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得意だと思っていたピアノ。

しかし、1回の失敗が原因で人前で弾く事に恐怖を感じるようになってしまった私。

そんな私が大好きなピアノ協奏曲にソリストとして挑戦し、やりきる事ができたきっかけとなった、あがり症を克服した魔法の言葉がありました。

小学4年生のミニコンサートで頭が真っ白に

発表会で得意なピアノを披露する事は、私にとって喜びでした。

ピアノといえば、発表会などで暗譜をしなくてはならないという風潮がありますが、子どもの頃の私は暗譜にもさほど苦手意識は持っていませんでした。

ところが小学4年生のある日、事件が起きたのです。

それは毎年1度、特別なホールを貸しきって開催される大きな発表会ではない、普段の教室内で行われる小さな「ミニコンサート」で起こりました。

年に1回しか発表の機会が無いと、子どもたちのモチベーションはなかなか上がらないため、私の通っていたピアノ教室では、主にお母さんたちを対象とした「ミニコンサート」たるイベントがしばしば行われていました。

子どもたちが演奏する曲も、発表会のために練習するような大きな曲ではなく、普段のレッスンで取り組んでいるようなものになります。

そこで私が何を弾いたのか、正確には覚えていませんが、演奏中に頭が真っ白になり、手が止まってしまったのです。

そんな事は始めてだったため、パニックになり、最初から弾きなおしても同じ箇所でやはり頭が真っ白に……。

10歳そこそこの子どもにとってはとんでもない恐怖でした。

その時は先生が咄嗟に楽譜を差し出してくれて、どうにか最後まで弾ききりましたが、この事件が私にとってのトラウマとなり、以後ずっと私を苦しめる事になるのです。

これが、私の「あがり症」のはじまりでした。


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