ストレスを溜めないようにする、ツボ押しをする、温める、ストレッチをする、など、セルフケアの方法はいろいろあるようですが、最新栄養学からみると、フォーカスしたいのが摂取している油の質。痛みをコントロールするカギと言える栄養素として、注目されています。
身体の痛みは炎症から
身体のあちこちでしばしば訪れる痛み。深く関わっているのが炎症という状態です。
炎症とは、のどが腫れたり蚊に刺されたりといったときに起こるような、身を守るために起こる反応のこと。例えば蚊に刺されると、肌の表面がぷくっとふくらんで赤くなりますが、これも炎症の一種。害のある物質を外に出そうとしたり、壊れた組織を修復しようとするのです。
炎症は痛みの原因にもなりますが、体にとっては必要なことであり、炎症がなくなってしまっては、体を守ることができなくなります。だからと言って範囲が大きくなりすぎては、辛さも増してしまうため困ったものです。そのため、ほどほどのところで収める必要があリます。
炎症を促す物質、抑える物質、ともに材料は油
この反応に関わっているのがプロスタグランジンです。ホルモンのようなはたらきをする物質で、炎症を大きくするプロスタグランジン2系、炎症を抑える役割を持つ1系、3系など、いろんな種類があります。
プロスタグランジンは何からできているかというと、私たちの細胞膜にある油。日頃口にする油です。炎症を大きくする2系はサラダ油や植物油に多いオメガ6脂肪酸、反対に、炎症を抑える3系は青背の魚やえごま油に多いオメガ3脂肪酸を材料として作られます。
ちなみに痛み止め薬の多くは、炎症を大きくする2系の製造ラインをブロックすることで痛みを抑えています。 オーソモレキュラーの治療では炎症を抑えるためにオメガ3脂肪酸、DHAを使うことも。頭痛を和らげたいなら、3系をより多く作ることができる状態にしておくことです。
オススメはお刺身。ポテチや揚げ物は控えめに
そのために意識したいのが、植物油よりも魚の油を多く摂ること。植物油に多いオメガ6脂肪酸も体にとっては必要な栄養素ですが、現代人は摂りすぎの傾向にあります。お惣菜の揚げもの、ポテトチップスなどの加工食品は控え目に。
逆にたくさん食べてほしいのが魚です。ブリ、イワシ、アジといった青背の魚やマグロはたっぷりいただきましょう。お刺身にすれば、調理による栄養のロスも極力減らすことができます。以前紹介した、お刺身を味噌汁の具にして毎日いただく、という方法もいいですね。このほかサバ缶も手軽。サラダやカレーに入れるなど、うまく活用したいですね。
ちなみにマーガリンやショートニングはトランス脂肪酸が多く、炎症をうながしやすいので気をつけて。ショートニングはパンや焼き菓子、ドーナツなどに多く使われています。
体づくりの基本は食事から。糖質の量やカロリーと同様、口にするものがどんな油を使って作られているか、意識してみましょう。
油の種類、意識していますか?
魚の脂できれいに。サーモンサラダ 酢しょうがドレッシングがけ
image via Shutterstock