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閣議決定で集団的自衛権行使を容認するなら、日本は法治国家・民主主義国家ではない
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閣議決定で集団的自衛権行使を容認するなら、日本は法治国家・民主主義国家ではない

2014-07-04 11:59

    小沢一郎代表 記者会見(2014年7月1日)


    7月1日、安倍内閣が集団的自衛権行使を容認する閣議決定を行ったことを受けて、小沢一郎代表が記者会見を行いました。
    会見要旨は以下の通りです。


    20140701小沢代表会見


    【 冒頭挨拶 】

    先ほど、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定がなされたと聞いたけれども、これから、安倍政権が今日の閣議決定を根拠として、日本が直接関わりのない世界の国、あるいは地域の紛争に、自衛隊を、軍を派兵するということになるとすれば、それは安倍総理がどのような言葉でこのことを正当化しようと思っても、そのような行動・行為が行われようとすれば、まさに国民の命を守る、救うということではなくして、国民の皆さんの命と日本のこれからの将来を危うくする結果になってしまうだろうと、私は思う。

    日本国憲法は、日本が直接攻撃を受けた場合、すなわち正当防衛の場合のみ自衛権の行使を許しており、それ以外の国際紛争に、直接戦闘行為を行うかどうかは別にして、軍を、自衛隊を派遣するということは憲法9条で固く禁止しているところである。だから、単なる閣議決定で集団的自衛権の行使という名の下に、海外に自衛隊を派遣する、海外派兵を事実行為として実行するとすれば、それはもはや日本は、憲法があって、ない社会・国家ということになる。
    すなわち、日本は法治国家、民主主義国家ではないということになってしまう訳であり、このような考え方、そしてこのような政治の手法は国民のために、日本の将来の為に絶対許されてはならないことだと思う。

    一昨年の総選挙で、国民は安倍政権を結果として選んだ。その安倍政権が、今言ったように非常に危険な道を歩み始めている。これを阻止するのは国民皆さんの一票一票しかない。このような、憲法を完全に無視して、安倍内閣の閣議決定のみで自衛隊の海外派遣をやろうというような政権を許してはならないということならば、国民の皆さんはぜひとも次の機会にこの政権に代わる、本当に平和を愛し、そして国際協調のもとで日本の平和と世界の平和を守っていこうという、そういう考え方の政権を作り上げていただきたいと思う。

    私どもも、こういうまさに無謀な政権に代わって、本当に言葉通りに国民の命を守り、暮らしを守り平和を守る、そういう受け皿となるグループをしっかりと、次の総選挙までに作り上げていかなくてはならない、そう思っている。
    私としては、国民皆さんの賢明なご判断をぜひお願いしたいと思う。


    【 質疑要旨 】


    公明党の対応について

    Q. 今回、与党協議を経て閣議決定ということになったが、公明党の対応についてはどのようにお考えか。(NHK)
    A. 公明党が今回の安倍総理の意向に関わるこの閣議決定を容認したということは、大変驚いている。他党のことだけれども、この間の会合でも連立離脱論も含めて多くの異議が、全国の幹部の皆さんからも出たと聞いている。

    そもそも、創価学会は日蓮上人の立正安国論の理念のもとに存在する宗教団体であり、初代の創価学会会長は権力におもねず、結果として獄中で亡くなるというように、本当に平和の信念を主張し守り続けてきた方だと聞いている。
    その原点に戻るということが、あるいはもう一度考え直すことが大事なことではないかと思う。

    集団的自衛権行使容認を選挙で問うべきか、国会は憲法に代わる歯止めとなり得るのか

    Q. 三点お伺いしたい。そもそも安倍政権は集団的自衛権について、前の衆議院選、参議院選で争点にしていなかった。改めて解散して衆議院選挙で訴えるべきかどうかというのがまず一点。
    一旦政権を担ったら、こういうテーマを含めて次の政権に全権委任をしていいものかどうかというのが二つ目。
    三つ目で、そもそも国会というのは憲法に代わって歯止めになるのかどうなのか、その三つについてお聞かせいただきたい。(朝日新聞)
    A. 総選挙によって負託された政権だから、その意味においては自らの政策を実行するということは任されていると原則的には考えるべきだと思う。ただ、このように憲法の理念を無視して日本の将来の行く末を危うくするような大問題なので、解散ということも一つだけれども、やはり憲法問題だから国会で憲法9条の改正を発議して、それが解散という手段になるかどうかは別にして、国民に問うべきだろうと思う。
    二番目はなんだったか。
    Q. 一番目と二番目は今答えていただいたので、三つ目、国会は憲法に代わる歯止めになるのかどうなのかという根本的な質問なのだけれども。(朝日新聞)
    A. 憲法に代わる歯止め?どういう意味だ?
    Q. 集団的自衛権に今回解釈改憲によってなされてしまったと、本来であれば国会で審議された上でということがよく言われているかと思うが。(朝日新聞)
    A. もちろん審議しなくてはいけないし、何でも国会で審議すべきだし、こんな大事なことは審議することは当然だけれども、今言ったように、審議するのは憲法9条の改正を発議して議論すべきだと。

    ただ、その筋道の議論、少なくとも安倍さんがそういう基本的な考え方を持っているのならば、私は国会に、そして国民に問うべきだと当然思っている。
    安倍内閣は事実行為としてやっていこうということなのではないか。憲法9条改正ということを正面から取り上げると、国民の反発が強いと。だから、平和を守るために、おじいちゃんおばあちゃんを守るために、命を守るためにやるんですからというような言葉のあや、ごまかしで閣議決定をしたことを根拠にして、事実行為としてやっていこうということではないだろうか。

    政府は国家権力を持っているから、決して民主国家ではこういうやり方は許されないはずなのだけれども、今の安倍総理のやり方では事実行為としてやっていくということが有り得る。
    だから、それを変えるのは国民の一票しかない。次の総選挙で、もしこれは国民にとって日本にとってよろしくないということであれば、安倍政権に代わる政権を国民は選択すべきだろうと思う。

    今後の対応について

    Q. 今後について、まず閉会中について生活の党としてどのように対応していくのかということと、臨時国会に入れば自衛隊法の改正とか個別法の審議に入っていくと思うけれども、そこでもあらためて生活の党としてどのように対応していくのか。(共同通信)
    A. 我々は今言ったように、安倍内閣のやり方は民主主義のルールを全く無視したことであり、そしてまた国民の命、暮らし、日本の将来にとっても非常に危険な政権であるということを、それぞれがありとあらゆる機会に国民皆さんに説明していくことだろうと思う。

    具体的な法案が秋の臨時国会で仮に出たとすれば、その時にこれは国民に向けて、安倍さんに何を言ったって、この間のクエスチョンタイム見ていたけれども、全く質問に答えずに単なる自分の宣伝文句を並べたてていたから、国会の議論というのは国民皆さんに聞かせるためにやることなのだから、これを通じて、あるいはメディアを通じて、国民に分からしめる、そういう国会の論戦にすべきだろうと思う。

    衆・参予算委員会集中審議での対応について

    Q. 7月14日、15日と(予算委員会)集中審議が入ったけれども、そこでの生活の党としての詰め方、どういったことから問題点を改めて突いていこうかとお考えか。(朝日新聞)
    A. それは今言った問題である。安倍総理はもう全く非論理的な、単なる情緒的な気持ちに訴えるということで、言葉を色々と羅列しているであろう。今言ったようにおじいちゃんおばあちゃんを助けるにはしょうがないのだとか、あの15事例というのも全くありえないことを色々と並べ立てて、いかにも国民の命を守り、国の将来を守るかのごとく言っているけれども、全くいい加減な話で、議論のしようとしては、安倍総理のそういったごまかしの言動を明らかにしていけばいいのではないか。

    集団的自衛権問題に対する野党共闘について

    Q. 先ほど、命・暮らしを守る受け皿をしっかりと作るというお話があったが、この集団的自衛権の問題については野党の間でもかなり立ち位置がバラバラで、それで野党の中で協闘していけないという部分があったと思うけれども、今後の閉会中審査、秋の臨時国会でどの様に政権与党に野党で協力して対峙していけるのか。(NHK)
    A. 与党の中でもごちゃごちゃ意見が色々違うのだから、野党の中でもニュアンス・スタンスが異なるということは仕方のないことだけれども、私は今日の閣議決定を受けて、安倍さんの会見を受けて、やはりこれは非常にめちゃくちゃな政権だ、将来を、そして自分たちの命・暮らしを危うくする政権だという意識が国民の皆さんの間でも強くなるのではないかと思う。そういう中で各党ニュアンスは多少違うが、石原慎太郎さんのところは別にして、その他の政党としては、私は大体整理が大枠としてはついてくるのではないかと思う。
    だから、具体的に秋の臨時国会で仮に法律案が出てきた時は、大方足並みが揃ってくるのではないかと思う。

    解釈改憲に対する見解について

    Q. あらためての確認だが、小沢代表は解釈改憲による集団的自衛権の容認には反対ということでよろしいか。(朝日新聞)
    A. 解釈改憲というのは有り得ない。というのは、名文に、逐条に書いていなければ解釈する以外ないのだけれども、例えば自然権としての自衛権は書いてない。だけど、
    これはどこの国の憲法にも書いていない。当然の正当防衛としての自衛権はあるとみなされているから問題ない。日本国憲法では9条で、(日本と直接)関係のない国際紛争で軍事的手段、武力の行使と9条には書いてあるけれども、武力の行使というのは直接ドンパチするだけではないから。後方支援から何から一体となったものが武力行使である。
    だから、そこはだめよと明文に書いているのだから、いわゆる解釈改憲というか、解釈の余地はない。改正する以外にない。
    なので、解釈改憲という言葉は、私はかならずしもしっくりきていない。要するに政権は事実行為としてそこへ持っていこうということではないか。そう思う。その振付、理由づけにやっているということだ。
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