小沢一郎代表 記者会見(2014年1月21日)

20140121小沢代表記者会見

1月21日、小沢一郎代表は幹事会終了後に記者会見を行いました。
会見要旨は以下の通りです。

【冒頭挨拶】

特別申し上げることはないが、新しい年を迎えた。また、みなさんに色々とご迷惑をおかけすることと思うが、今年もよろしくお願いしたい。
また、2、3日後に国会が召集ということだけれども、私どもはいつも申し上げている通り、自分たちの国民の為に良かれと思う、正しいと思う主張を今後も変わりなく国会の場で発信していくということに、特に野党少数党なので、そのことを心掛けていきたいと思う。よろしくお願いしたい。

【質疑要旨】


東京都知事選挙について

Q. 幹事会での冒頭挨拶でもおっしゃっていたが、東京都知事選について伺いたい。今日の幹事会で党としてどのように対応するという決定がなされたのかということと、併せて、もし支援する場合には例えば推薦、支持の様な形で出すのか、それとも勝手連的な形で応援していくのか、どのような形で支援するのかというところも教えてほしい。(NHK)
A. 昨日、都連に属する総支部長、みんな集まってもらい、意見をお聞きした。総意として、細川氏を応援していこうということになったので、そのことを今日報告し、現職のみなさんも同じ意見だったので、出来る限り協力しようということになった。
政党として云々ということではなくして、相手もそれは望んでいないわけなので、我々のそれぞれの仲間として細川支援とし、お互いに力を合わせて頑張ろうと、いうことで了承をもらった。
早速今日から、実態的な実務的な作業はやっていきたいと、そう思っている。
Q. 細川氏支援とおっしゃったが、その細川さんがまだ出馬の記者会見もしておらず、政策というものの発表もまだされていなくて、どういうことをやっていくのかというところが見えないのだけれども、その細川さんを支持というのはどういう点でそうなったのかということと、小沢代表自身は細川さんに直接会って、政策とか何か細川さんのお考えというか、話されたのかという点の2点をお願いしたい。(IWJ)
A.

それは、脱原発という原発の今後のあり方についての考え方、これは事故を起こした、あるいは起きた国、日本ということでなおさらだけれども、ちょっと大げさに言うと、この原発を継続するかどうかということは、人類史的な問題だと私は思っている。

どんどん新興国も原発を作ると言って、あるいは安倍内閣は原子炉の売り込みまで一生懸命やっているわけだが、世界中どんどん原発が出来てしまったらどうするのか。
何かあったら地球全部汚染してしまう。だからその意味では、非常に大きなテーマである。
その点についてまず、そこの物の考え方、これは一致しているということである。

後は個別の話、候補者の性格的なこと等については、都知事選で云々はしていないけれども、20年前に細川内閣を作った一人だから、よくよく知っている。
都政のプロパーの問題については、私がしゃべる立場にないけれども、基本的な考え方、それは自民党に対比して、私たちの考え方と非常に近いと、そう思っている。

桝添さんも自民党ではないけれども、自民党に挨拶に行き、協力を求め、自民党の事実上の候補だから、その意味では明確な違いがあるだろうと思っている。

Q. 都知事選のテーマとして、脱原発を掲げるのはどうかという議論がある。その点について小沢代表はどうお考えになるか。(東京新聞)
A.

今申し上げたように、非常に大きな深刻な問題だから、都知事選だろうがなんだろうが、地方選挙で取り上げても当然いいテーマだと思っている。

特に、首都圏はなんといったって、4000万人か、日本の人口の3分の1もいるわけだし、東京は東電の筆頭株主でもあるし、そして一番の電気の消費地でしょう。だから、あらゆる意味で都民が、真剣に深刻にこの問題は考えるべきだと思う。もちろん、その他の都政の固有の問題があることは事実だし、オリンピックのこともあるだろうし、色々あると思うけれども、私は決しておかしくないと思っている。

Q. 都知事選の支援あり方について。具体的にどのような事をやろうというイメージをお持ちか。
また、求められればということになると思うが、代表自身が応援に入るような意向はあるか。(読売新聞)
A.

そんなことはやらない。私が街頭をやったりすればマイナスだからやらないけれど、例えば、選挙でいつも言うのだが、選挙というのは舞台の役者は、本当は候補者一人でいい。

そこに、小泉元首相が加わったから、もうこの二人で十分。舞台の上の役者は。後は、それをいい効果を引き出すためには、どういう実務的な仕事をしたらいいのかという問題が残る。雑用みたいなものだ。例えば、1万何千箇所ある掲示板にポスターを貼るといったって大変な作業であろう。

ボランティアの人たちの手を借りることになるであろうと思うけれども、組織的なものを持っているわけではないと思うので、それも全部貼り切れるかどうか分からないし、そういう面のこともあるだろうし、何十万枚のビラも、街頭で配るだけじゃ配りきれないのではないか。そんなことはどうするのかとか、別に頼まれなければやらないけれども、そういう事ももし勝手にやってもらえればいいなという趣旨であれば、それもやった方がいいかもしれない。

そこは実務的な問題があると思うので、そういう細川事務所でカバーしきれない部分があるとすれば、そういう事をやるということだと思う。
後は、私も自分自身の支援者ファンクラブの名簿が東京都内だけでも3000位あるから、その人達にお願いする。全国で言うとその何倍もあるから。私はだが、そういう人たちに、やるとすればお願いするとか。

それぞれの総支部長、あるいは同志の人たちも仲間があるだろうから、自分でそういう事をやるとか、電話をかけるとか。ハガキは選挙になると選挙用ハガキしかできないが、今ならば今日、明日、明後日はまだ何やったってお願いは構わないわけだから、そういう意味で事前運動に抵触するような事でない限りは出来る訳で、そういった類の、やれることをやる。

Q. 細川さんとは、今回の都知事選に関しては云々していないとおっしゃったけれども、これまで折に触れて、細川さんと様々なテーマについて意見交換をされるような機会はあったのか。(日刊スポーツ)
A. 細川さんとは、何回というほどのものでもないけれども会った。それでも、彼は陶芸の方の趣味で忙しいし、私はそっちの趣味は全然ないし。だから、そんなに会う機会なかったけれど、ほんの何回か会って話したことがある。今回は、話はしていない。
Q. 関連して、細川さんと会われた時に、原発について今後の原発はどうあるべきかの様な内容で意見交換されたことはあるか。(日刊ゲンダイ)
A. そういうテーマで話をしたわけではない。
Q. 小泉さんに関して伺いたい。今回都知事選で細川さんの支援を小泉さんが名乗りを上げて、それによって政界再編につながるのではないかと言う期待感があるが、代表はどう見られるかということと、脱原発というシングルイシューでこの指止まれということが出来るのかどうか、どう考えているか。(朝日新聞)
A. 期待感というのは朝日新聞が期待しているのか。
Q. 民主党が。(朝日新聞)
A. 民主党が。そうか。それは分からないけれども、どうなるかは。ただ、小泉氏が本気になってずっと細川氏と徹底して選挙運動を展開するということになると、片や自民党の候補者がいるわけだから、それは勝っても負けても、政界再編かどうかは別にして、今後の流れに影響はあるのであろう。
だから、小泉氏も党派は別にして、日本に原発は必要かそうでないかという二つのグループでやるのだという言い方をしているのは、そういう事ではないか。それから、さっき言ったように、非常に大きな日本の将来にとって、また世界の将来にとって大きな課題だから、特に東京は最大の電気消費地だから。東京に原発無いのだもの全然。そうでしょう。ほかの地域で立地して、東京で一番使っている訳だから。そういう意味でも真剣に、深刻に都民は考えていいのではないか。

もちろん、それだけではないと思う。何か固有の政策を出すのだろうと思うから、それプラス東京都の関連した固有の政策を打ち出してやるのではないか。

だけど、原発をメインにやったからといって、今言ったような最大の消費者、最大の利益を享受しているのは都民だから、それが人類史的にも非常に大きなテーマである原発ということを考えて投票するというのは、決しておかしなことではないと思う。

Q. 脱原発のシングルイシューと言ったのは、政界なのか野党なのか分からないが、再編をするうえで、その脱原発と言うシングルイシューを掲げて、それによってこの指止まれということをやることが効果的かどうかという点についてどうお考えか。(朝日新聞)
A. 「この指」が誰か知らないけれども、そのぐらいの大きな問題だと思う。もちろん、色んな生活していく上においてはそれだけの問題ではないけれど。それが解決されなければ、私はだから福島の事故が、本当に解決されないと、日本の将来はおぼつかないと思う。そういう問題だから、決してそれで仕分けしたからっておかしいということではない。
Q. 関連して、代表はかねてより小泉政権で行われた改革について、それが行われたことによって地方など影響があったということで批判的におっしゃっていると思うが、そうであってもなお、脱原発を掲げるのであれば、小泉さんと一緒にと言うかそれを支援するということも、それは問題がないのであろうか。(朝日新聞)
A. 小泉氏のあれは、特にそれ以上に安倍内閣のいわゆる、きれいごとを言えば新自由主義的な考え方、すなわち強者の論理、弱肉強食のこの経済政策に私は賛成していない。
弱肉強食を是認するとすれば、もう政治はいらないから。だから、政治のテーマは出来るだけ多くの人が安心・安定して生活を出来るように、社会のシステムを構築し政策を実行することだから。
だからそれは、経済政策のやり方としては、賛成はできないけれども、その経済政策がどうであれ、原発がひどくなってしまってはどうしようもないでしょう。経済政策もへちまもない。
だから、それを更に上回る、私は大きな問題として、出来るだけ早く、この原発事故は、そして原発のあり方についての結論は出すべきであると思っている。

名護市長選挙について

Q. 沖縄の名護市長選挙の件でお伺いする。結果的に基地、辺野古への移設反対の現職市長が再選した。政権の方は、結果を受けてもあれは市長選で基本的には関係ないと、知事が年末に埋め立てを了承しているのだから、そのまま進めていくというようなことを、早速昨日から言っているけれども、選挙の結果を受けて、本来国はどうすべきなのか、要するに民意というものがないがしろにされるのか、その辺りをどのようにご覧になっているのか教えてほしい。(日刊ゲンダイ)
A.

東京都知事選挙もともに地方選挙だけれども、安倍内閣が内政・外交で大きな柱として積極的に推進している基本のテーマである。

大きな基地の新設、これも日米関係の問題であるし、それを何が何でもやると言っている安倍内閣だから、そのことが沖縄県民、市民によって、4000票だけれども、トータルの有権者から言えば相当大きい差である。かなりの人が、いわゆる予算の特別な増額、札束攻勢があったにもかかわらず、ノーと言う返事をしたということは、市長の行政的権限がどうこうという問題、これも私はかなりあると思うけれども、それ以上に政治的な意味が大きいのだと思う。

では、これを全く無視して強行できるかということになると、政治的には無理だし、その意味では非常に大きな、進める側にとっては障害となるだろうと思っているし、沖縄県民も金さえもらえばいいのかと言う一部にあった評価を、これによって跳ね返したことになる。私自身は、長くなるから言わないが、あのきれいな海を埋め立てて滑走路を造るという必要性はないというふうに思っているので、その意味で大変良かったと思うが、外交の大きな柱が崩れたというか、私は大きなつまずきだろうと思う。


民主党党大会への出席について

Q. 民主党が2月9日に開く党大会に代表が出席されるということだが、それでよろしいか。除籍をされた民主党の大会に出る理由を教えていただきたい。(時事通信)
A. 招待を受けたから、出なければという気があるのだけれども、どういう風になるかは最終的には決まっていない。除名された者でも招待があるのだから。どちらが礼儀にかなうだろうか。後でまた君の意見を聞こう。
Q. 民主党大会の関係で、民主党の海江田代表は公務の関係で、生活の党の大会には出席しないということだが、そうであれば、代表は民主党の党大会には出席しないということでよろしいか。(朝日新聞)
A. それはまだ決めていないけれども、事実上カウンターパートがお互いにエールを交換し合うというのが普通であろう。だから、結いの党は江田さんが来てくれるというので、私も行くことにした。民主党についてはまだ最終的に決めていないけれども、誰が来るのか知らないけれども、まだ先のことだから。また次の機会に。

通常国会を迎えるにあたって

Q. 通常国会が始まるが、安倍政権とどのような対立軸を党として出して戦っていくのかというのをお伺いしたい。(毎日新聞)
A.

今ほど明確な対立軸がある時はないと思う。しかも、国の基本にかかわる問題が大きなテーマとなっている。それは今色々議論していた、原発を継続するか止めるかと言う問題も大きなテーマである。これは基本的な日本の将来に大きく関わるテーマである。

それからまた、憲法。最近また集団的自衛権云々といったへんちくりんな議論が出ているけれども。へんちくりんというのは集団的自衛権を言うのではない。それに関する議論がおかしい、メディアも学者もみんな、私から言うと混同したへんちくりんな議論が出ているということだが、自衛権を含む憲法の問題、消費税の問題、あるいはTPPの問題、みんな国民生活に直結する基本的なテーマである。

TPPも、関税の引き下げというだけなら別に、どうということもないのだが、これは要するにアメリカの構造協議の延長である。アメリカのルールを日本に適用すると。それを何か安倍内閣がお先棒を担いでいるような気がして、私は非常に心配をしているのだが。これは、日本の社会、国民生活に大きな影響をもたらすことになるので、TPPというのも、大変大きなテーマだと思っている。

消費税というのも、アベノミクスの真価が問われることになるだろうし、国民の税負担のあり方と歳出のあり方、それを執行する行政のあり方がこれでいいのかと何度も言われるが、行政改革を含んだそういった問題も、行財政改革の問題も基本的なテーマである。

そういった色んなテーマがあるので、そのことについて我々は明確に私たちの主張を発信していきたいと思っている。野党は、採決は数が多い方が結論はいいのだけれど、野党のあり方としては、きちんとそういった基本のテーマに自分たちの結論を国民に向かって国会を通じながら発信していくというのが、役割だと思いまして、政府自民党と談合して妥協の話をするのは、野党としての役割を放棄することだと思う。なぜならば、今言ったようなテーマは、本当に基本的な理念、基本的な考え方だから、足して2で割って済む話ではない。

だから、私としてはきちんとした、いわゆる談合という言葉は日本では悪い言葉に使われるが、ようするに、話し合いでほどほどの結論を得るという手法は、我々は採らない。そう考えている。