映画『ニシノユキヒコの恋と冒険』前売りチケットの特典(非売品)として、芳野さんイラスト・デザイン、甲斐みのり監修で文庫本ブックカバーと、本型しおりをつくりました。しおりをはさむと、ユキヒコ帽子がちょこんと本から飛び出ます。
『犬猫』『人のセックスを笑うな』で独特の映像世界を描き、女性はもとより映画ファンから圧倒的な支持を集める井口奈己監督5年ぶりの新作映画が、全国の映画館で公開中です。
原作は、芥川賞作家・川上弘美『ニシノユキヒコの恋と冒険』。文学ファンにとっても公開前から楽しむな組み合わせ。なぜならニシノユキヒコは幽霊でもあるのですから。果たして監督はどんなふうに、川上作品に描かれた幽霊を、スクリーンに映し出しているのでしょう。
左/映画のイベントに合わせて芳野さんが制作した包装紙。コーヒー豆と鳥をちりばめたデザイン。贈りものを包んだり、手紙を書いても。右/猫と鳥のバッジも、映画のイベントに合わせて芳野さんが制作したもの。
顔よし、スタイルよし、仕事もできる、女性に優しい、稀代のモテ男。けれども最後には必ず、女性の方から彼の元を去ってしまう。この世とあの世、ふたつの世界をふわっと漂う主人公を演じるのは竹野内豊さん。さらに尾野真千子さん、成海璃子さん、木村文乃さん、本田翼さん、麻生久美子さん、阿川佐和子さんと、ニシノユキヒコに恋する女優陣も豪華。彼女たちが演じるいずれかの女性に感情移入して、ときめいたり痛みを覚えたり、恋する気持ちを思い出すはず。
彼女たちがまとう洋服や、それぞれの個性が反映された部屋のセット、犬や猫や鳥や脇を固める動物たち、食事シーンの食べもの、BGMに七尾旅人さんの主題歌......ストーリーや登場人物の心もよう以外の細部まで、見どころ聴きどころに満ち満ちています。
実は私もエキストラとしてお葬式シーンに参加させていただいているのですが、映画が作られる現場に立ち合うことができて貴重な経験に。女優みなさんの喪服姿が美しく、間近でぽーっと見惚れてしまいました。
3月2日には、日頃、井口奈己監督と親しい仲間で、映画の公開記念イベントを開催することに。
私は監督とトークを。映画のエンドロールで流れる書き文字や絵を担当するイラストレーターの芳野さんは、映画の鍵となるモチーフをちりばめたオリジナル雑貨を販売。
左/埼玉・cimaiによる帽子パン。右/徳島・アアルトコーヒーオリジナル「恋と冒険ブレンド」。映画のイベント時のみ販売をおこなう限定品。3種類のラベルのデザインは芳野さん。(中身の豆の味は3種類同じです)
徳島在住のコーヒーロースター、アアルトコーヒーの庄野雄治さんも、映画のイベント時のみ販売をおこなう「恋と冒険ブレンド」を携え、会場でコーヒーをいれてくださることに。埼玉のパン屋「cimai」はニシノユキヒコが劇中でかぶっている帽子をイメージした帽子パン、千葉奈津絵さんが調布で営むおやつ屋「dans la nature」からは鳥のクッキーなどが届き、会場はちょっとしたお祭りのような賑やかさ。
井口奈己監督と映画の公開記念イベントで京都を訪れたとき。
河原町三条の喫茶店「六曜社」で、映画ポスターにサインをしているところ。
3月8日には映画のデザインに関心のある方のためのイベントもあるので、よろしければ遊びにきてください。なによりぜひぜひ、映画もご覧いただければ。どの女性に共感を覚え、ニシノユキヒコにどんな思いを抱いたか、観たもの同士、話してみたいなあ。
井口奈己監督映画『ニシノユキヒコの恋と冒険』公開記念トークイベント at西荻窪
■日時:2014年3月2日(日) 14:00~15:30
■出演:井口奈己(映画監督)進行:甲斐みのり(文筆家)ゲスト:芳野(イラストレーター)
■会場:井荻会館(西荻窪駅徒歩12分)
トークショー『映画とデザインと、その裏側と』
■日時:2014年3月8日(土)15:00→16:30(14:30開場)
■出演:井口奈己(映画監督)大島依提亜(グラフィックデザイナー)甲斐みのり(文筆家)
■会場:ESPACE BIBLIO(エスパス・ビブリオ)