望ましくない侵入者から身体を守る
トイレに駆け込まざるを得ない羽目になると、自分の身体に裏切られたような気分になるかもしれません。でも、そうやってすべて出してしまうことが必要な場合もあるのです。それは望ましくない侵入者から身体を守るための調整システム。よくあるその原因? 食中毒です。
アメリカ食品医薬品局(FDA)によると、毎年アメリカ人のおよそ6人に1人、つまり推定4800万人が、何らかの形で食べ物が原因の病気にかかります。怪しげな食品や料理を食べると、身体のシステムをめちゃめちゃにする細菌やウイルス、寄生虫などの宝庫を飲み込んだのと同じという結果になりかねません。食べ物の「種類」に限らず、温度や調理方法、保存状態など、すべてが病気につながります。
でも、おかしな食べ物のせいで具合が悪くなったのか、それともほかの病気なのか、どうやって見分ければいい? 次に、食中毒について知っておく必要があることすべてと、その治療法を見てみましょう。
食中毒の症状は?
アメリカの大手総合病院、メイヨー・クリニックの医療情報サイトによると、食中毒の症状は、食べ物が何に汚染されていたか(サルモネラ菌やリステリア菌)によって違います。誰でも食中毒になるとはいえ、若い人、お年寄り、免疫力が弱くなっている人、慢性の病気を持つ人は高リスク。汚染された食品・料理を食べると、数時間(数日のことも)後に次のような症状がひとつまたは複数現れます。
吐き気または食欲減退 腹部のけいれん 嘔吐 下痢(水状または血が混じる) 発熱 疲労感 脱水症状(喉の渇き、ドライマウス、頭がふらつく)食中毒のよくある原因は?
何度もトイレに行かなくてはならないのは、食べた物のせいなのか、残酷な運命のいたずらで伝染性の何かにかかったせいなのか、どうすればわかるのでしょう? 残念ながら、症状だけでは区別できませんが、この数日何をしていたか、そして何を食べたかがヒントになります。
01. 食べ物の温度が悪かった
「パスタサラダやスタッフドエッグなどのパーティの定番料理は、食中毒の原因として有名。グリルドチキンや、基本的に傷みやすいと言われている食品はすべて」とニューヨーク大学ランゴーン医療センターの内科臨床准教授で消化器病専門、オステオパシー医師のリサ・ガンジュさん。「食べ物の温度に気をつけて、熱い食べ物は熱く、冷たい食べ物は冷たく保たなければなりません」。
予防法:FDAによると、傷みやすい食べ物を冷蔵庫から取り出しておけるのは2時間まで(周囲の気温が32度以上であれば1時間)。わからない(つまり、目の前のマカロニサラダがいつそこに出されたのかわからない)ときは、手を出さないでおきましょう。パーティでおなかいっぱいにならなくても、万一の場合よりマシです。
02. 調理したチキンを調理前と同じお皿にのせた
お肉に完全に火が通るまでちゃんと調理しても(安全な内部温度は、チキンなどの家禽類が74度、赤みの肉類が63度。そう、温度計が必要です)、その後の扱い方が問題になります。例えば、チキンをグリル焼きしてから生のときにのせていたお皿に戻したのでは、まっすぐ大腸菌の餌食に。
予防法:「汚染を避けるために、生のお肉と野菜はまな板も別にする方がよいかもしれません」(ガンジュさん)。保存の際も、生肉から細菌だらけの肉汁が落ちて、そのまま食べる安全な食品を汚染しないように気をつけて。「生のチキン(ビーフやポークなども)のパッケージをそのまま冷蔵庫の棚に置くよりも、別のしっかりした容器かビニール袋に入れます」とガンジュさん。
03. 飲んではいけない水を飲んだ
聞いたことがあるかもしれませんね、「メキシコでは水を飲んではいけません!」と。細菌に汚染されているリスクが高いからです(注意:メキシコだけではありません。中央アメリカ、アフリカ、アジア、中東などの一部の未開発地域も、生水はダメ)。気をつけるのは、生水のほかにも。「水が怪しい地域では、ろ過した水で洗っていない生の果物や野菜、それにサラダも避ける方がよさそう」(ガンジュさん)
予防法:プロバイオティクスを蓄えておきます。「旅行中に悪い物を食べると、腸のバリアに炎症が起きますが、プロバイオティクスは炎症を和らげて、回復をスピードアップしてくれます」(ガンジュさん)
04. 残り物を温めたけど、まだ少し冷たかった
調理してから冷蔵庫にきちんと保存し、温め直した食べ物でも、温め方がよくないと食中毒の原因に。「一晩の間に、冷蔵庫の中で細菌がつく可能性があります」(ガンジュさん)。
予防法:ついたかもしれない細菌をやっつけるには、調理済みの食べ物を電子レンジでもう一度74度以上まで温める必要があります。それから、冷凍食品のパッケージに「温めた後の置き時間」が書かれていたら、必ず守ること。温めた冷凍食品の外側の熱が内部まで十分に行きわたるために、それだけの時間が必要なのです(口の中をやけどしないように冷ますための時間ではありませんよ)。
食中毒で病院に行く方がいいのは?
たいていの食中毒はかなり軽く、1〜2日しか続きません。液体をたっぷり飲んで、トーストのようなあっさりした食べ物を取り、休息して乗り越えるようにすれば、たいていはすぐ回復します。
でも、液体が飲み下せない、便に血が混じる、筋肉に力が入らない、目がかすむ、熱が下がらない、ひどく脱水している気がする、3日以上下痢が続いているといった症状があったら、できるだけ早く医師の診察を受けます。食中毒がさらに合併症に進んでいる恐れがありますから、もっと悪くなる前に診てもらいましょう。
まず検便を行って正確な原因を調べ、治療法を決めることになりますが、身体から毒素を出すには、処方薬レベルの薬が必要になるかもしれません。
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訳/STELLA MEDIX Ltd.