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ファイナルへの意気込み 雀王・鈴木たろう
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ファイナルへの意気込み 雀王・鈴木たろう

2014-12-03 11:10
    麻雀最強戦ファイナルまであと僅か。各対局者はどんな気持ちで今を過ごしているのか。麻雀最強戦レポーターの梶本琢程が選手への直接インタビューを試みた!


    梶本「最強戦ファイナルはもう4年連続になるんですね」

    鈴木「はい。1年目は開催前年度の雀王として出場して、2年目はその年の雀王として出場しました」

    梶本「つまり、前年度のタイトルホルダーが出場する麻雀最強戦2011の直後に雀王のタイトルを失ったが、2012はその年のタイトルホルダーが出場できるシステムとなり、雀王を獲り返してすぐに最強戦に出場。そこから雀王を3連覇したわけですね」

    鈴木「そうなんです。その空いている1回は(鈴木)達也が獲ったときでしたね」

    梶本「タイミングが良かったとはいえ4年連続は凄い。しかも15期は最強位を獲ってますしね」

    鈴木「そうですね」

    梶本「その雀王戦ですが、けっこう早めにリードして、そこからは相手3人に狙われる立場になったわけですが、

    鈴木「いつも狙われてて疲れましたね」

    梶本「ああいう時は狙い撃ちされるのを意識しながら打つわけですか? それともほとんど無視するのですか?」

    鈴木「常に狙われていると思って、それをすごく意識して打ってますよ」

    梶本「たとえば守るべき手でないのに、変に守ってしまうようなことはありませんか?」

    鈴木「あります。だから僕、山越しもあるからリーチの現物が切れないことも多いです。他家に怖そうなところはリーチの現物でも切らなかったです」

    梶本「でも、そう打つとアガリへのチャンスが凄く減るような気がしますが…」

    鈴木「あ、でも僕は基本的に前に出るので。攻める意思を見せることが、相手をやりづらくさせることだと思っています。だからオリるときも簡単にオリを他家に見せないように気をつけますね。攻めているように見せる打牌をしなきゃな、と。弱みはみせない。弱みを見せることが相手に付け入る隙を与えることになりますからね」

    梶本「なるほど」

    鈴木「どうしようもなくて、ベタオリしていることが分かっちゃうこともあるじゃないですか。そういうとき、他家同士の2軒リーチで、お互い、ツモしかアガらない、みたいな暗黙の了解があって。で、双方ともに出アガらず、そのまま流局とかもありました。ノーテン罰符だけ削られたりして。酷いですよね(笑)」

    梶本「たろうプロからの直撃かツモアガリしかないけど、直撃がそもそもないからですね」

    鈴木「そういうのがあるから、僕は前に出る姿勢を崩せないんですよ」

    梶本「そういう状況が最終日の前からずっと続いているわけですよね?」

    鈴木「展開とかも良かったんですよ。半荘の最初に僕が沈む展開が多くて。僕が沈めばそこから残り3人の争いが始まります。『さぁたろうが沈んだ。あとは自分がトップ獲るだけだ』みたいに思いますよね。(そうなるとたろうプロへのマークが緩くなるので)南場になってから追いついて、追い越しちゃう、みたいな展開が多かった。残り数局で僕が満貫2連発アガったりしてね。それで皆の心が折れたんじゃないでしょうか」



    梶本「それにしても、他のタイトル戦でもそうですが、たろうプロはとにかく勝負強いイメージがありますね」

    鈴木「実はそうでもないんですけどね。決勝戦に残ることはけっこう多いのですが」

    梶本「決勝戦での成績はそれほどではなく、いわゆる数字通り(の4分の1)ということですか?」

    鈴木「そうなんです」

    梶本「それは意外でしたね。では、その勝ち上がりの機会が多いという部分に関して、他の人よりどういう部分が優れていると考えておられますか?」

    鈴木「やはり『相手がどういうことを考えるか』を、僕は常に想像するところではないかと思います。色々な戦略の選択肢の中で、相手が選ぶ可能性が一番高いのはどれかを推理し、前もって考えるのは得意ですね。それに合わせて、味方になる共闘できる相手を探したり、相手をやりにくくさせる打ち方をしたりします。そういうところを、他の人はあまり考えていないんだな、と思います」

    梶本「たろうプロにしてみれば、手牌とか、アガリ形だけを考えて打っているいる人が多いな、という印象ですね」

    鈴木「はい。決定戦であったのが、相手の中盤過ぎの2軒リーチに僕の手が手詰まりしたんですけど、そのとき僕が地獄待ちになる牌が、たまたまですが止まったんですよ。地獄の牌が2種類あったんですが、それを2枚とも切らずに追っかけリーチのほうの後スジを通して凌いだ、ということがあって。で、何でその牌を止めたかというと、僕がオーラスでトップ目だったから、相手のリーチが僕からの直撃狙いの可能性があるからですね。だから、僕は直撃のために待ちそうな字牌は切らない。まだ、リーチ後の後スジのほうがマシだ、という思考なんですけど」

    梶本「相手の思惑とか注文にはハマらないぞ、という感じですね」

    鈴木「そうです。相手の意図が含まれそうな待ちには振らないぞ、ということです」

    梶本「でも、逆にそうしたことで振込みになるケースもありませんか?」

    鈴木「もちろん逆もあります。でも追っかけリーチとかは、2軒リーチのスジ待ちになっているとか、何かしら利点があるからかけている部分もあるわけじゃないですか。それを考えると切れない牌も絞り込めます。そういうのを意外と皆、考えていないなぁと思いますね」

    梶本「たろうプロの考えるようなことを実践している人はあまり多くないでしょうね」

    鈴木「まあでも一番考えるのは、相手が『ここはアガりたい』とか『打ちたくない』みたいなことです。トップ目に立ったらみんなリスクを追わないじゃないですか。だから、自分はリスクを負わせにいくんです。『こういう仕掛けをしたら、こいつは打ちにくいだろうな』みたいなことを考えて仕掛ける、とかね。それは嘘の仕掛けでもいい」

    梶本「たろうプロの仕掛けは虚実入り混じってますもんね」

    鈴木「ぼくは麻雀はそういうゲームだと思っているんで。単純に自分の手だけ作るというのは淡白すぎる。それがベースなんだけど、さら精度を高めるために見せ方とかを工夫して戦うものと考えます」



    梶本「最強戦のC卓についてのお話を伺いますね。相手が瀬戸熊プロ、アマチュアの時岡さん、そして昨年対戦した岩井さんになるわけですが、瀬戸熊プロ以外はどういう麻雀かよく分からない感じだと思います。ただ、たろうプロの麻雀だと、相手の打ち方とか考え方を知った上で戦うほうがいいんじゃないですか?」

    鈴木「そうですね。もちろん情報があるほうが分かりやすいです。でも、分からない場合は『情報なし』として考えます」

    梶本「瀬戸熊プロとは過去何度も対戦してますか?」

    鈴木「そうですね。瀬戸熊プロは何回も打ってるんで戦いやすい相手かな~と思っていますが」

    梶本「ズバリ、優勝への自信度はどれぐらいでしょう? 単純計算なら16分の1ですが。ちなみに小林剛プロは16分の1.02という数字を挙げられました」

    鈴木「うーん、あまり良く分からないですね(笑)。ま、予選3分の1、決勝3分の1ってとこですかね」

    梶本「4分の1よりは可能性が高いわけですね」

    鈴木「ま、実際はどうなるか分かりませんが、可能性は高いと信じたいです」

    梶本「ちなみに決勝卓で打ちたいメンバーとかいらっしゃいます?」

    鈴木「まぁぼくはずんたん(村上淳プロ)とか剛くんとかと打ちたいですけどね。でも2人が同卓なんですよね?」
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    梶本「そうなんです。B卓で同卓します。ま、そのあたりと打ちたいということですね。それにしても、改めて4年連続ファイナルは凄いですね。今年勝って、また来年も雀王を獲って、みたいな感じもあるでしょうね。5年連続となったら本当にレジェンドと言えるでしょうね。本番も楽しみにしてます」

    鈴木「はい、ありがとうございます!」

    最強戦ファイナルまであと10日!

    ちなみに実際のインタビュー音声はこちら!


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