寒さが身にしみる季節、1年のうちでも暗く凍えそうなこの時期はいっそう家にこもりがちに。家の中には、料理のにおいや、湿ったブーツのにおい、かなり長時間室内で過ごしている人たちのにおいなど、冬ならではのにおいが充満しているのではないしょうか?

香りつきキャンドルや、匂いがきつくフタル酸類(生殖ホルモンに干渉するうえ、小児肥満を促進する可能性が指摘されている人工香料の成分)で部屋の空気を汚す「エアーフレッシュナー」をひっぱりだすのはやめて、向かう先はキッチンです!

ここで紹介する4つのナチュラル・エアーフレッシュナーは、オーガニックにできるうえ、作るのにほとんど時間もかかりません。

1.陶器のオイルランプ

ボトルや保存瓶の金属製ねじぶた(直径2.5~5センチ)

大きめのクギとハンマー

ロウソクかランプ用の細かく編まれた糸芯、長さ7.5~15センチ

陶器のボウル(深さ5センチくらい)

オーガニックの植物油

1. ねじぶたの中心にクギを打ち込み(いらない木のブロックの上で行うとやりやすい)、糸芯にぴったりの大きさの穴を開けます。ランプ用の芯は購入してもいいし、家にあるものを再利用して作ることもできます。

2. できた穴に糸芯を通し、ふたの外側から片方のはしを0.5ミリ分ほど出しておきます。

3. 陶製のボウルに油を深さ2.5センチほど注ぎ、糸芯がだらりと垂れ下がっている状態のまま、ふたを小さな船のように油に浮かべます。数分経って芯がいくらか油を吸収したら、火を点けても大丈夫。炎が高くあがりすぎるようなら、いったん火を吹き消して、切れのよいハサミで上に出ている芯を短くカットします。炎があまり明るくならない場合は、火を吹き消してから芯をもう少し引っぱりだしてみてください。

冷たい状態の植物油は簡単に燃えないし、火のついたマッチや芯を油のなかに落としてしまっても油で火が消えてしまうので、植物油のオイルランプは比較的安全です。オリーブオイルならきれいに燃える上に、マイルドな芳香を加えます。

より強いナチュラルな香りを求めるなら、ランプに油を入れる際にお気に入りのエッセンシャルオイルを数滴加えるといいでしょう。あらかじめドライハーブやスパイスをランプオイルに浸出させても可。ドライハーブやスパイスを入れた油を30分ほどとろ火で煮出してからよく冷まし、ランプに注ぐ前に濾してください。

古くなってリサイクルしたいコットンTシャツやキッチンにある綿のタコ糸のあまりで、オイルランプやキャンドル用の自家製の芯を作ることができます。綿はそのままだとパチパチとはやく燃えすぎて、かなり急速に火が消えてしまうので、最初に処理をする必要があります。その方法は:

1. 水カップ1を沸騰させ、食塩大さじ1とホウ砂大さじ2を溶かす

2. できた溶液に、好みの長さの綿100%のタコ糸(一巻すべて使ってもよい)や、細長く切った綿100%の布(フランネルなら幅2.5センチ、薄いシーツなら幅5センチに切る)を浸してじゅうぶんしみ込ませたあと、干して乾燥させる。

3. いったん乾いたら、ランプの芯として使用可能となります。

2.ストーブトップポプリ(シマリングポプリ)

かび臭い空気にもっとも簡単にすばやく効果を発揮するのが、キッチンの棚にあるハーブやスパイス、お茶や香料。古くなって風味を失ったスパイスや、オレンジの皮のように捨ててしまうものを再利用することができます。

キッチンの棚にあるものでできるおすすめのブレンドは次の通り。もちろん手元にあるものを使って、好きな香りを自由に試してみてもOKです。

スウィートな秋の香り

折れたシナモンスティック2.5センチほど、あるいはシナモンの粉 小さじ1

バニラ・エクストラクト 小さじ1

ホールあるいは粉のクローヴ 小さじ1

ホールあるいは粉のオールスパイス 小さじ1

シトラスとスパイスの香り

レモンとオレンジの皮 各一個分

砕いたベイリーフ 1枚分

すりおろしたショウガまたはジンジャーパウダー 小さじ1

アップルシナモンの香り

パサパサ、あるいはしわしわになって誰も食べないリンゴを刻んだもの

シナモンの粉 小さじ1

ドライミント、ローズマリー、タイム、セージ(セージはなくてもよい) 1/4カップ

1. 鍋に少なくとも2カップの水と好みの香りの材料を入れ、いったん沸騰させてから最弱火にし、香りの湯気をゆっくりと長い時間放出させます(こげつかないように、必要に応じて水を足しましょう)。あるいは、小さいスロークッカーや火のついたロウソクで温めるフォンデュ用の鍋に熱い液体を移してもよいでしょう。

2. 出かける際や寝る時になってもポプリの香りがまだ残っているようなら、フタ付きの容器に入れておけば冷蔵庫で最大2週間まで保存できます。再び煮出せば、また香りを放ちます。

3. 香りがすべて飛んでしまったら、残りかすはコンポストに入れてしまいましょう。

いい匂いのバラのつぼみや花びら、ラベンダーの花、香りの高い針葉樹の葉(生の葉でもOK)など、芳香性の天然素材を購入し(庭で育てたものを乾燥させても可)、煮立てる鍋に入れてみてもよいでしょう。天然純度100%のエッセンシャルオイルを購入して数滴ほど鍋にたらしてもかまいませんが、私はエッセンシャルオイル(特にデリケートなもの)に関しては、熱にさらさずにディフューザーで使用するほうが好きです。

3.エッセンシャルオイル・ディフューザー

ディフューザーを作るのはじつに簡単で、市販されている合成香料のタイプと違って電気も必要としません。ここでは3通りの作りかたを紹介します。

布のディフューザー

純度100%のエッセンシャルオイルを3〜4滴ほど布のきれはしに垂らしておけば、ゆっくりと室内に蒸発していきます。香りを早く拡散させたいなら、小さな扇風機かエアコンの排気口の前に布をおくとよいでしょう。香りが薄まってきたら、オイルを追加します。

陶器のディフューザー

素焼きの陶器、テラコッタ、あるいは砂岩のような多孔質の石は、エッセンシャルオイルを吸収し、布よりもゆっくりと香りを放ちます。コルク栓のついた素焼きのボトルを買ってもよいでしょう。これは中にオイルを少々入れておくと、香りがゆっくりと容器を通り抜けて空気中に逃げていくようにデザインされています。

でも正直にいうと、小さくて清潔な素焼きの花瓶を使っても同じことができるのです。素焼きの花瓶が家になければ、ガーデニングショップやクラフトショップで安い値段で売っています。瓶の中に数滴のオイルを垂らし、オイルが染み込むまで待ってから、上下をひっくり返して平らな場所に置いておきます。

リードディフューザー

リードディフューザーなら数日間オイルを追加しなくても大丈夫。小さな花瓶か安定感のあるボトルにラタンのリード(クラフトショップやネットでとても安価で購入できます)を1束用意して、自分だけのディフューザーを作ってみましょう。ラタンのリードの内部には長い空洞がたくさん通っていて、これがカギとなります。

使い捨ての割り箸でもまあまあうまくいきますが、これは割り箸に使われているのがやわらかい有孔材だからで、一般的な木の棒はオイルを吸い上げないため利用できません。

リードの長さの半分以下の高さの、首の細い花瓶やかわいいボトルに、スウィートアーモンドのようなかなり軽めのナチュラルオイルを深さ2.5〜5センチほど注ぎます(濃いオイルだとリードがベタベタになります)。そこに半量のエッセンシャルオイル(一種類でもブレンドしても可)を加え、ゆっくりと混ぜあわせます。リードの束を瓶に差して先端をぬらし、いったん取り出して上下を逆にしてからボトルに挿します。

約1週間に1度、リードの上下を入れ替えてください。リードはベトベトして交換が必要になるまで(数週間あるいは数か月もつ場合も)あるいはオイルがなくなるまで使い続けることができます。不要になったリードは、小さく折って、お好みでストーブトップポプリに利用してもよいでしょう。

4.リサイクル・キャンドル

もう少し手間がかかりますが、使い古して短くなった太い円柱形キャンドルや、ロウソクの燃え残り、ちびたワックスクレヨンなどは、すべて新しいキャンドルに作り変えることができます。鉱物油系のロウソクは空気中にすすやそのほかの汚染物質を放出するので、人工香料不使用の蜜蝋やソイキャンドルの残りを使うとよいでしょう。

使い残りのキャンドル、ソイワックスのクレヨン(混ぜて使ってもOK)

空になった飲料用の紙パックまたは紙缶 型として使うので冷凍ジュースの紙缶が最適

ロウソク用の糸芯 型の高さの倍の長さ

湯煎用の二重なべまたは金属の容器

大きめの鍋と、その中にぴったりはまるラック

鉛筆か棒

マスキングテープ

天然のエッセンシャルオイル(お好みで)

1. 使用する紙パックをきれいにし、使い残りのキャンドルから芯の焦げた部分をとりのぞきます

2. 湯煎用の二重なべを使用する場合は、大きめの鍋に水をはり、二重なべを上にセットします。金属の容器を使う場合は、鍋の中にラックを置きます。あるいは鍋底にあうようにカットした割り箸を置いてもよいのですが、いずれにしても金属の容器が鍋の底に直にふれないようにしてください。

鍋に2.5センチの深さほど水を注いでから金属の容器を鍋にセットすると、容器のまわりに水があがってくるので、高さに注意しながら鍋のふちぎりぎりまで水を入れます

3. キャンドルの材料を二重なべか金属の容器に入れ、鍋を中火にかけて、ゆっくりとロウを溶かしていきます。溶けたロウは燃えやすいので、ほとんど溶けたらすぐに火を消してください。

4. ロウを溶かしている間に型を用意します。必要に応じて、紙の容器を作りたいキャンドルのサイズにカットしてください。

5. 紙缶か紙パックの底に穴をあけ、糸芯をその穴に通します。底の外側に出ている芯に結び目を作り、結び目が底にピッタリとつくように芯をひっぱります。ロウがもれるのを防ぐため、結び目を覆うようにマスキングテープを使って穴をふさいでください。

6. もう片方の先端がロウの中に落ちないように、鉛筆か棒を型のふちに橋渡しして芯のはしを結びつけます。熱に強い場所に汚れ防止の新聞紙を何枚か敷き、その上に型を設置します。

7. ロウが溶けたら、注意深く容器を持ち上げて鍋から取り出し、新聞紙の上に置きます温度計でロウが60℃になるまで冷ましてから(ロウは固まってしまえば、あとで簡単に温度計からはがせます)、好みのエッセンシャルオイルを加えて混ぜあわせます。オイルはおよそ28gあたり数滴ずつをゆっくりと加え、加えるたびに十分混ざるようによくかきまぜます。

8. これでようやく型に流しこむ準備が整いました。ロウを注ぐ際、芯ができるだけ中央にくるようにしましょう。流しこんだら、そのまま動かさないようにしてロウを冷まします。すっかり冷めて固まったら、型の底の結び目を切りとり(型の外側にある結び目です)、キャンドルの上から6ミリほどの位置で芯をカットします。最後に型をはぎ取ったらできあがりです!

スイスチーズのような変わったキャンドルを作るなら、ロウを流しこむ前に型にクラッシュアイスを詰めておきます。熱いロウが氷を溶かして、面白いデザインのキャンドルができますよ!

Jean Nick/How To Make All-Natural Air Fresheners For Your Home

訳/Maya A. Kishida

RSS情報:https://www.mylohas.net/2018/01/naturalairfresheners.html