カンフーアクションスターといえば誰でしょうか?
ブルース・リーやジャッキー・チェン、ジェット・リーにリュー・チャーフィーといった男性俳優をイメージする人が多いかもしれません。
では、女性のカンフーアクションスターといえば誰でしょうか?
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ミシェル・ヨーやチャン・ツィイー、『チョコレート・ファイター』で一躍有名となった、ジージャー・ヤーニンの名前も挙がるかもしれません。
女性の格闘アクションは男性とは異なり、しなやかで柔らかいのが特徴的です。そんな華麗な動きをもっと見たいと思う人も多いことでしょう。
実は、60年代から80年代は女性カンフー映画の黄金期。ロマンス重視型、コメディ重視型など、様々な女性主演の武侠映画、カンフー映画が作られました(「武侠」は武術や任侠をテーマにした中国の娯楽で、カンフー作品は武侠に含まれます)。
そこで今回は、エクストリームな女性サイト「Jezebel」がピックアップした、選りすぐりの女性カンフー、武侠映画9本をご紹介します。一部ネタバレがありますので、ご注意ください。
■『大酔侠』(1966年)
『グリーン・デスティニー』でジェイド・フォックスを演じたチェン・ペイペイ主演(当時20歳)の本作は、武侠映画のルーツとも言われる傑作。
総督の息子が山中で盗賊一味に誘拐され、その妹の女剣士が男に変装して兄の救出へ向かう。道中、宿屋の闘いで危機に陥ったところを酔いどれの乞食に救出されるが、彼は実は伝説的な武芸の達人で――。
よく作り込まれた振り付けと素晴らしい撮影法は必見で、武侠映画のスタンダードを上げたと作品と言って間違いないでしょう。
■『三鬥鶴觀音』(1979年)
女ブルース・リーとも言われる、ジュディ・リーが鶴拳を披露するバリバリのアクション映画。
ジュディと父親役の川原は鶴拳派。彼らは猿拳派の道場と戦っている時に、猿拳の使い手を倒してしまう。怒った猿拳の使い手は朝廷の悪い将軍に、鶴拳の一家が政府の禁止している少林派であると密告。政府は刺客を送り、ジュディらを亡き者にしようとする――。
ジュディは雷成功と恋に落ちて結婚するわけですが、彼らが愛を育むシーンは「一緒に戦っている」だけ。そして初夜を迎えるにあたって、「私を倒さないと抱かせてヤンない!」というジュディの困った主張により、2人は取っ組み合いに......。
ジュディを押し倒すことができなかった雷成功は外で寝ることになり、そこにおっちょこちょいの男がやってきて、おしっこをひっかけるという、お約束の泣きっ面に蜂演出もあります。
ジュディ・リーのアクションはキレがあり、見ていて気持ちいいです。ラストの大乱闘も見応えあり。
■『レディークンフー 激闘拳/長輩』(1981年)
それまで男性スターばかりを主役にしてきたラウ・カーリョン監督が、初めて女性を主人公にしたカンフーアクション映画。
裕福な老実業家と結婚した美女。実は彼女の結婚は、老人が強欲な兄弟から資産を守るために計画されたもので、老人が亡くなると当然ながら遺産を巡ってのイザコザが起きる――。
カンフーアクションなので、遺産を巡る戦いと言っても、ビシバシと激しい戦いが繰り広げられます。主演のベディ・ウェイはため息が出るほどの美しさ。痺れるようなアクションが見たい方は要チェックです。
■『詠春與少林』(1977年)
セシリア・ウォンこと黄杏秀(ウォン・ハンサウ)演じる厳詠春は、悪の将軍に父親を殺されてしまい、武術家に助けられる。女性であることを隠し、少年として少林寺に入門した彼女は武術を習得しただけでなく、オリジナルのファイティングスタイルまで生み出すまでに成長。そして、ついに父の仇である将軍と対決する――。
本作のアクションはベストでは無いにしろ、訓練シーンと説得力のある成長の様子が見ていて楽しいです。しかし、厳詠春が女性であることが判明しても、周りがすんなりと受け入れてしまう点はやや拍子抜けかもしれません。
■『清宮啟示錄』(1983年)
王位継承を巡り、強欲な王子が他の王子を出しぬこうとする様を描いた作品で、ラウ・シュッワーが強欲な王子に使える剣使いの女刺客という役を演じています。
彼女の動きは、まさに「蝶のように舞い、蜂のように刺す」という表現がぴったり。軽やかで大胆でユーモアがあり、勢いもあるアクションの数々は、見ていて思わず身を前に乗り出したくなるほど。
見所は冒頭15分とラストのバトル。日本映画でも見られる「ボディ真っ2つ」は必見です。
■『14アマゾネス 王女の剣』(1972年)
敵国との戦争で命を落としてしまった将軍。朝廷は和睦を結ぼうと考えていたため、事を荒立てて欲しくない。そこで、彼の仇を討つべく集まったのは亡き夫を想う妻、姉妹、義理の母親といった女性ばかりの14人だった――。
ほぼ女性だけの討伐隊による体を張った大アクション、特に「人間橋」は必見です!
■『カンフー・シスター 麗竜拳』(1980年)
シャー・クァンリ演じるリューは、新婚ホヤホヤで幸せいっぱい。しかし、旅行中に強盗団に襲われたことで束の間の幸福はあっけなく幕を閉じる。夫は殺され、リューは4人の男に暴行されて重傷を負うが、尼僧に助けられ、拳法を学ぶことに。そして、その技を使って自分の人生をメチャクチャにした強盗団への復讐を誓う――。
拳法の手ほどきを受けて、メキメキと腕を上げるシャーが素晴らしいです。特訓シーンを見ていると、きっと自分でも試してみたくなることでしょう。
■『侠女』(1971年)
1975年にカンヌ国際映画祭の高等技術委員会グランプリを受賞したキン・フー監督作。6年間のプロダクションを経て完成した本作は、武侠映画の象徴的作品の一つとされおり、『グリーン・デスティニー』に多大なる影響を与えたことでも有名です。
ヘビーなアクションは多くないものの、振り付けは文句のつけようがないほど美しく、それを一層引き立たせるように撮影されています。
シュー・フォンが演じるのは、元高級役人の娘。彼女の父親は濡れ衣を着せられてしまい、一家で流刑になるところを家臣に助けられて少林寺に逃げ込む。そこで武術を学びながら復讐を企てた彼女が身をひそんだのは、うだつの上がらない中年似顔絵描きの住む家の前に立っている廃墟だった。2人は出会い、男性はフォンの復讐劇に巻き込まれていく――。
3時間を超えるスペクタクルで、ラストはカオスな展開ですが、ミステリーやラブストーリー、カンフーといった要素が詰め込まれていて、見る人を飽きさせません。
■『アンジェラ・マオ 破戒』(1977年)
生きたサソリをダーツの如く敵へ投げつける「サソリ使い」のアンジェラ・マオがインパクト大な本作。こう書くとコメディ映画のようですが、濡れ衣を着せられて殺された両親の復讐のために生きる娘のお話です。
サモ・ハン・キンポーが悪役、ユン・ピョウが端役で登場します。また、ユエン・ウーピンが武術指導という豪華さも魅力。アンジェラ・マオ自身が「多くの主演作品の中でもベスト」と語る、面白さは必見です。
[via Jezebel]
(中川真知子)
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