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普段の生活において生きづらさを感じ、「こんなに悩んでしまう私は異常なんじゃないか」「こんなことができない私は変なのではないか」などと不安に思ってしまうことがあるかもしれません。
そこで今回は、メンタルヘルスにおける「正常」と「異常」の境界についてお話しします。
この記事を読んで、心理学の領域での「正常と異常の境界を引く基準」を知ることで、自分自身を見つめ直すきっかけになればと思います。
メンタルヘルスにおける正常・異常の境界線はわかりにくい
同じできごとに遭遇しても、個人のとる反応は様々です。
例えば、誰か知らない人と会うときに、楽しみに思う人もいれば、緊張する人もいます。何とも思わない人だっています。
他にも、楽しみに思いすぎて夜眠れなくなったり、朝早くから目が覚めたり。緊張しすぎてお腹が痛くなる人や、緊張することを避けるために、そもそも人と会う約束はしないという人もいるかもしれません。
では、こうした反応のうち、どこまでが正常でどこからが異常と考えられるのでしょうか。
メンタルヘルスにおける健康と疾患の境界線、あるいは正常と異常の境界線というものがどこにあるのかは、目で見てわかるものではなく、また採血データのように数値で示されるものでもないため、非常に微妙で難解な問題です。
正常性と異常性の境界を引く基準とは
心理学の領域における「正常性と異常性の境界を引く基準」には、「適応的基準」「価値的基準」「統計的基準」「病理的基準」の4種類があります。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1. 適応的基準
適応的基準では、自分自身が所属する社会や集団に適応できているかどうか、また、適応できていない場合、そのことに自分自身や周囲の人が苦痛や迷惑を感じているかどうかを問題とします。
たとえば、学校生活になじめず不登校になった場合、自分が学校に行けないことに悩んでいれば異常と判断されます。
しかし、自分が特に悩んでおらず、家族も特に問題を感じていないような場合は異常という判断をする必要はないことになります。