昔であれば庭に犬小屋があり、首輪でつながれていた犬。猫はのんびりと放浪、おなかが減ったら適当に帰ってくるということが普通でした。しかし人間の生活習慣の変化とともにペットの飼い方やそれに伴うエサも多様化。多くの人が室内でペットを飼うようになり、動物たちは生活の一部ではなく、もはや家族そのものになりました。
ある調査によると、犬の飼い主の10人に1人は自分のペットがきっかけでお付き合いが始まったとか。また「ペットと私たち」の著者であり、獣医のクリスティーナ・フクレンブロイ氏はペットは人間にとって「心の穴」を埋めてくれる存在であると指摘。「ストレスや寂しさ、現代の社会における成果主義とうまく付き合うように助けてくれる役割を果たしている」と述べています。
ペットの老化にうまく寄り添うには家の中で飼っている猫、いわゆる「座敷ネコ」は通常、20歳まで生きると言われています。我が家の猫もなんと19歳まで自由気ままに生き、大往生でした。ドイツで販売されている「座敷ネコ」というベストセラー本には、人間と同じように老いてゆく猫の、正しくて「メリハリのある」ケアが書いてあり、非常に興味深いものです。
たとえば猫が好きな空間は、どれだけ空間が狭くとも、できるだけ上る・ジャンプするなどの運動を促すものがあること、だったり、いっしょに遊んだりするなどの何かにいそしむ時間帯をきちんと設けることの重要性、そのいっぽうで十分甘やかし、休ませてあげることの必要性、など。そして老いる過程で食事には特に気を配り、できるだけ太らないようにすることなどが挙げられます。
猫に多いとされるのが腎臓病。ペットフードには量を増やすための大豆を使った粗悪なものもあり、これがよくないとされています。値段が高ければよい、ということでは必ずしもありません。本の中では、理想的な食事は砂糖(デクストロース、ソルビット、グリコーゲンと書いてあることも)・大豆・穀物(米)の入っていないもの、そして良質な肉の割合が高いもの(85-95%)とされていました。私もこれを参考とし、手に入らない場合には自分で作るなどしたこともあります。
いつまでも大切なパートナーといっしょに楽しい時間を過ごせるように、いつも目を配り、十分な愛情を注ぎたいものです。
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