小沢一郎代表定例記者会見(2013年4月8日)

4月8日(月)、小沢一郎代表が党本部にて定例の記者会見を行いました。会見の要旨は以下の通りです。

小沢一郎代表定例記者会見

【会見要旨】

主権回復の日について

Q. 主権回復記念式典について決まったことはあるか。
A. まだ何も決めていないし、党としての出席要請はないそうだ。だから個人個人の話である。

参院選について

Q. 憲法改正自体が参院選の争点になるかどうかについて代表の見解は。
A.
自民党の改正草案も見たが、政府・与党が9条を変えようという話である。他はつけだれみたいなところだけで、要は9条だけである。だからそれをあえて争点に、というか政府がやればマスコミの諸君は報道するだろうから、そうすれば争点になるのかもしれないが、それはそれでしっかりと私どもは意見を言っていきたいと思っている。

Q. 岩手県選挙区について、自民党が平野(達男)氏の支援を見送って、もともと予定していた田中氏を擁立することになった。その受け止めと、改めて民主党との共闘について見解を。
A.
自民党がどうであれ、我々としては候補者を擁立するという考え方は変わっていない。ただ民主党の候補者がいなくなってしまったわけだから、その意味で民主党が、ここは協力して、野党で1議席確保しようという話があれば、以前からも言っている通り、それは柔軟に対応するということについて変わりはない。

Q. 候補擁立の関係で、今月内という話だったが、人選についてどうなっているか。
A.
候補者については、我々は所帯が小さいので、全選挙区もちろん立てられるわけではない。だから現有議席の確保と、岩手県選挙区については何としても確保したいということと、それから定数の多い東京都などのところで何とか今いい候補者を立てたいということで、鋭意選考中である。連休前にというのが一つの目途である。連休が明けると事実上選挙戦ということになるので、目途としてはそういうつもりでいる。

Q. 岩手県選挙区について、自民党と民主党の話というのは、小沢潰しという一面があると報じられているが、どう考えているか。
A.
小沢潰しというのは、メディアがしょっちゅう、ずっと前から一生懸命報道している。平野(達男)君の(2007年の参議院)選挙の時も、小泉(純一郎)氏が2度も3度も(岩手県に)来た。ただ残念ながら潰れなかったが、その時は。だからそんなことは全然意に介していない。自民党の方は好きなようにしたらいい。

金融政策について

Q. 日銀黒田総裁が4月4日に、円を増刷して大量の円をメガバンクに供給する、長期国債を購入する、という新たな大胆な金融政策を発表したが、それを受けて今円が1ドル=98円まできた。中央銀行が大胆な金融緩和を行うと必ずバブルが発生する。おそらく今後史上最大のバブルが訪れると思うが、代表の考えは。
A.
私も結論として、見通し的にはバブルの危険が非常に強いと思っている。日銀が国債を買い入れるということは、法律上禁止されているので、直接買い入れではなく、市中から拾うというような、迂回した買い入れでこれまでもずっときたわけだが、これによって株が上がった、円が安くなった。円が安くなって、国民皆さんの生活はどうなったか。油(ガソリン)も食料も飼料も今はみんな値上げラッシュである。円がもっともっと安くなるほど、値上げは大きく、広範囲になってくるのではないだろうか。だから国民生活を圧迫する要因になりこそすれ、生活を豊かにすることにはつながらないと思う。円安は、特定の輸出大企業にとってはいいかもしれないが、一般国民にとってはそういうことだろうと思っている。従ってトータルとして、具体的な政策の実行は何一つされていないが、ただひたすら日銀が大量に裏付けのない紙幣を増刷するという、お話の通りになっている。この金融緩和も、本当に困っている中小零細企業の人たちにお金が回るというのなら、まだ底上げにつながるのだが、結局は金融機関は小さいところに貸さないから、金融機関のところで(お金が)ジャブジャブになり、それを借りるのは大きな、多分企業なのだろう。そういうことで、このやり方はマイナスが非常に大きいのではないかと私は思っている。

憲法改正について

Q. 96条改正を先行させようという話になっているが、このことについて改めて見解を。
A.
先ほども少しふれたが、私も自民党の草案をさらっと見たが、9条で自衛権を明記するとか、国防軍を明記するとかという類の改正だけで、他には見るべきものは一切ない。今憲法改正を本当にまじめに議論するなら、9条の点について議論するのはいいと思うが、例えば議会制度などその他の事もいっぱいあるわけで、それを全く手を付けずに9条だけ、という草案を見るだけでも、自民党がどういう国家像を描いているのか、ということは全く分からないし、ましてやそういう中で96条の手続き論の部分だけを先行するというのは、非常に邪道だと私は思っている。やはり憲法の在り方、それに基づく日本の国家像をきちんと明示して議論をすべきだろうと思う。