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男の胃袋をつかむ手料理なんか作りたくない。でも、結婚したい。
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男の胃袋をつかむ手料理なんか作りたくない。でも、結婚したい。

2016-06-20 12:30
    男の胃袋をつかむ手料理なんか作りたくない。でも、結婚したい。

    「肉じゃが」。この料理ほど女に作られ、女に憎まれた料理もないのではないでしょうか。

    肉じゃがは「男性が彼女に作って欲しい手料理」として1万年前から君臨した元祖モテテクです。「彼女の肉じゃがが母の味に似ていたので結婚しました」「最初は半信半疑でこの肉じゃがレシピを使ったんです。そしたら肉じゃがを食べた翌日に彼がプロポーズしてくれて...本当にこの肉じゃがレシピのおかげで幸せです」といった成功エピソード、モテテク、結婚アプローチメソッドが巷にあふれていました。

    あまりに有名になりすぎたため、やがて「モテを狙ってあざとい」「古い」「昭和の香りがする」と槍玉に挙げられて、モテ業界の寵児から一転して袋叩きのターゲットになり、今に至ります。

    肉じゃがが好きな男はイヤです

    今でこそ「肉じゃがは古代の遺物」と言われますが、肉じゃが全盛期でも、周りのバリキャリ女性陣は肉じゃがには冷めた反応を見せていたことを思い出します。

    肉じゃがを好きな男が嫌い派

    「小さい頃に食べた懐かしい味を作ってほしいとか、マザコン感があってキモい」

    「ああいうわかりやすく濃い味を好きな男は味蕾が未発達なイメージがあって付き合いたくない。結婚した時にハンバーグとから揚げとかリクエストされたくない」

    作る気がない派

    「都市伝説でしょ? 私、そんなの作ったことないけど3人にプロポーズされたよ」

    そもそも料理ができない派

    「シェフさん(彼女の家はお抱えシェフを雇っていた)が作ってくれたように作れないからやりたくない」

    肉じゃがと過去に何があったんだ派

    「じゃがいものほっこり感に騙されてるだけでしょ? やつはただのポテト野郎だよ?」

    さんざんな言われようですが、彼女たちは肉じゃがそのものではなく、その背景にある「女は手料理を作り、男はそれを食べて喜ぶ」という古い価値観に抗っていたように思います。

    手料理を作る暇なんてないんだよ

    東京でバリバリと働く女たちにとって、家で自炊をする時間はほとんど取れません。平日の夜は残業、デート、女子会、習い事、合コンですべて埋まっています。退社した後に自炊?無理無理。料理をする暇があったら勉強するか風呂に入るか寝ます。そうじゃないとこの楽しく忙しい魔窟TOKYOを生き延びられないから。

    それに、これだけ外食文化が発達した現代において、料理は「生きるための必須スキル」ではなく「好きな人が空いた時間にやる趣味」レベルの重要性しかありません。しかも料理は、おしゃれな料理本やレシピには書いていない基礎知識とスキル、経験と失敗を求められます。参入障壁が低いように見えて、意外と高い。そんな苦労をしなければまともな料理を食べられないのなら、忙しく働く女たちが「金で解決!外食最高!」となるのは自然なこと。

    周りを見ていても「やる人はやるけど、メジャーではないよね」レベルだったと思います。

    料理ができなきゃ結婚できない?

    そんな彼女たちが、アラサーになるといきなり料理を始めることが増えました。

    「激務すぎて体調を崩してから、ワークライフバランスと栄養に気を使うようになった」「外食に飽きた」「マンションを買いたいからコスパ重視にシフトした」などきっかけはさまざまありますが、その背景にうっすらと見えるのが「結婚したいから、料理ぐらいできなきゃまずいと思って」。

    仕事だけに没頭していた頃、あれだけ「古い価値観」と抗っていた「女は手料理を作り、男はそれを食べて喜ぶ」というプロパガンダに戻ってきているのです。

    手料理なんて作りたくない。でも、結婚したい。

    なぜこうなっているかといえば、世間の価値観は、自分が思ってるほど新しくなっておらず、いまだに「女は手料理を作った方が結婚しやすい」メソッドを踏襲した方が効率がいいと気づいてしまったから。

    5年付き合った彼と別れて婚活を始めたけど、会う男性にかなり高い確率で料理の腕を聞かれた。

    仕事しかできない自分を突きつけられたようで、自信をなくした。

    これまでは自分のことしか考えてなかったけど、子供が生まれた時のことを考えたら、やっぱり手料理を食べさせてあげたいと思った。

    浮気した彼のことを既婚者の先輩に話したら「男は胃袋をつかむものよ」って言われた。

    こういったことが、彼女たちの「自分はバリバリ稼ぐから料理に時間とコストはかけないし、それでいい」という自信を失わせていきます。

    彼女たちの多くは同世代の男性と同等、あるいはそれよりも稼ぎますが、その忙しさは加味されません。女だからという理由で「料理ができて当たり前」と思われ、できないと「できない女」「自分勝手な女」「家庭を一緒に築けない女」と思われ、「仕事も料理もできてほしい」というナチュラルな無茶ぶりを投げつけられて、当惑するのです。

    慣れないことを学ぶか、自分はこのままでいいというか

    男女雇用機会均等法が施行されてから長いですが、いまだに「賃金格差」「家事格差」は存在します。彼女たちのように同世代男性の年収よりも稼いでいても、家事については「女性が時間を割いて当たり前、できて当たり前」を求めらることが多いのは事実です。

    問題はこの容赦ないうんこめいた事実を批判することではなく、どう生き延びるかです。声を上げることはもちろん大事だけど、批判ばかりで何もしなかったら、貴重なアラサー時代があっという間に過ぎ去ります。

    方法は2つあります。もし自分が本当に「自分は新しいスキルを習得したい」と思うなら、料理を学ぶ。自分にとって料理よりも優先してやりたいことがあり、コストをかける価値を認められないなら、料理は今までどおりやらずに、「料理ができる男」「料理ができなくても気にしない男」だけにターゲットを絞る。

    肝心なのは「自分がどうしたいか」で選ぶことだと私は思います。ここで自分がやりたくない方を選んだら、たとえそれで「君は料理ができて素晴らしい」という男性と結婚したとしても、すぐに無理がきます。私はロングスパン効率厨なので、長期的な利益を損なうことはオススメしたくありません。

    もしちゃんと自分で納得して選んだなら、料理にかける時間を省いてより仕事の腕を磨く女性も、仕事にぶっ込む時間を減らしてわたわたしながらも料理する女性も、どちらも同じぐらい格好いいし萌える。

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    撮影/出川光



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