風邪をひいたとき、どのくらい長く続くかは、ウイルスのご機嫌次第なのでしょうか?

「一般的な風邪は、上気道とも呼ばれる、喉と鼻のウイルス感染です。多くのウイルスが風邪をひかせますが、最も多いのはライノウイルスです」と、ノースウエスタン・メディシン・レイクフォレスト病院の家庭医、アディバ・ハーンさん。

鼻水、喉の痛み、咳、うっ血、軽い身体の痛みや頭痛、くしゃみ、微熱で、治るまでに大変消耗します。これらはだいたい害はないのですが、気分がよくなるのに2週間ほどかかる」とノースウエスタン・メディシン・レイクフォレスト病院の家庭医デボラ・S・クレメンツさん。

冷え込む時期を健康に過ごすために一番大切なことは何でしょう? 第一に風邪をひかないこと。実際、風邪を予防し、期間を縮めるたくさんの方法が。でもこれらは全シーズン使える方法なので、風邪を寄せつけず、より楽しくすごすことができるはず。

加湿器をスイッチオン

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湿度が低くて鼻腔が乾燥すると、副鼻腔に付着した細菌を駆除することが難しくなり、風邪を引きます。手だては、加湿器にお金をかけて、空気の乾燥を感じたら運転させること。

「粘膜を湿らせるのに役立つでしょう。鼻の粘膜が乾燥すると、体内に侵入した病原菌を捕獲しにくくなります」と、クリーブランドクリニックの家庭医、アンバー・ターリーさん。

ただし、暖かく湿った環境はカビを繁殖させてしまうので、加湿器は清潔にキープを。

(カビにアレルギーがあると、風邪のような症状が起きることも)

ビタミンDをたっぷり取る

研究によると、ビタミンDを十分に取らない人は、日光浴などにより体内で作られるビタミンを増やすだけの人よりも、咳、喉の痛み、鼻づまりなどの上気道の感染症に悩まされる可能性がとても高いそう。なぜならビタミンDは細胞の感染防御反応の活性化に関係があるから。「研究によると、1日に400IU(国際単位。生体に対する効力でその量を表す)のビタミンDを補給すれば、呼吸器感染症を予防することができます」(ハーンさん)

現在、アメリカ国立衛生研究所(NIH)は、ほとんどの成人に少なくとも1日600 IUの摂取を推奨していますが、それ以上を推奨する組織も。食事だけで十分なビタミンDを摂ることは難しいはず(サーモン、牛肉、卵黄、強化ミルク、オレンジジュース、チーズ、キノコなどで取れます)。不足していると感じたら、医師と相談しサプリメントを探します。

手を清潔にし、顔に触れないように

あなたは気づかないうちに顔をよく触っています。2008年の小規模な研究では、参加者は1時間に平均16回、顔を触っていたそう

風邪とインフルエンザの季節に、それはとてもまずいです。アメリカ疾病対策センター(CDC)によると、あなたがウイルスと触れ合うとき(他人もしくはウイルスの付いたものを通して)、手が清潔でなければ体内に侵入することが。

ウイルスは、握手などの皮膚接触でも広がっていきます」(クレメンツさん)

そこで、顔に触らないルールを守ります。「そうすることで手の病原体が上気道(鼻と口)に移ったり、風邪をひいたりするのを防げます」(ターリーさん)。

手を洗う際は正しい方法で。アメリカ疾病対策センターによると、石鹸を使い、最低20秒はこすります(爪の下や指の間も!)。手洗いが難しいときは、手の消毒剤を使います。

ケータイを消毒する

日中の間携帯を置いた場所を考えてみてください。キッチンカウンター、お手洗いの個室、レストランのテーブル……細菌のお祭りです。

事実、アリゾナ大学の2012年の研究では、携帯には、便座の10倍の細菌が付着していたそうです。

携帯の消毒には除菌ティッシュ。携帯の電源を落とし、(画面が濡れてしまわないように)余分な液を絞って拭き、それを柔らかい不織布で拭き取ります。消毒剤はウイルスを退治しますが、携帯に損傷を与える可能性もあるのでご注意。

リラックスの時間を作る

消耗やストレスは免疫力を弱くします」(ターリーさん)。極度のストレスや疲労を感じたときは、コルチゾールが分泌され、風邪と戦う力がそがれることに。

だからリラックスの時間を優先します。ヨガや瞑想、緑のある場所を散歩したり、仕事の後家族と夕食を作ったり。どれもが役立つはず。

たっぷりと眠る

よい眠りは風邪予防のカギ。アメリカの医学雑誌『JAMAインターナルメディシン』誌に掲載された研究によると、153人の健康な男女にライノウイルスを含む点鼻薬が与えられ、彼らの睡眠習慣が追跡されました。

それによると、通常の睡眠時間が1日7時間以下のグループは、8時間かそれ以上グループに比べ3倍風邪をひきやすいことがわかったのです。

亜鉛を取る

クレメンツさんによると、研究では亜鉛はウイルスの増殖を減らすとされています。また、アメリカ国立衛生研究所によると、風邪をひいた直後に亜鉛を取ると症状を軽く、短くできるそう。

「現時点で適当な投与量は不明ですが、研究によると1日75ミリグラム以上の投与で初めて効果が認められるようです」(クレメンツさん)。アメリカ国立衛生研究所はほとんどの成人が1日の必要量を取れているため、サプリメントよりは亜鉛の豊富な食品を取ることを推奨しています(医師が亜鉛を第一に勧めるのでなければ)。肉類、豆腐、カキ、レンズ豆はミネラル類が豊富です。

グラスに自分の目印をつける

「家族の誰かが風邪を引いているとき、使い捨てのコップか名前付きコップを使ってみます。これでウイルスが広がるのを防げるかもしれません」(カーンさん)

そして、電話、タオル、食器など病気の家族と物を共有するのは細心の注意を払います

プロバイオティクスでパワーアップ

すべての細菌が悪者ではありません。よい種類の細菌も腸にいるのです。ヨーグルト、ザワークラウト、コンブチャのようなプロバイオティックス(善玉菌)食品に含まれ、あなたの免疫系を強化するはず。結局、免疫系の大部分は、胃腸にあるのです。

2014年、『ジャーナル・オブ・サイエンス・アンド・メディシン・イン・スポーツ』誌に掲載された研究では、プロバイオティクスのサプリメントを取ったラグビー選手は、プラセボ(ニセのサプリメント)を取った選手よりも、風邪と胃腸の感染症がはるかに少ないことがわかりました。

善玉菌が本当にウイルスを寄せ付けないかを確認するには、より多くの研究が必要ですが、症状が出たときこそメリットがあるともされています。例えば、『ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ニュートリション』誌に掲載された研究では、プロバイオティクスまたはプラセボを服用している大学生が風邪をひく割合は同様だったものの、前者は、(鼻づまりや喉のような)強い症状の期間は短かったそう。

結論:ベストの薬は予防

とはいえもし風邪をひいても気にしないでください。ほとんどの成人は、毎年1度や2度、風邪をひくもの。どれくらい長引くかに目を向けます。「もし高熱やしつこい症状が出たら医師にかかり、風邪以外ではないか確認を」(クレメンツさん)。

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訳/STELLA MEDIX Ltd.

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