「自分と他人は違う」という認識をもつ
たとえば直接相手から自分への非難の言葉をあびたとき。落ち込んだり、反発心が湧き上がったり、誰でも強い思いがうまれます。その感情をぶつけてしまってもわかりあえる間柄ならいいけれど、そうでない場合がほとんどです。そこで参考にしたいのが、その道のプロの言葉。
『プロカウンセラーが教える 場面別 傾聴術レッスン』(ナツメ社)によると、そもそもだれかを非難するときというのは、「自分と他人は考えや感じ方が違う存在であるという認識」ができていないときだとか。
だからといって相手にも自分と他人の区別をするよう求めれば、火に油をそそぐことになりかねません。ですから聞き手である自分だけでも相手との区別を意識しながら、「この人は、こう思っているのだな」と冷静に話を聞きます。そうすれば相手の行動や感情に巻き込まれないですむはずです。
こうして心の中で距離をおいて話を聞くと、言われない非難であった場合は落ち着いて誤解だと伝えることもできるし、自分に非があるとわかった場合も、すんなり受け止めることができそう。
他者への非難は否定も肯定もしない
また近しい関係性であればあるほど、聞く機会が増えるのが誰かへの非難の言葉です。たとえば浮気者の彼がどれほどひどい男性なのかといった話を聞かされ、同情してつい「本当に悪い男性ね。」なんて同意すると、自分が直接関係ない人を非難したことになってしまいます。とはいえ逆にその男性を擁護すると、話し手はまるで自分が責められたように感じてしまいます。
つまり否定も肯定もあまり良いコミュニケーションとはならないようです。そこでこんなときの対応法として、本にはこう書かれていました。
話し手から他者への悪口を聴いたときは、悪口の正しさを判定するのではなく、話し手の怒りを受け止め、共感するようにしましょう。
(『プロカウンセラーが教える 場面別 傾聴術レッスン』P77より引用)
コミュニケーションは裁判の場ではないので、正誤の判定は必要ないのですね。話し手がマイナスの感情を伝えてきたときは、「つらかったのね」「イヤだったのね」と相手の気持ちをくみ取る対応を心がけたいものです。
photo by Thinkstock/Getty Images
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