子どもは、代謝の良さから大人よりも熱中症に強そうな印象があります。ところが子どもは、大人よりも汗をかけず、熱の発散力も弱いのです。
環境省の熱中症予防情報サイトでは、
思春期前の子どもは汗腺をはじめとした体温調節能力がまだ十分に発達していないために、高齢者と同様に熱中症のリスクが高くなります。
(熱中症予防情報サイト/環境省 p4(2)子どもの特徴 より引用)
と、子どもは汗をかく機能が発達途中で、大人よりも汗をかきにくいと書かれています。
汗をかきにくいということは、暑いと感じても汗を外に放出することがうまくできず、熱が体にたまりがちになります。
さらに、子ども、とくに幼児は大人よりも身長が低いぶん、地面にたまった熱の影響を受けやすい点も、注意が必要。大人よりも暑さを感じている可能性が高いのです。では、子どもの熱中症対策は、どのようにすればいいのでしょうか。
子どもには、対策のマニュアル化が有効子どもは大人ほど熱中症の怖さを認識していません。そのため、自発的に「対策をしよう」とはなかなか思わないものです。そこで、大人が意識的におこなう対策を、子どもにはマニュアルとして教え、習慣にさせます。
たとえば、「何分おきに水を飲む」「のどが渇いたら水を飲む」などのマニュアルにしてしまい、子どもがのどの渇きや時間に応じて自発的に水を飲むようにします。
適度に外で遊ばせるのも、熱中症対策にまた、汗腺が発達途中だからといって冷房のきいた部屋でばかり過ごさせると、汗をかく練習ができず、いざ猛暑のなか外へ出たとき、あっという間に熱中症になってしまいます。
暑くても子どもを適度に外で遊ばせるというのは、代謝がいいからではなく、発達途中の汗かき機能を育てるためなのです。できるだけ発汗しやすい服を着せるなどしながら、外で遊ぶ機会もつくってあげましょう。
自分や友達に子どもがいる人はもちろん、近くで遊ぶ子どもたちにも気をとめ、ときにフォローしてあげる。そんな小さな心配りが、大きな社会貢献へとつながるように思います。
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