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私はブスで非モテの喪女ですし。でも、結婚したい。
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私はブスで非モテの喪女ですし。でも、結婚したい。

2017-05-15 22:30
    女子校のいいところは、いろいろなタイプの女子と仲良くなれることです。

    モデル、秀才、ギャル、オタク、体育会系、文学少女、恋愛のめりこみ女、妄想女子、さまざまなタイプの子と話をして一緒に過ごした経験があるので、だいたいどんなタイプの女性とも話はできるのですが、いまも昔もすこし身構えてしまうのが「自虐する女性」。

    「私、ブス喪女ですし」「女じゃないですし」

    彼女たちは明るくこんなふうに言ってきます。

    「私、喪女なんですよー(笑)」

    「彼氏、できなさそうでしょ? 当たり〜」

    「私、心がおっさんだから! だから全然モテないから!」

    「『女に見えない』ってよくまわりの人から言われるんですよね〜」

    「まあ、こんなブス、誰も抱きたいと思わないですよね。私が男だったらまじないです」

    努めて明るく、まわりを盛り上げるように、「ねえ! 笑って!」というような高めの声音で、彼女たちは自分を卑下します。

    笑ってほしいが肯定されると傷つく

    そして多くの人はテンプレ回答を返します。

    「えーそんなことないよー」

    「そうは見えないよー」

    「えーそうなのー?」

    これらの言葉は「あたりさわりなく相手を不快にさせないようにしつつ、やりすごしたい」の言い換えです。

    おうおうにして自虐タイプは、「否定されたいわけじゃないんですよー本当にそう思ってるんですって!」などと言って、「私のことなんて気遣わなくていいんですよ」ポーズをとります。

    しかし、実際にまわりから「あははーそうかもねー」「そのとおりだねー」と自虐を肯定されたら、「ですよねー」と笑いながらも傷つき、立ち直りに時間がかかるもの。

    どうせ私は非モテですし。でも、結婚したい。

    そもそも、これだけ会話で口にするということは、普段からとても気にしているということです。

    人に自分のコンプレックスをずばっと指摘されたり、口には出されずとも心のなかで思われることを恐れるあまり、彼女たちは「先制攻撃だ!」と言わんばかりに自虐します。

    彼女たちは自分のことを「ブス」「喪女」「非モテ」「男性ニーズがない」と評します。

    しかし、その裏には「本当は恋愛結婚したい」「愛されたい」という悲鳴が隠れていることがしばしばあります。

    時折、彼女たちは「こんな自分でも結婚したいと思うことがある」「愛し愛される関係を築きたい」とこぼします。

    「でもそれは無理だから、せめてまわりから惨めだと思われないように、自分から言うことで、まわりに気を使わせないようにしている」

    「自分から言うことで、そんなに気にしてないから憐れまないでくれと宣言したいのかも」

    「人と目が合うと『あ、やばいまた嫌われるかも』『こいつ勘違いしてると思われるかも』とパニックになって、自分からコンプレックスをばーっとしゃべってしまう」

    話を聞いてみると、彼女たちは希望を持ちたいのだけど、希望が長年叶わなかったために失望し、とても傷つきやすいことがうかがえます。彼女たちはたび重なる失望や心ない発言によって、少しの傷でも大ダメージを負うようになってしまっています。

    自虐は攻撃ですが「自分による自分への攻撃」なので中身が予測可能であり、ダメージ具合もわかります。

    他者からの予測不可能な攻撃によって背後から打たれて大ダメージを食らうよりも、自分で自分をちょっとだけ傷つけてそれ以上の攻撃をブロックできる自虐のほうが楽なのだということが見えてきます。

    ニッチ市場向きなことと卑屈であることを切り分けろ

    彼女たちがこれ以上は傷つきたくないのはよーくわかるし、そのために自虐がそれなりに有効なのも想像がつきます。

    しかし、それでも私は自虐はやめたほうがいいと思っています。

    なぜなら、問題の切り分けが難しくなるから。

    彼女たちの多くは、「自分が非モテだから結婚できない・誰からも恋愛対象として見られない」と考えていますが、彼女たちの態度には「大多数に好かれるタイプではない=ニッチ市場向きであること」と「卑屈なこと」、ふたつの切り口があります。

    「デブ・ブス・オタクである=誰からも好かれるモテ女タイプではない=非モテ・喪女である=誰からも愛されない」とつなげがちですが、別にモテ女タイプじゃなくても恋人がいたり結婚してる人はたくさんいます。

    「誰からも好かれるモテ女タイプではない=ニッチ市場向きタイプであり、数少ないがマッチング対象者はいる」というほうが精確でしょう。

    一方、「自虐的で卑屈な人が苦手」という人は男女問わず多いです。こちらも「卑屈な人が大好き!」というニッチ層がいるにはいますが、少数派。

    恋愛市場をふたつの切り口で分解するとこうなります。

    1. わかりやすくモテるタイプが好き × 自虐が苦手
    2. わかりやすくモテるタイプが好き × 自虐が好き
    3. わかりやすくモテるタイプ以外が好き(ニッチ) × 自虐が苦手
    4. わかりやすくモテるタイプ以外が好き(ニッチ) × 自虐が好き

    いちばん多いのは1の層です。

    2はいわゆる「メンヘラほいほい男」などが入りますが、少数派です。

    「モテ女タイプではないからと自虐する」と、4の層しかターゲットにならない(そしてこの層はほとんどいない)ですが、実際には3の層がそれなりにいます。

    私のまわりでも「わかりやすいモテタイプは苦手」「ぽっちゃりしてるほうがいい」「ガチオタクの子と結婚したい」という人はそこそこいます。

    しかし、自虐をしていると「別にブスだと思わないんだけど?」「オタクってそんなに悪いこと?」というニュートラルな人たちにまで「あ、非モテなんだ」「なんかめちゃくちゃ気遣いを要求されて面倒くさそう」と思われて、「本当は悪い印象を持っていなかった人にまで悪い印象を与えてしまう」という悲劇が起こりがち。

    自虐は「自分に悪い印象を持つ人間」向けの防衛策としてはそこそこ機能するのかもしれませんが、同時に「自分にそれほど悪い印象を持っていなかった人間」を遠ざけるというマイナスの副作用があります。

    つまり、自分を守っているつもりで、不利益も同時に受けているわけです。

    しかし、彼女たちはその「やっぱり、ブスで非モテだから避けられた・嫌われた」と認識してしまいがち。

    メリット・デメリットをきっちり認識したうえで「それでも私は自虐がしたいんだ!」というならそれは個人の自由ですが、デメリットを意識しておらずにやっているのだとしたら、もったいないし、つらいことだと思うのですよね。

    基本的に、人間と虫は明るいところとものを好みます。

    人はコンプレックスを誰しも抱くものですが、「ダメな自分でもいいと思う」と自分に自分でOKを出している人はやはり魅力的だし、人が集まりやすいと、周囲を観察していて思います。

    人は自分が思ってるほど、他人のことなど気にしちゃいません。自分以上に自分を気にしている人などいないのです。

    彼女たちが言う「ブス・デブ・非モテ・喪女」だって、傍から見てると「そんなに卑屈にならなくてもいいのに」と思うことはままあります。

    自虐癖をなくすことは難しいですが、いったんストップしてみて、「自分に悪い印象を持っていない人」を見分けられるようにすることは、けっこー有意義だと思っています。

    >>連載「でも、結婚したい。」をもっと読む

    撮影(トップ)/田所瑞穂 撮影/出川光 文/ぱぷりこ

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