 1964 Trailer[Youtube]
[via io9]
(中川真知子)
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