背中の痛みは本当によくあります。8割の人が一度は経験していて、たいていは心配するほどのことではありません。ほとんどの場合、靭帯の捻挫や筋肉の緊張、あるいは椎間板ヘルニアが原因で、自然によくなる見込みが高い」とニューヨークのコロンビア大学医療センターでリハビリテーション・再生医学の臨床助教授を務めるアレン・チェンさん。

医師の診察を受けるべき赤信号の症状とは?

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最近はじまった痛みであれば、医師の診察を受けたり、薬を飲んだりする必要さえないかもしれません。アメリカ内科医師会(ACP)の最新のガイドラインによると、マッサージや運動、ヨガなどの身体を傷つけない治療法でうまくゆく場合が多いそう。

とはいえ、背中の痛みが、身体のどこかがひどくおかしいというサインで、すぐに助けを求める方がよい場合も。次に、医師の診察を受ける(あるいはもしかすると救急外来に駆け込む)べき赤信号の症状をご紹介します

1. 膀胱や腸がコントロール不能

馬尾(ばび)症候群」かもしれません。3万3000人に1人というまれな病気ですが、腰椎の神経根(腰から延びる神経の根元)が圧迫されて、すべての感覚と動きが妨げられます。「24年のキャリアのなかで、背中の痛みがあってこの病気だった患者はふたりだけでしたが、どちらもその日のうちに手術が必要でした」と、デトロイトで診療所を開いている理学療法士のマット・リキンズさん。すぐに手術しないと、麻痺、膀胱や腸の完全なコントロール喪失、性機能不全につながる恐れがあります。

2. 夜間に起こる

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「背中が痛くても、寝ている間は姿勢を変えれば痛みを軽くできる場合がほとんど。でも、快適な姿勢が見つからない場合、あるいは寝ようとすると痛みが起こる場合は、医師の診察を受ける必要があります。脊椎腫瘍のサインかもしれません」とニューヨーク州ホワイト・プレインズのカイロプラクター、ロバート・シルバーマンさん(ホリスティック医学の本『インサイド・アウト・ヘルス(Inside-Out Health)』の著者)。もうひとつの(同じくらい怖い)可能性は、脊椎の感染症。いずれにしても、すぐに医療処置が必要です。

3. 痛む部分を特定しにくい

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アメリカ心臓協会(AHA)によると、特定の筋肉や関節に結びついていなさそうな背中の痛みのなかでも、とくに胸からはじまって広がった場合、心臓発作のサインかもしれません。突然のひどい背中の痛みは、すくなくとも医師に診てもらう価値はあります。あごの痛み、吐き気、耐え難い疲労感、または息切れを伴う場合は、救急外来(ER)に直行すべき。

4. 朝のこわばりが本当にひどい

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午前中に痛みや身体が動きづらくこわばる感じがあるくらいなら正常ですが、それが30分以上続き、動いていないと悪化するようであれば、人口のおよそ1.4%がかかる「強直性脊椎炎」のような炎症性の関節炎かもしれません、とチェンさん。この症状を治療しないでおくと、脊椎が実際にくっついて動けなくなってしまいます。強直性脊椎炎は心臓病や脳卒中のリスクも高めますから、本当に無視できません。一般的な治療法は、市販または処方のNSAID(非ステロイド性抗炎症薬)、そして炎症を抑える生物学的製剤(インフリキシマブやエタネルセプトのような)です。

5. 骨折のリスクがもともと高まっている

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最近事故に遭った、経口ステロイド薬(骨を弱くします)を服用している、あるいは骨減少症か骨粗しょう症と診断されている場合、背中の痛みは医師に診てもらうべきサインです」とチェンさん。脊椎骨折を起こしている可能性があり、身長の低下、猫背のほか、呼吸や消化の問題にさえつながります。治療法としては、背中を固定するバック・ブレース、鎮痛薬、理学療法ですが、きちんと治すには骨折部分の手術を必要とする場合も。

Hallie Levine/5 Signs Your Back Pain Might Signal A More Serious Problem

訳/STELLA MEDIX Ltd.

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