「結婚したい女 vs 結婚したくない男」の間で毎秒1億回ぐらい繰り返されているであろうこの会話。
多くの場合、この言葉が意味するところは「君と結婚する気はないけど、いい女がいたらプロポーズするよ」であり、「そうなの、じゃああなたの仕事がうまくいくまで待つわ...!」と待っていたらあっというまに数年が経っていた...なんてホラー話が後を絶ちませんが、本当に「いまは仕事に集中したい」人ももちろんいます。
とくにアラサー女性がこの言葉を口にする場合は本気です。
いまここで年収を上げないと問題2016年、世界経済フォーラムが公開する「ジェンダー・ギャップ指数」調査で日本はみごと、過去最低水準の144か国中111位を記録しました。ハラショー。
ここまで下がった理由の大きな要因は「男女の所得格差」。
25〜29歳までの男女の平均年収差は81万円ですが、30〜34歳になると男女の平均年収差は145万円にまで広がります(国税庁「民間給与実態統計調査」2016年度版より)。
もともとある格差が、子どもを持つなどしてキャリアに中断が入ったり雇用形態を変えることにすると、さらに高くなるわけです。
「復職できると思ったらダメだった」という予想外の退職。「子どもがいるからしょうがないよね」と望まない仕事に異動させられるマミートラック問題。結婚して子どもを持つことを考えると、どうしても「年収が下がる」リスクが高まります。
バリキャリであればあるほどこの問題は深刻なので「結婚する前に年収を蹴り上げとかないとまずい」と、仕事にがっつり精を出して昇進や転職、マネージャーポジションなどを狙うわけですが、ちょうどそれぐらいの勝負をかけられる実績がついているのがアラサーという、これまた絶妙なお年頃。
「しかしここでやっておかないとまずい、優先順位はこっちだ!」ということで、婚活や結婚よりも仕事を選ぶわけです。激務バリキャリの女性や起業している女性の多くが「アラサーの頃? いちばん仕事してたわー」と言うので、この選択は仕事重視の女性陣にとってはわりとメジャーです。
仕事が好きすぎて婚活に時間を割くのがめんどい問題そして、もうひとつよく聞くのが「仕事が好きすぎて没頭してたら、気づいたら30歳を超えてたんだよね」という声。
彼女たちは「趣味や好きなことを仕事にしている」タイプが多く、帰宅後も休日でも仕事に関連する本を読み漁っていたり、情報収集していたり、モノを作っていたり、仕事つながりの人とミーティングしていたりと、とにかく「仕事が楽しすぎて、時間があればあるほど使いたい」人たちです。
とても明るくエネルギッシュなので付き合っていて楽しいのですが、30歳を超えたあたりから「ねえ、私ぜんぜん結婚とか考えてなかったんだけど、どうしよう」と相談を持ちかけられることが。
「婚活してみたら?」と言っても「でも、仕事が楽しすぎて時間を割きたくない」「いまここが踏ん張りどきだから時間を削りたくない」という答えが返ってきます。
でも、これまで仕事に没頭しすぎていて恋愛から遠ざかっているからリハビリが必要...。
だとするともう婚活を始めないと35歳までに子どもが作れない...。
でも時間が惜しい...好きなことをしていたい...。
こんなアンビバレントな気持ちの揺れ動きが見えます。
仕事に集中したいから婚活する暇がない。でも、結婚したい。さらに彼女たちを悩ませるのが「結婚しないの?」「結婚できなくなるよ?」プレッシャー。
「仕事ばかりしてると結婚できなくなるよ」
「仕事も子どももなんて贅沢だよね」
「自分より仕事ができる女って、男は嫌がるよ」
「頭いいんだから、もっと戦略的に動いたら? 能あるタカは爪を隠すってね」
心の底から余計なお世話でしかないうんコメントですが、彼女たちは「結婚よりも仕事を選んでいる自分は結婚できないのでは?」という恐れから、気にしないふりをしていても結構なダメージを負っています。
「やっぱり仕事より婚活を優先しないとダメかな...」
「キャリアを捨てた方がしあわせになれるのかな...」
「仕事が好きなんだけど、もっと暇な業界に行かないと結婚できないのかな...」
そう言いながら、彼女たちは「いまは婚活より仕事!」という自分の決断に迷います。
優先順位とスケジュールがはっきりしていれば大丈夫しかし、「仕事を選ぶ自分は女としてダメなのでは」「結婚できなくなるのでは」と深刻になりすぎなくてもいいと思います。彼女たちは好きなこと、やるべきこと、やりたいことがハッキリしていて、そのために行動して成果を上げられる人たちです。
だらだらと「いつか結婚するんだ...王子様が現れるんだ...彼のお給料でいい生活をするんだ...いい生活をしてればもっとやりがいのある仕事に就けるはず...」と他人に依存する気まんまんで、妄想してばかりでなにひとつ動かないタイプだったら「いやいやもう少し考えよう。自分で動こう。ちゃんと婚活しよう」と肩を全自動マシンで揺さぶりたくもなりますが、彼女たちに関してはそういう心配がぜんぜんありません。
彼女たちに必要なのは「いま、私は結婚や婚活よりも仕事を優先しているのだ」という自覚と、「いつまでに仕事を優先させ、いつから婚活へ時間リソースを割くか」という明確なスケジュールだけだと思っています。
時間という人類きっての貴重なリソースはどうあがいても有限なので、なにかを優先させればなにかへのリソースが足りなくなるのは宇宙の理です。「仕事と婚活、どっちもやりたいけど...」と迷っている場合は、優先順位の決定が大事。
仕事も婚活も、膨大なエネルギーと時間を必要とします。「両方同時にやりたい」っていうのはよほど器用でないと難しい。
なのでどちらを優先するのかをちゃんと考えて、自分で納得しておく必要があります。「私はいま、結婚よりも仕事なんだ」としっかり認識していれば、後悔するリスクは防げます。
もし年齢が気になるのなら「32歳の誕生日までは仕事優先。そっから先は婚活にリソースを割く」とスケジュールを決めればいいだけのこと。慣れないことをして失敗してへこむことも計算に入れて、「婚活を1年がんばってみて、ダメだったら仕事で精神力を回復して、また半年後に婚活に臨む」という交互スケジュールを立てる人もいます。
なので、「優先順位の定期確認」と「スケジュール意識」だけはっきりしていれば、そんなに深刻になることはないと思います。
まわりのプレッシャー? 無視無視。彼らは私たちの人生になんの責任も持っていないのですから、意思決定に組み込む必要はありません。
ちゃんと考えて行動できる彼女たちには、もっと自分の「意思決定、計画、実行」する力を信じてほしいなーと思います。
撮影/出川光 文/ぱぷりこ
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