数ある工芸品販売店のなかでも、日本の職人と世界中のデザイナーとの出会いによって新しく生まれた商品を紹介している「わとな」。気になるのが「その商品を取り扱うかどうか」という選び方についてのこだわりです。そこでこの疑問を解決すべく、「わとな」の担当の方にお話を伺いました。
「『わとな』を運営するTCI研究所は、日本の伝統産業の職人・メーカーと、世界のデザイナーとのコラボレーション商品開発を支援しています。この開発プロジェクトでは主に、海外市場向けに、日本の技術を生かした製品を発表・販売することを目的としています。海外市場に合う商品と、国内市場に合う商品は、似ているようで、じつは全く異なるサイズ感や機能性を求められることが多々あります。『わとな』では、その企画を通して生まれた製品の中でも、日本市場でも好まれそうな製品を、厳選して取り扱っています。」
たしかにひとつひとつ商品を見てみると、職人による和の技術に洋のテイストがちりばめられていて、「今」の暮らしによく馴染み日常使いできるものばかりだと感じました。
匠の技がつまった魅力的なアイテムの数々たとえばちょっとしたお買い物やお出かけにも便利そうなのが、帆布トートバッグ「ougi」。バッグの裾を広げると2ヵ所の折りひだが開き、挿し色が映える美しいデザインになっています。京友禅から培ったという色の組み合わせが素敵で、パリ、ニューヨーク、フランス、イタリアとグローバルで高い評価を得ているというのにも納得してしまいました。
そして出産祝いとしても喜ばれそうなのが、空気をまとうような着心地が特徴だという、大東寝具の京和晒綿紗(きょうわざらしめんしゃ)のホームテキスタイル。大量の薬剤と熱処理に頼らない、昔ながらの方法で4日間もの時間をかけ丁寧に仕上げられた和ざらしです。不純物を一切含まず、乳幼児が口に含んでも安心だというのが魅力的。
そして日本初お目見えというのが、京都山科の丈夫窯(じょうぶがま)と、パリ・AC/AL Studioがコラボレーションしたフラワーベース。情熱が伝わる、目に鮮やかでビビッドな色彩が心地いい。1年にわたる試行錯誤の中から生まれたというこの品は、実物を眺める価値ありです。
実際に運行したねぶたを使った照明もインテリアの顔ともいえる照明も気になるところ。たとえば、なめらかな木肌と繊細な彫に思わず一目惚れしてしまった「こもれび」。これは友禅着物を刷り上げるために必要な友禅彫刻を木に施したものなのだとか。そのやわらかな明かりに癒されます。
また日本を代表するねぶた祭で実際に運行された"いたねぶた"をくり抜いて作られたという「KAKERA」も素敵。美しさと生命力を兼ね備えたひと品です。青森県から世界に向け、クールなデザインブランドとしての地位の確立を目指しているアートプロジェクト「ネブタスタイル」には、この「KAKERA」以外にも魅力的な商品が満載。
今回ピックアップした5点はすべて店頭にて販売可能! また公式通販サイトでは「こもれび」、「KAKERA」も現在出品中です。そして丈夫窯のフラワーベースも近日出品予定なのだとか。ただし「ougi」バッグ及び大東寝具の製品は、通販サイトでは取り扱いしないそうなのでご注意を。
職人やデザイナーの手がけた商品が集結した、「Watona(わとな)」。「日経スペシャル ガイアの夜明け」(テレビ東京)で紹介されたこともあるのだそう。短い開催期間中になんどでも足を運びたくなるショップです。
[わとな]
場所:東京都中央区日本橋室町1-5-5(日本橋コレド室町3 3F 室町+)
期間:~2017年3月20日(月) 10:00~21:00