
2015年4月から最強戦CHで配信されている「近代麻雀プレミアリーグ」の各節レポート
決勝卓1回戦。
対局者は、達也・小林・魚谷・じゃいの4名。

いよいよ2戦勝負の決勝戦。2戦勝負の場合、初戦を制することが非常に重要。したがって最初に誰が飛び出すかが注目された。
独走を許さない展開
東1局。最初に飛び出したのは「特急・コバ号」である。

南家・小林が2巡目リーチ。

もちろん簡単に出る牌でもない。が、達也の手がチャンス手のイーシャンテンに育っていた。
東1局 東家・達也














2戦勝負ならとにかく積極的に前に出るのが常道である。それを経験的に身に着けている達也はこの

東2局。
もしかしたら、この局で決まってしまうのでは? と思った視聴者も多かったに違いない。
それは親の小林の配牌が開かれたときである。


何とドラの

東2局 東家・小林















リャンメンターツが2つになったところで





この小林のリーチを決められれば、優勝するのはかなり難しくなる。それは誰も分かっているが、自分の手がなかなか追いつかない。さらに自分が飛び込めば、自分の優勝の可能性が一気に下がってしまう。状況的には崖っぷちながらも、なかなな前に出られないのはそういう事情があるからだ。
だが、この男が小林のリーチに立ちはだかった。


達也はイーシャンテンから無スジの





東4局。
達也が小林の独走を許さず、強引に土俵に引き戻した東2局以降、お互いが牽制しあう展開が続いた。皆、自分が抜け出したい気持ちを押さえ、相手を楽にさせない戦いを演じている。この局、最初にテンパイが入ったのは達也だ。

メンホンチートイツ

そこへじゃいが絶好の牌を引き、4門待ちでリーチ。

が、リーチ一発で引いたのは達也の待つ

じゃい「何でこの待ちが負けるんだ」という理不尽な思いに駆られていたかもしれない。このアガリで達也は2着目に浮上。東パツの負債を東場のうちに取り返し、トップ争いに戻ってきた。
局面が動いたのは南1局1本場。
魚谷が6巡目にテンパイを入れる。

魚谷はここで少考。


現在2番手である親の達也。

その達也の手牌がイーシャンテンとなる。

イーシャンテンを維持するなら、魚谷に通っていない牌を捨てなくてはならない。ど真っ直ぐなら



南2局。
ここまでずっと小林に役牌トイツが入らない。

普段から「好きな役とかはない」という小林だが、小林のバランス感覚や押し引きに一番マッチしているのが役牌のトイツがある形だと思う。この半荘ではなかなかそんな手が入っていない。
さて、この局先手を取ったのはじゃいである。


三色の手変わりを待っていたが、ドラ1枚あるピンフでいつまでも待ってはいられない。最初のテンパイから3巡だけ待ち



じゃいのリーチがかかる前、苦しい形から

が、ここでついに

南2局 西家・じゃい
















小林「1巡前に手詰まりしても




南3局
6巡目、親の魚谷がチャンス手。

ドラ暗刻の手をサクサクとまとめてテンパイ。即リーチをかける。

待ちの


この

だが、ラス前にはじゃいがリーヅモドラ2の満貫を決め、トップまであと一歩に迫る。

南3局4本場
















またオーラスでは、達也の執念のツモアガリが出た。

達也はこれをアガってもラスのままだったが、実はツモって裏ドラが1枚乗れば3着に浮上するという状況だった。そのため、ツモという手役は欠かせない。そのため、何と親のじゃいがロン牌

自分のやれることは何でもする。達也の維持と執念を見せた一局だったと思う。もちろんトップの魚谷が優勝に最も近い位置にいるのは間違いないが、この3人を相手にしている以上、勝っても負けても非常に苦しい戦いを強いられるはずだ。
決勝戦1回戦 結果
魚谷+67.3 じゃい+4.4 小林-24.2 達也-47.5