争わない、というとちょっと逃げていたり自分を出せなかったりするイメージですが『自分は自分 人は人』(和田秀樹 著/新構社)によると争わない人は競争などしなくてもちゃんと結果を出せる人のことなのだとか。本書ではそのための11の「法則」とそれのに伴う80余りの技術や考え方が書かれています。
今回はその中でも3つをピックアップしてみました
人のダンゴにつかまらないマイペースを守れない人は自分の「やること」や「できること」よりも、他人の動きやことばに目を奪われてしまいます。
『自分は自分 人は人』P29より引用
どうしても人の目は気になってしまうもの。気にするがゆえについ人と歩幅を合わせるのに一生懸命になってしまっていると本来のやらねばいけないことがわからなくなってしまいます。やることやできることは、いつでもどの瞬間にもあります。それに気付き、着手することが大切なのだそう。他人ばかり気にする癖は本来の自分を見失う要因になってしまいます。たとえ時間がかかっても自分のできることを実行できるようにしていたいですね。
「こういうときはどうする? 」と迷わないために一対一の関係を大事にするだけでいいとわかれば、態度もふるまいも迷うことはありません。いま向き合っている人とていねいに接するだけでいいのです。
『自分は自分 人は人』P71より引用
礼儀というのはケースバイケースだからその時にいつもベストな対応ができる、というのは至難の業に感じます。どうしよう? と迷えば迷うほど相手の表情をうかがってしまい、うまく対応できないことも。そんな時に一対一の関係を大事にすることを思い出せば自分がとる行動にブレもなく後でああすればこうすれば、と考えることも減りそうです。
型にはめれば結果は出る「形より中身が大事」という考え方は、まず形をつくってから身につけても遅くはないと思います。
『自分は自分 人は人』P161より引用
形から入る、というとなんだか表面だけで中身がないような印象。でも形すら作ることができないことだって多くあるものです。たとえば仕事に行かなければいけない時に、遊びに行きたいからズル休み!とは行きませんよね。気持ちが重かろうがとりあえずでも仕事はこなしていきます。そこには休んだのでは得られない経験値が少なからず積み重なっています。そう思うとただ毎日を過ごしている、ということに罪悪感を持たずにすみそう。なんとなく、でもきちんとやるべきことをこなしていることを自分で認めてあげることが大事なのかもしれません。
人と自分をスパッと切り離して考えるのは案外難しい問題です。マイペースなことと自分勝手であることは違いますが自分の中の指針は自分で決めていたいもの。他人に振り回されずに毎日を過ごすことができると、こころと体のコンディションが整ってくるのだそう。生活に充実感を持つヒントはちょっとした心がけや工夫なのかもしれません。
[『自分は自分 人は人』]
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