1950年代のアメリカで、カウンターカルチャーの代表として若者たちから熱狂的に支持を受けたビートニク文学。
今でも愛される、55年前の小説
このビートニク文学の代表的作家であるジャック・ケルアックの代表作が、1957年に発表された小説「路上/オン・ザ・ロード」です。
ボブ・ディラン、ジム・モリソン、デニス・ホッパー、ジョニー・デップといった多くのアーティストたちに大きな影響を与え、"ヒッピーの聖典"として愛読されたこの小説「路上/オン・ザ・ロード」が、発表から55年の時を経て、初めて映画化されました。
映画『オン・ザ・ロード』の主人公は、ジャック・ケルアック自身をモデルとするサル・パラダイス。ニューヨークで暮らしていた若者・サルが、アメリカ西部出身の自由奔放なディーン・モリアーティと出会い、お互いに影響を受けながらアメリカ国内を旅する様子が描かれています。
サルとディーン、そして彼らの友人たちはニューヨークからコロラド州デンバー、カリフォルニア州セルマ、ノースカロライナ州、ルイジアナ州、サンフランシスコ、メキシコと、様々な土地を車で旅をします。彼らは、アメリカの広大な自然の中を走るまっすぐな道路の上で、アルコール、ドラッグ、セックスにふけりながらも自分の人生を見つけていきます。既成の価値観に捕われず自由に生きる彼らの姿は、まさにヒッピー精神そのものと言えるでしょう。
この物語の魅力の大部分を担っているのは、実在の人物であるニール・キャサディをモデルとするディーン・モリアーティ。出会いのシーンから全裸で登場し、サルの常識を破壊し、世界を広げていくディーンは、多くの女性たちから愛され、女性たちを愛し、常識にとらわれず自由に生きる身勝手な男。
不思議な魅力に満ちたこのディーンを、『トロン:レガシー』のイケメン、ギャレット・ヘドランドが演じています。甘いマスクのギャレット・ヘドランドは、どうしようもない男なのに愛さずにはいられない、そんなダメ男の役柄にぴったり。他にも、主人公のサル・パラダイスを演じるサム・ライリー、カーロ・マルクスを演じるトム・スターリッジなど、注目の若手イケメン俳優が多数登場しています。
1940年代の若者たちの自由な旅を描いたこの作品、若さの持つ可能性や、自由の素晴らしさを思い出させてくれるような、まぶしさと乾きに満ちた一作です。
[オン・ザ・ロード](139分/フランス=ブラジル/2012年)
原題:On The Road
公開:2013年8月30日
配給:ブロードメディア・スタジオ
劇場:TOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開
製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ
監督:ウォルター・サレス
出演:ギャレット・ヘドランド/サム・ライリー/クリステン・スチュワート/キルスティン・ダンスト/ヴィゴ・モーテンセン
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©Gregory Smith
(松村知恵美)