二階堂の我慢強い麻雀の強さについては次の近代麻雀にしっかり書かれるので、ここでは優勝候補だった魚谷の敗因ともいわれる仕掛けについて。
六六(1223)237東東南南 ドラ7 3巡目に出た東をポンして7切り
左からマンズ・ピンズ・ソーズ
南3局北家で点数状況は
二階堂 16400(親)
愛内 18100
石井 42700
魚谷 22800
という僅差の2着目。予選なのでトップをとる必要はなくこのままあと2局行けば魚谷と石井の勝ち上がりだが、二階堂と愛内には親がある。
こんな場面でオタ風の東を鳴いて、南のアトヅケに期待するか。
強者と言われる麻雀プロでも意見が分かれた。
〈鳴かない派〉
佐々木寿人 オーラスなら鳴くかもしれないがもう1局親流しをしなければならず相手の条件もたいして苦しくならない
滝沢和典 結局他力本願の仕掛けなので。上家石井あやがどう打つか分からないので
瀬戸熊直樹 あわてず石井と二人で親落とし。オーラスに足を残しておく
〈鳴く派〉
石井一馬 鳴いてドラを切っておけば(魚谷もそうした)上家トップ目の石井からアシストを期待できる
小林剛 メンゼンで行っても南期待の手で打点も大差ない
対局を見た方はご存じのように、この局は4者に手が入った。
魚谷 六六(123)23南南中 ポン東東東
愛内 六七八(45)123799南發中 ドラ7
ここで愛内が南を切っていたら魚谷に1・4ソウテンパイが入るのだが魚谷の東ポンを見て役牌を全部抑える打9。ラス目でまだ親があるのに渋い、魚谷徹底マーク!
その後ダントツトップ目石井
石井 一二三六七456788北中中 4切り。
これを魚谷が
23六六(123)南南中 ポン東東東
ガムシャラにチーして「中」切りで「南」の片アガリテンパイ。
当然石井もこの中をポンして五八テンパイ。
その後愛内はピンズの両面を埋めポンカス「中」を切り
愛内 六七八(345)12379南發 ツモ8 ドラ7
ちょうど前巡に魚谷がツモ切った發を切ることができ「南」単騎のリーチ。見事魚谷に待ちを合わせるテンパイになった。
しかし、このリーチのおかげでトップ目石井が一発目で危険牌を引いて降りると、最後に
二階堂 四四四五七九(789)4599 ツモ八 打五リーチ。
五八で張ってた石井が降りたために成立した親リーチ、これに愛内が一発でつかまって二階堂が浮上した。
このもつれを起こしたのは3巡目の魚谷の東ポンだが、もしポンしていなければ南は二階堂の手に入り、局面は大きく違った。東ポンしなければこの局はどうなっていたのだろうか?ーー次回につづく
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