標題=どこにでもあるものがすべてある街、渋谷
タイトル:消費のホストコンピュータ渋谷
「族」のいない若者帝国の首都
「族」のいない若者帝国の首都
掲載媒体=日経トレンディ89/8月号
発行会社=日経ホーム出版
担当=福沢
執筆日=89/05/24
渋谷は80年代若者帝国の首都である。肥大化し付加価値化をいやます東京は、行政・金融・生産の重心とはまったく別のところにもうひとつの重心を発生させてしまった。渋谷を、自由ケ丘・代官山・二子玉川・原宿・下北沢などの特色のある端末機をぶら下げたホストコンピュータと見立てると、私たちは、そこにネットワークされた巨大な消費の快楽空間をイメージすることができる。
渋谷以前の若者文化は、新宿を拠点として形成された中央線沿線の文化圏であった。それは新宿から高円寺・吉祥寺・国立を経て福生に至るまで直線的であった。新宿の街そのものも古くからメトロプロムナードという地下歩道が中心にあって、