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2015年4月から最強戦CHで配信されている「近代麻雀プレミアリーグ」の各節レポート


第八節A卓。
対局者は、じゃい(+63.9)・小林(+245.2)・瀬戸熊(-108.9)・魚谷(-37.8)の4名。
いよいよラスト一節。

じゃいはラスでもプラスは維持できそうなポジション。少なくともトータルポイントで魚谷を上回っていれば決勝進出が確定する。だが、そのじゃいがコテンパンにされてしまった。
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まず、先行したのが魚谷である。
東4局 東家・魚谷
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瀬戸熊の先行pai_s_5m.jpg単騎リーチを追っかけてのツモアガリ。魚谷はまず石橋のポイントを上回る(1.1p差)ことが先決だが、トータル4位だとB卓選手の的にされるので、できるだけ大きなトップが必要だ。もし、じゃいをまくればその時点で3位にアップし決勝進出が確定する。この親満をアガったところで、それが現実味を帯びてきたのである。

南1局3本場、南2局と小林が立て続けにアガり、これでじゃいが単独ラス目に。
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さらに小林はアガリを重ねる。

南2局1本場、東家・小林が456の三色で先制リーチをかける。
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捨て牌の感じもなかなかよい。前に出てきた打ち手がpai_s_5s.jpgで飛び込んでもなんら不思議ではない。意外かもしれないが、小林は自らの捨て牌が相手に与える印象をかなり気にする打ち手である。捨て牌が良くて出が期待できる場合は、一見強引に映るリーチをかけることも少なくない。

リーチ後、pai_s_2s.jpgが通ったこともあり、じゃいがpai_s_5s.jpgで放銃。
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これでじゃいはハコテンとなりラスが濃厚となる。

魚谷にとってこれは歓迎すべきだが、一方で小林がトップでは意味がない。何とか盛り返さないととチャンスを伺っていた。実は一番この状況を臨んでいたのは瀬戸熊である。
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瀬戸熊は魚谷・石橋を上回れば決勝進出の芽が出てくる。魚谷が3着以下で、自分がトップならその条件を満たす可能性が高まるのだ。

南3局、親の瀬戸熊が先制リーチ。
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納得のテンパイ形とは言い難いが、兎にも角にも子の足を止めなければならない。が、まさか出るとは思えないこの待ちが何とじゃいから出た。
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西家・じゃいの手牌
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さすがにこの放銃には驚いた。メンホンチートイツが見えているとはいえまだ2シャンテン。安全牌にはpai_s_8s.jpgpai_s_9s.jpgがあるので、手が詰まったわけでもない。瀬戸熊の捨て牌にも関連牌はなく、pai_s_5p.jpgも出ていないので後スジを追ったのでもない。いくら攻め屋のじゃいでもこれは変だ。もしかしたら、相手に一方的にやられる展開に焦れてしまったのかもしれない。が、瀬戸熊が裏ドラをめくると表示牌にはpai_s_3s.jpgが寝ており、親満のアガリとなってしまったのだ。

瀬戸熊はここからさらに親満をツモアガリ(リーチ一発ツモドラ2)。
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これでトップ争いが三つ巴の様相となる。

次局は魚谷がリーチをかけるも、小林がかわしてアガリを決める。これで小林トップ、瀬戸熊2着、魚谷3着の並びでオーラスを迎えた。トップでなければ敗退濃厚となる魚谷。
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この手ならどこからアガってもトップになれる。特に瀬戸熊は引けない立場。あとはメクリあいである。この手に捕まったのがじゃいである。

南4局・南家 じゃい
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テンパイしたところで余ったpai_s_2m.jpgが魚谷に御用となる。これで魚谷がトップでアガリ止めで終了。じゃいとのトップラスを決めたことにより、魚谷の決勝進出が確定した。
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苦しい予選を勝ち抜いた魚谷。インタビューでは恒例の嬉し涙が出ていた。

第八節A卓 結果
魚谷+61.7 小林+19.2 瀬戸熊-4.5 小林-76.4

この結果、じゃいがボーダーライン上に後退。B卓の打ち手はこのポイントをみて打てるというアドバンテージがある。果たしてじゃいの運命やいかに!?



第八節B卓。
対局者は、藤田(-187.1)・石橋(-36.7)・達也(+141.6)・寿人(-79.8)の4名。

いよいよ予選最終戦。見どころは、石橋・寿人がじゃい(-12.5p)を上回れるかどうかにかかっている。単純にトップでよい石橋、47400点のトップが必要な寿人。ただ、いずれかの条件は達成されそうな雰囲気はある。

東2局、石橋が独特のバランスを見せた打ち方が立て続けにみられた。
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まず寿人のドラpai_s_7p.jpg切りリーチに対しての対応である。石橋はトップを取れば良いだけなので、親にはさほど固執する必要がない。したがって、寿人のリーチにたいしても無スジを何発も押すような行きかたをすれば、最悪自滅ということになりかねない。

が、流局寸前の石橋の対応が興味深い。

東2局 東家・石橋
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ツモをあと1回残しての局面で、上家の藤田からチーテンの取れるpai_s_7p.jpgが出る。だが、pai_s_3p.jpgpai_s_2s.jpgも通っていない。結局、石橋はこのpai_s_7p.jpgを見送った。ここで鳴いてテンパイを取るメリットと、捨てる牌の危険度や放銃したときのデメリットを考え、「鳴かない」という結論に達したのだ。

だが、次のツモでpai_s_5p.jpgを引くとすっとpai_s_2s.jpgを勝負し、テンパイを入れた。

東2局 東家・石橋
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このあたりのバランス感覚が面白いところ。実は藤田のpai_s_7p.jpgをチーすると、西家の寿人にハイテイが回ってしまう。チーテンには放銃だけでなく、寿人にもう1チャンスを与えるデメリットがあったのだ。それがないなら、テンパイを取る価値もある。そう判断した石橋はpai_s_2s.jpgを勝負して連荘に賭けたのだろう。

そして次局。親の石橋は役牌pai_s_hatsu.jpgがトイツの手。
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実はこのpai_s_1m.jpgをツモる前にpai_s_hatsu.jpgが出ているが、石橋はこれを見送っている。親ならこれを鳴く人も多いのではないか? そしてこの手牌からの一打。ホンイツも狙えるところで悩ましい手牌である。

石橋の選択は打pai_s_8p.jpg。ドラの重なりをみつつ、時にはpai_s_hatsu.jpgの二鳴きから軽くアガるか、あるいはホンイツをつけにいくか。色々な変化がありそうな手格好に構えたのである。

そして2枚目のpai_s_hatsu.jpg。今度はポンする石橋。
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捨てたのはpai_s_6p.jpg。つまりリャンメンターツを崩し、マンズかドラの重なりに絞ったのだ。1500点の仕掛けはしないという意思が汲み取れる。こういう打ちスジはできそうで、配信のある対局ではなかなかできないものだ。後は、他からのリーチがかからないことを祈るのみだった…。

が、この男のリーチがやってきた。
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東2局1本場 西家・寿人
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石橋はドラのpai_s_9p.jpgを直前に処理。が、寿人のリーチを受け、一発でpai_s_9p.jpgを持ってきてしまったのだ。
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対門が寿人の捨て牌だが、pai_s_8p.jpg捨ての後でpai_s_7p.jpg切りでリーチをかけている。pai_s_7p.jpgpai_s_7p.jpgpai_s_8p.jpgpai_s_8p.jpgからpai_s_8p.jpgを捨てpai_s_7p.jpgを捨てた、つまりpai_s_9p.jpgが入り目か今の待ちでることが十分に想定できる。この危険牌を押すのがどうかが注目された。

石橋はここで打pai_s_1m.jpgを選択。さすがにこのデンジャラスな牌は押せまいと思った人は少なくない。だが、次の巡目で石橋はpai_s_3m.jpgをツモ。

東2局1本場 東家・石橋
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何と一転ここで石橋はpai_s_9p.jpgを勝負。寿人へ3900へ献上してしまった(裏ドラはなし)。
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どうして石橋はいったん止めたpai_s_9p.jpgを捨てたのだろう?

石橋「当然親は維持したいし、ホンイツで一歩進んだこともありますが、一発が消えたぶん放銃してもダメージが小さくなったからです」

この独自のバランス感覚が石橋を支えている。石橋は次局、寿人とのリーチ合戦に競り勝ち、トップ目に立つことに成功。だが、ここから藤田が黙っていなかった。
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東4局、達也からハネ満をゲット。
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さらに親番で4本場まで連荘を重ね、持ち点を5万点弱まで上乗せしたのである。

ラス前は寿人がハネツモを決め、2番手に浮上。ラス親で連荘すれば、逆転での決勝進出がみえてくる。

オーラス、寿人は逆転手でリーチをかける。
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ツモってもよし。また、藤田がアガリトップのテンパイを入れているため、デバサイ(出場所最高)もありうる。が、ここは藤田がアガリをきめ、寿人は奇跡の決勝進出を果たすことはできなかった。

南4局 南家・藤田
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最強位として、最後の最後で藤田が意地のトップ。これにより、じゃいが決勝進出の切符を掴んだ。

第八節B卓 結果
藤田+74.5 寿人+5.4 石橋-17.4 達也-62.5

予選八節を終えてスコアは以下の通り。上位4名が決勝へ駒を進めた。
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いよいよ決勝2戦が始まる。果たして近代麻雀プレミアリーグ前期の覇者となり、麻雀最強戦2015ファイナルへ進むのは一体誰か? お楽しみに!!