ども、イケダミノロックです!
この原稿を書いている2020年2月29日現在、中国・武漢から広まってしまった新型ウイルスの影響で、日本国内が2011年の東日本大震災時のようにイベント自粛ムードとなっている。
「あの時みたいだなぁ……」
今後のゲーセン業界や「自分の会社がどうなっちゃうの!?」という漠然とした不安がじわじわと、あのとき同様、俺自身気分が暗く落ちていくのがわかる。
かつて2011年の震災時、社長として学んだことが2つある。
まずひとつめ。
・仕事の柱を増やしておくこと
2011年3月当時、数字が通常の半分以下となった売上伝票を見て絶望した。銀行融資支払い、従業員の給料支払い、家賃の支払い……どうやっても不可能な状況だ。ひとつひとつ待ってもらうように頭を下げ、そこから分割払いの交渉に走った。しかし、毎月いくら払えるかなんてわからないので、すべてハッタリで話をまとめ、辻褄が合うよう頑張ってきた結果、今のゲーセンミカドがある。しかし代わりに色々な物を失った……。お金も常になかったし、本当に震災後の数年間は辛かった。自分でもよくぞ心が折れなかったと思う。
こうならないために、企業とは常に事業の柱を何本か持っていないとダメだと身をもってわからされた。ゲーセンの売上以外の部分の収入確保はここ数年の命題であり、俺はそれを実現してきた。
次にふたつめ。
・人は娯楽がなければ生きてはいけないこと
震災時はイベント自粛ムードに加え、地震による電気利用自粛ムードが存在。ゲーセンなんてイベントと電気で商売をやっているようなものだ。自粛は我々にとって経済的大打撃で、借金を返さないといけないのに、電気利用の不謹慎警察組織に邪魔されるリスクと戦う必要があった。
我々エンタメ・サービス業の人間はお客さんを楽しませることを生業にしている。つまり自粛はゲーセンだけじゃなく、映画館もカラオケ屋もライブハウスも(※広い意味で言えば飲食業もある種エンタメ業といえる)すべてが経済的打撃を受けるのだ。
イベントもゲーセンのなかの大会だけじゃなく、コンサートやトークライブや格闘技など、規模はさまざまだが多岐にわたって存在する。もし出演する予定だったイベントが中止となれば出演者、音響や照明といった裏方、関わる人すべての収入がなくなるのだ。
当時の俺もいろんな葛藤があった……しかし結局は開き直ってゲーセンミカドのイベントを大幅に増やして実施する方向を選んだ。おまけに「HEAVY METAL RAIDEN」というバンドを組み音楽活動まで開始したのだった。
暗く落ちこんだときこそ我々が頑張らないと。自粛も理解できるが、我々の生活は保証されないし、がむしゃらに頑張ってきて今がある。そう、人は娯楽がなければ生きてはいけない。常に暗く落ち込んだ状態には耐えられない。震災時売上半分以下の状態を乗り越えたゲーセンミカドの存在自体がその証拠だと断言する。
エンタメ・サービス業を生業にしているみなさん。2020年、あと10ヶ月頑張ろう!
(終わり)