戦争中は敵を攻撃するだけでなく、ダマすという作戦も非常に有効です。もしも敵軍が、こちらの大掛かりな戦車や軍用車の配備を見たら、進撃するのをためらうかもしれません。
【大きな画像や動画はこちら】
でも実は、そうした戦車や兵士は風船だったり、音だけだったり、街全体までもがニセモノだったりするのです。
そこで今回は「io9」が掲載した、第二次世界大戦時のニセモノ集を動画でどうぞ。
●風船でできた戦車
これはノルマンディー上陸作戦後に、アメリカ軍が用意した特殊部隊ゴースト・アーミーが使ったハリボテの戦車とのこと。
●ダミー空挺兵
パラシュート部隊が大勢空から舞い降りてくるかのように見せるための、ダミー空挺兵がこちら。アメリカ軍では「オスカー」という愛称があり、イギリス軍では「ルパート・ドールズ」と呼ばれていました。
●ゴム製トラック
こちらもゴースト・アーミーが使っていたハリボテで、動画のように一人でもコロンと転がせる程度の軽さ。
●模型のゼロ戦
沖縄の読谷飛行場(現在は読谷平和の森球場)に配備されていた、ゼロ戦のデコイです。
●工場を隠すニセ市街
シアトルの近く、ボーイング社がB17爆撃機を製造する工場の屋根の上に建造されたハリボテの街がこちらです。
1941年に日本軍からの空襲を避けるために、ハリウッドの舞台デザイナーであるジョン・スチュワート氏に手伝ってもらい、制作されたとのこと。26エーカー(約324メートル)の広さがあり、動画のように人々が出歩いていますが、ちょっと陽気な感じですね。
●爆音で流す戦車サウンド
第3132部隊が行っていたのが、音によるニセモノ作りでした。これはベル研究所から技術者たちを呼び、軽トラに積んだ超巨大スピーカーから戦車の音を流すというもの。遠くにいる敵はそれを聞き、警戒するというわけです。
どんな音だったのかは、下の動画で確認してみてください。
●わざと爆撃させるためのニセ航空基地
先日ご紹介しましたコーンウォール地方にあるセント・エバルは、かつてイギリス空軍の司令部が置かれており、1940年の戦時中はナチス・ドイツ軍により、何度も爆撃されたそうです。
そして、ここに配備されていた動かない戦闘機は、潜水艦や船で上陸しようとする敵軍を威嚇する目的で並べられていました。
そのすぐ近くには、イギリス海軍航空隊のセント・メリン基地があります。ここは夜間にライトが灯され、ドイツ軍が爆撃したら油を燃やして爆撃が成功したと思わせるニセの航空基地でした。現在も当時の瓦礫が転がっています。
また別の場所、ワイナーズ・パーチにもイギリス空軍のニセ基地が在り、ここは今でも戦火を逃れた建物が現存しているそうです。
●ゴム製の大砲
戦車などと同じく、空気で膨らむゴム製の大砲も作られました。
どれもが近くで見たらすぐニセモノだとバレるでしょうが、距離があれば本物と見間違えてしまうフェイク軍用車輌/施設でした。真っ向から敵の攻撃に応戦するだけでなく、こういった頭脳戦もまた必要不可欠だったのがわかります。
Inflatable Tanks, Paradummies And More Incredible Fake Objects From WWII[io9]
(岡本玄介)
関連記事
- 確定申告を高速化! 全自動のクラウド会計ソフト「freee」で16連射すると...?
- コンビニで買える! 支払い地獄を避けられるVプリカギフトの天使な使い方
- スタートアップ企業がやるべき 「PRを駆使した伝え方」とは