とはいえ、瞑想って難しそう......と敬遠してしまうひとも多いのでは? そこでおすすめなのが「歩く瞑想」です。通勤などの移動時間でできるので、時間のない人や、じっと座っているのが苦手な人にもぴったりです。
身体感覚にフォーカスする瞑想で気分すっきり瞑想というと、考えごとをせずに無にならなければいけない、というイメージがありますが、じつは思考や感情を止める必要はありません。
思考や感情は、流れゆく雲のようなものだと思ってください。空を見上げれば、青空の部分もあるし雲もあります。どんな嵐の日でも、雲の上には青空が広がっています。でも、雲だけを見ない、そして、雲の中に入ってしまわない。これが瞑想です。つまり、自分の中に必ず存在する静けさ(青空)を感じながら、わいてくる思考や感情(雲)を「ああ、流れているな」と距離を置いて見る、ということです。
自分の中の静けさを感じるには「今この瞬間」に集中することが大切です。過去や未来どころか、1分前や1分あとのことにもとらわれずに「今この瞬間」に集中できたとき、心はとても静かになります。歩く瞑想は、自分の身体感覚にフォーカスするので、初心者でもすぐに今この瞬間に集中することができます。
方法はびっくりするほど簡単。歩くときに感じる足の裏の感覚を観察するだけです。
<歩く瞑想のしかた>
歩きながら、足の裏の感覚を観察しましょう。かかとが地面につく衝撃、土踏まずの周辺が地面におりる感覚、つま先が地面をける感じ、そしてまたかかとが浮く感覚、というように、つぶさに観察していきます。両足を観察しても、片方の足だけでもOKです。
感情にとらわれずに、感情を見つめるポイントは、科学者のようにただただ観察すること。もし思考や感情がわいてきたら、「ああ、雲が流れてきたな」というように、そこにただ浮かべておきます。それでも、どうしても気になることがあるときは、「よし、空はいったん置いておいて、雲だけを見よう」と決めてから見るようにしましょう。思考にとらわれるのではなく、意思を持って向き合うことが肝心です。決してその思考や感情をなかったことにしたり、追いやったりしないようにしましょう。
いつでも、どこでもできる歩く瞑想。1日1分でもいいので毎日続けると効果的です。忙しいときや大事なプレゼンがあるときなど、ここぞというときは長めにやってみるといいでしょう。
次に歩くタイミングで、ぜひトライを。歩く瞑想で新しい自分に出会えるかもしれません。
walk via Shutterstock