そこで今回は、日本に8人しかいないという「雑穀クリエイター」の持田怜美さんと、フランスの名門料理学校「ル・コルドン・ブルー」で学んだ、美養サラダ研究家の宮前真樹さんによるトークイベントから、雑穀の選び方やおいしい食べ方をピックアップ。雑穀と、質のよいオイルを合わせた、おいしいサラダのレシピもご紹介します。
新鮮な雑穀は「色」で選ぶ
ビタミン、ミネラル、食物繊維など、豊富な栄養素が含まれる雑穀。「雑穀」の定義は、はっきりとは決まっていないそうですが、日本雑穀協会では「主食以外に日本人が利用している穀物の総称」とされています。おなじみのゴマや蕎麦も雑穀の一種です。
「雑穀にはさまざまな種類があるため、自分の目的に合わせて選ぶことが大切。腸をきれいにしたいときは大麦や押し麦、もち麦を。アンチエイジングには、ポリフェノールたっぷりの黒千石(黒大豆)や黒米がおすすめです」(持田怜美さん)
雑穀には黄色や紫、緑、黒などさまざまな色があり、はっきりした色のものほど新鮮。お店で選ぶときは、色があせていないものを選ぶのがポイントだそう。最近は雑穀ブームのあと押しもあり、国産で質のいい雑穀が手に入りやすくなったので、ぜひお気に入りを探してほしいと持田さんは話します。
雑穀のおいしい炊き方は?
硬い雑穀をおいしく食べるためには、しっかり浸水させることが重要です。持田さんおすすめの浸水時間は90分。浸水時間が長くなっても水を吸いすぎることはないので、前の晩につけておいても大丈夫とのこと。
雑穀のおいしい炊き方
目の細かいざるに入れて優しく洗い、水切りをする。 炊飯釜に1と水を入れ、90分以上浸水させる。 自然塩をひとつまみ加え、白米モードで炊飯。 炊飯後すぐに全体をほぐし、釜から取り出す。炊きあがった雑穀は、保温状態で炊飯器に入れたまま保存しないようにしましょう。変色して風味が落ちてしまいます。保存する場合はタッパーに入れて冷蔵保存するか、小分けにして冷凍するのがおすすめです。
雑穀サラダで、キレイをつくる
この日のイベントでは、雑穀の新しい食べ方として、コールドプレスのオイルを使ったサラダが提案されました。レシピを監修したのは、美養サラダ研究家の宮前真樹さん。
「ドレッシングがわりにオメガ3が豊富なオイルを使うと、腸活にぴったりの雑穀サラダになります。腸のぜん動運動を助け、便秘改善をサポートしてくれるので、ぜひフラックスシードオイル、アルガンオイル、マカダミアナッツオイル、オリーブオイルなどを組み合わせて、毎日の食卓にとりいれてみてください。今回は持田怜美さん監修のオリジナル雑穀ブレンド「美穀」を使っています」(宮前真樹さん)
スパイシーチキンとケールのパワーサラダ
【材料】
フリルケール:2~3枚 紫キャベツ:30g アボカド:1/2個 プロセスチーズ:1個 ナッツ:3粒 美穀:70g スパイシーチキン:3切れ※スパイス:ガーリックパウダーと塩こしょう各少々、ヨーグルト大さじ3、カレー粉大さじ1、トマトケチャップ大さじ2、カイエンヌペッパー適量
※チキンは、シンプルなサラダチキンでも可
[ドレッシング]
チェントンツェオリーブオイル…100ml ラズベリー(冷凍可)…30g ビネガー(リンゴ酢または赤ワイン)大さじ2 はちみつ…大さじ1 塩こしょう…少々【作り方】
鶏胸肉は皮を取り除き、15分以上スパイスにつけてフライパンで焼く。 野菜類を食べやすい大きさに切り揃える(ケールは葉の部分のみ洗って利用)。ナッツはローストする。 ケールの葉が硬い場合は、マカダミアナッツオイルなど分量外のオイル小さじ1程度と塩で軽く揉んでおく。 食べやすいようにすべての食材を5㎜くらいに切って、チョップドサラダにする。 ドレッシングはすべての材料を攪拌して乳化させる(ミキサーがなくても小さな瓶に入れてよく振れば乳化できる)。このほかひじきのサラダや、細く切った油揚げと甘酢生姜、野菜を合わせた和風サラダに雑穀を加えても美味とのこと。黒米などの雑穀をオイルやお酢に混ぜると、ポリフェノールを感じさせる紫色がさらに鮮やかになり、見た目も美しくなります。すこし硬めに炊くと食感が際立ち、サラダのアクセントにぴったりです。
雑穀はごはんに混ぜて炊くだけでなく、そのままでサラダの素材になるというのはうれしい発見。味わいもクセがないので、いろいろなメニューに加えることができそうです。
宮前真樹さん(左)
美養料理研究家。食育インストラクター、フードアナリスト。SOGO西武 池袋千葉横浜で「ハニカムモード×beautyoilkitchen」を監修。近著に美養サラダとベジヌードルのレシピ本「サラダのくすり箱」がある。
持田怜美さん(右)
日本で8人しか認められていない、日本雑穀協会認定の雑穀クリエイター。「食べてカラダの中からキレイになれる!」をコンセプトに、雑穀料理講師や食育活動など幅広く活躍している。