それは東京・上野の国立科学博物館にて2018年3月13日(火)~6月17日(日)まで開催される、特別展「人体 -神秘への挑戦-」。
「汝自身を知れ」という言葉もあるように、ギリシャ時代より人々は自分自身を知ろうとしてきました。特にルネサンス以降は、解剖学的理解が革命的に変化し、研究手法や対象の見方が変わっていったとか。そんな歴史を背景とした人々の努力、そして「脳や心臓などの器官についての理解がどのように深められてきたのか、目に見えない微細な構造や、体内の臓器を可視化してきた顕微鏡やX線装置などがどのように開発されてきたのか、またそれらの成果がどのように伝えられてきたのか」、それらを様々なアプローチで紹介してくれるのが本展です。
アンドレアス・ヴェサリウス『ファブリカ』2(ファクシミリ版)
たとえば展示では、レオナルド・ダ・ヴィンチの息をのむほど緻密な「解剖手稿」や、ヴェサリウスの芸術的で美しい「ファブリカ」をはじめとする、画期的な著作物や人体模型を見ることができます。
「キンストレーキ」(男性)金沢大学医学部記念館資料室所蔵
こうした先人たちの努力のおかげで、今このように人体をきちんと知ることができるのですね。
展覧会と連携したNHKスペシャルもこの展覧会に先立ち、NHKスペシャル「人体 神秘の巨大ネットワーク」(NHK総合テレビ)が放送されています。プロローグを含め全8回シリーズの番組となっており、第1集では「『腎臓』が寿命を決める」という衝撃的なサブタイトルもありました。さらに年明けの1/7(日) は第4集「アレルギーの鍵は『腸』にあり」が放送されます。「第2の脳」と呼ばれる腸と、現代病でもあるアレルギーとの関係性が紐解かれるのでしょうか、興味津々です。そこでNHK公式サイト「人体 神秘の巨大ネットワーク」を見てみると、公開されているさまざまな人体内部の画像にくぎ付けになりました。
精巣の精細管©甲賀大輔・旭川医科大学/NHK
このNHKスペシャルと連携し、展覧会では、比較解剖、個体発生・系統発生、機能解剖、生理学、分子生物学など、それぞれの分野の始まりから最新の知見までを実物資料や模型に加え、最新の4K映像も交えて紹介してくれます。
人類の「人体」に対する研究の最前線と近未来を展望できる、特別展「人体 -神秘への挑戦-」。これを観覧すれば、知的好奇心が満たされるだけでなく、先人たちへの感謝の思いや、自分の体を慈しむ気持ちもより深まりそうです。
特別展「人体 -神秘への挑戦-」
会 期:2018年3月13日(火)~6月17日(日)
休館日:毎週月曜日(ただし、3/26(月)、4/2(月)、4/30(月)、6/11(月)は開館)
会場:国立科学博物館(東京・上野)
主催:国立科学博物館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社
お問い合わせ: 03-5777-8600(ハローダイヤル)
NHKスペシャル「人体 神秘の巨大ネットワーク」(NHK総合テレビ)
以下の放送日時にて放送予定です。
※ただし、放送予定および各回のサブタイトルは変更になる場合があります。
12/3(日) 21:00 【第3集】発見!『骨』が若さを呼び覚ます
2018/1/7(日) 21:15【第4集】アレルギーの鍵は『腸』にあり
2/4(日) 21:00 【第5集】徹底解剖!ひらめく『脳』の秘密
3/18(日) 21:00 【第6集】生命誕生・あなたを生んだミクロの会話
3/25(日) 21:00 【第7集】人体は謎に満ちている
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