リレー小説の第7回を書いていきたいと思います!
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前回から、だいぶ間があきましたね…。
リレー小説「勇者の冒険」第7回/全10回
襲撃の日から、俺は魔王討伐を真剣に考えるようになった。
無謀と思われるかもしれない。
でも、他に誰もやらないならば、自分がするしかないではないか。
かつて、遠い昔には、たった一人で魔王に立ち向かった勇者がいた。
国王の後ろ盾があったとはいえ、その支援内容は、檜製の棒1本と、わずかばかりの資金だったという。
魔王を倒そうという強い意志が本当にあるなら、味方がいなくても、物資や資金が足りなくても、何とかなるはずなのだ。
とはいえ、試験に合格しなければ、まずは始まらない。
村の混乱が一段落すると、俺は再び勇者試験の申請に行った。
再び試験料を要求されたので、俺は前回の試験が襲撃の日に当たり、やむを得ない事由で中止になったことを説明した。
すると窓口の人は、私では判断できかねますので、上の者を呼びますと言って、しばらく待たされた。
30分ほど待ってやっと出てきた「上の」人も、今までに前例がない事例のため、村役場での判断はできないので、上級行政庁に問い合わせすると言って、さらに待たされるはめになった。
俺はイライラしていた。
こんなつまらないことで、待たされるということそのものについてだけではない。
こんな些細なつまらないことに関しては、長い時間をかけた考慮と話し合いが行われ、迅速にネットワークが利用され、慎重な判断が下され、税金も使われているというのに。
肝心な、重要なことに関しては、何も行われないまま。
村があれほど荒らされ、あんなに被害者も出たというのに、そして、その原因は誰もが知っているはずなのに。
それに真剣に取り組もうとする人はいない。
隣の窓口では、壊された家の修理費の補助について、役場の人と村人が真剣に会話をしていた。
再試験料を免除され、再び試験を受けた俺は、今度は手早く試験を終わらせることにした。
こんな試験はどうでも良いのだ。
倒すのはスライムでも何でも構わない。
目的は早く免許をもらって一人前とみなされ、リプルが使用できるようになることであって。
そして、魔王討伐に行くためであって。
俺は、森の入口にいたスライムを、武器も何も使わず素手のまま適当に倒し、試験に合格した。