うすきさんの肌の感じから、すっかり30代だと思い込んで取材を始めたら、なんと想像より10歳も上でいらして、まずびっくりしました。もちろんこの日もすっぴんでのご登場。ますますアドバイスへの期待が高まります。
はじめにお聞きしたのは、これまで当たり前のようにファンデーションで肌を覆って生活していた私たちが、いきなりすっぴん肌で生活しても大丈夫かという点。
「もちろん大丈夫です。むしろすっぴんで過ごして欲しいくらい! 肌は、生きるために必要な肌組織を自ら作っています。たとえば外敵が肌を攻撃すれば、敵から肌を守り機能を回復させる組織を生み出します。これらの組織を失わないようにさえすれば、すっぴんでいても大丈夫なんです。
悪者扱いされがちの皮脂も、本来は美肌づくりに欠かせないもの。皮脂はそのままでも、防水効果があります。内側からも外側からも水分蒸発を防ぎ、外からの水分も入れない。そんな役割を担っています」(うすきさん)
皮脂自体はけして悪者ではなく、皮脂を落としてしまい、乾燥やPH値を崩してしまうことが肌荒れにつながっているのだそう。
すっぴん肌になるためのスキンケア方法必要な肌組織を失わないようにするために、うすきさんが実践しているスキンケア方法を教えていただきました。
1. クレンジング剤や洗顔石鹸の使用をやめ、たっぷりのオイルを、外向きの円を描くように指でクルクルしながらメイクを馴染ませます。オイルは指がスルスル滑るくらいの量を使い、肌にシワが寄らない程度の圧で。
まだこの時点では、汚れは落ちていません。落ちていないのではないか、という不安からゴシゴシしてしまう方がいますが、あくまで馴染ませて浮かせるという段階を、丁寧におこなってください。いちばん大切なポイントとして、「使用する美容オイルは、洗浄剤が含まれていないものにしてください。クレンジング目的のオイルには洗浄剤が含まれていることが多く、これらの洗浄成分は、石鹸と同じ洗浄力があります」と、うすきさん。
2. ローションか蒸留水でじゅうぶんに濡らしたコットンでやさしく拭き取ります。コットン2枚を鼻の両脇に置き、顔の中心から外側に向けて拭き取り取るとスムーズに汚れを落とせます。きちんとオイルと汚れを馴染ませることがポイントです。
3. 最後に顔全体を手のひらでやさしく包み込むように触れてフィニッシュ。
これだけ? と驚くほどシンプル。いつもより乾燥を感じるなど、肌の変化を感じる時は、状態に合わせて保湿などをプラスします。
「実は、最後の"肌に触れる"というのがとても重要。毎日肌に触れ、その感覚を意識していると、状態が日によって違うことが分かります。今日はオイルの滑りが鈍いから乾燥気味かな? とか、ニキビが出来ているけれどどうしてかな? など、今の肌の健康度や変化を知ることができて初めて、プラスのスキンケアをする必要があるかどうか、判断できるのだと思います」(うすきさん)
うすきさんの話から、保湿クリームやバーム、オイルなどのプラスケアは肌の状態にあわせておこなえば良く、基本的には、クレンジングをしっかりし、あとは皮脂の自然な働きを生かすケアが良いのだとわかりました。
約1か月で皮脂が働く肌に戻るうすきさんのスキンケアメソッドは誰にでもすぐに始められますが、今日までメイク慣れした肌が翌日から急に素肌美人になるかというと、やはりそれには少し時間を要するそうです。
「これまで過度な洗顔などで皮脂を落としすぎている場合は、じゅうぶんな皮脂量が肌に定着するまで時間がかかります。私の経験や周りからの話では2週間から1か月くらいはかかっていると思います」(うすきさん)
1か月と聞いて一瞬長いと感じましたが、よく考えると10年以上メイクを続けてきた肌を1か月で皮脂がしっかり働いてくれる状態にできるのですから、やはり人の体はすごいなと思いました。
上記スキンケアは、理論的には不純物が少なく酸化していないオイルであれば市販のものでおこなえますが、うすきさんは、このスキンケアのためにご自身で開発された月桃を使ったスキンケアシリーズ「MOON PEACH」を愛用されています。ブランドサイトでは、さらに詳しいスキンケア手順も紹介されているので、興味がある方はご参考ください。
そして、私のすっぴんライフも今日から始まります!
お話を伺った方:うすき友美さん
MOON PEACH開発者、素肌美容家。1999年に月桃に出会い、独自にスキンケア製品研究を開始。2002年にスキンケアブランド「MOON PEACH」を誕生させる。カウンセリングや自然界を観ながら、独自の美容法を提案。現在に至る。