たった一度でもほんとうに魂がふるえたことがあるなら、その人生は生きるに値するだろう。
(『NHKテレビ ニーチェ「ツァラトゥストラ」 2011年4月 (100分 de 名著)』P80より引用)
これは哲学者ニーチェの言葉を、わかりやすくしてくれた一文です。「魂がふるえる」とは、なんてドキドキするフレーズでしょうか。ニーチェは一度でも幸福のあまりふるえるような瞬間があれば、すべての運命を愛せるというのです。
幸せ=ラクではありません。ただラクなだけでは魂はふるえません。魂がふるえるにはよろこびを見つけられる感性が必要なのです。
「おかげで」のひと言で幸せに女優の坂井真紀さんはこう言います。
愛を手に入れるのではないのです。愛を感じることのできる心を手に入れるのです。そこには永遠の愛があるんです。
(『「ずっとそばにいたい」と思われる魔法の言葉』P60より引用)
この「愛」を「幸せ」に置き換えることもできます。幸せを感じることができる心を手に入れるためには、やっぱり練習が必要。
ニーチェはツライ出来事さえも、自分で望んだことだと思えば愛せるといいました。でも望んだと思いこむのはハードルが高いので、「~のせいで」を「~のおかげで」に変えてみると、すこしはその状況を受け入れることができるかもしれません。たとえば、あの人に振られたおかげで、もっと素敵な人と出会えるチャンスができたとか。
「おかげで」のひと言で、イヤなことをプラスに変えていく癖をつけてしまえば、よろこびを見つける心も育ち、同時に一生ものの「幸せを感じることのできる心」が手に入るのかもしれません。
[「ずっとそばにいたい」と思われる魔法の言葉, NHKテレビ ニーチェ『ツァラトゥストラ』 2011年4月 (100分 de 名著)]
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